愛國歌小觀

齋藤茂吉




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うらうらとのどけき春の心よりにほひいでたる山ざくら花 (賀茂眞淵)
しきしまの大和心を人とはば朝日ににほふ山ざくら花 (本居宣長)
 
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 調調使
       
千萬ちよろづのえみしが船をしづめけむ神のいぶきぞあやにかしこき (中島廣足)
 ※(「さんずい+冗」、第4水準2-78-26)
 
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むぐら刈る利鎌とがまのかまのやきがまのつかのまも見むたまあひの友 (和田嚴足)
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おほ神のいはへる國のますらをの矢先やさきに向ふあたあらめやは (千種有功)
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神風かむかぜのかしこき事を知らずかもたはれごといふたはれ亞米利加あめりか (鹿持雅澄)
あなあはれおぞや亞米利加神風かむかぜかしこきことをは知らずやも (同)
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朝日さすすめら御國みくにのかたをこそあめのはじめといふべかりけれ (橘守部)
朝日子のとよさかのぼる御國みくにこそ日のいる國の初めなりけれ (同)
大君の高くら山の高ねより落つるしづくやみめぐみのつゆ (同)
 調
       
すめらぎの道ただ一つこをおきてあだ小徑こみちによらめやも人 (平田篤胤)
畏くもわが大神おほかみともちいつく赤きこころをしく思ほせ (同)
天皇すめらぎのもとつ御國みくにふるごとのみち榮ゆべき時は來にけり (同)
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みちのくのそとなる蝦夷えぞそとぐ船よりとほく物をこそ思へ (佐久間象山)
 
 
 調
       
八汐路やしほぢたやすくわたるもろこしの海の城てふなくてやまめや (吉田松陰)
 
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おほきみの御稜威みいつかがやくもと狂業たはわざするなおそ漢人からひと (平賀元義)
 
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とつ國の道にまどへる世の人のやまとへ還るしるししてまし (大國隆正)
四方よもの海とほきえみしの國までも我が大君のものならじやは (同)
えみしらがあたせむ舟を拂ひすて大海原おほうなばらにいぶきすててむ (同)
 
       
天皇おほきみは神にしますぞ天皇おほきみちよくとしいはばかしこみまつれ (橘曙覽)
大皇おほきみしこの御楯といふものはかかるものぞと進め眞前まさきに (同)
大皇おほきみ勅頭みことかしらにいただきて揮はむ太刀による仇あらめや (同)
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 ()()※(「口+金」、第3水準1-15-5)
       
大君のに捨てたりしもののふのいのちは道のいのちならずや (八田知紀)
 滿





 
   197550718

   1942175


201094
2011422

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