言文一致

水野葉舟







 姿

 
 
 
 調



 
 



 


 
 
 使
 
 
 
 調
 穿調



 
 
 
鹿西西西調西
 姿
 
 
 



 
 
 



   

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 調調()
 調()()調()調()調調
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 姿調調
 使
 
 
 使
 
 



 
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 姿
 
 便
 
 
 
 



 





 
 調
 
 
 
 姿
 



 さて最後に、私どもの記憶の中に、言文一致といふ呼び方がいつの間に消えてゆき、その言葉が死語となつていつたのは、いつ頃の事からであつたらうか、それを思ひ出して見るのは興味の深い事である。勿論、かういふ事にはつきりした境界が目に見える筈もなく、又何かの記録のある筈のものでもない。しかしいろいろの記憶をたどつて行くと概略の推定をする事は出来ると思ふ。
 それはほゞ大正年代の末期頃であつたかと私は思つてゐる。国語問題が熱心に論じられ始め、当時の小学校の国語教育が新展開してそれが盛んに考究され、実行に移され始めた前後を一くぎりとして、古い「言文一致」の呼び方は「口語体」といふ名に代つた、と、私はまづさう見当をつけてゐる。この頃には既に日本の文体は殆ど口語体になつて居て、従来の幹流であつた文語の体は、一つの特殊の領域に属してゐるものになつてゐた。それで「言文一致」といふ名が消える頃には、それをわざわざ口語体とことわるのは、何かその文体を文語の文章と対比する場合か、その他に特に説明を要する場合に限られてゐた、といふ有様であつた。





底本:「明治文学遊学案内」筑摩書房
   2000(平成12)年8月25日初版第1刷発行
底本の親本:「明治文学の潮流」紀元社
   1944(昭和19)年初版発行
入力:川山隆
校正:R
2010年10月6日作成
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