人口論

AN ESSAY ON THE PRINCIPLE OF POPULATION

第一篇 世界の未開国及び過去の時代における人口に対する妨げについて

トマス・ロバト・マルサス Thomas Robert Malthus

吉田秀夫訳




     

 
 
 
 
 

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()鹿
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退




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 ()11
 1) Franklin's Miscell. p. 9.
 これは議論の余地なく本当である。動植物界を通じて、自然は生命の種子を、最も惜しみなく気前よく播き散らしたが、しかしそれを養うに必要な余地と養分とについては比較的これを惜しんだ。この土地に含まれた生命の種子は、もし自由にのびることが出来るならば、数千年にして数百万の世界を満たすであろう。だが、必然という、緊急普遍の自然法則は、それを一定の限界以内に抑制する。動物の種と植物の種とはこの大制限法則の下に萎縮し、そして人間も、いかなる理性の努力によっても、それから逃れることは出来ないのである(訳註)。
1st ed., pp. 14-15.
 postulata




()

 植物と非理性的動物においては、問題は簡単である。彼らはすべて有力な本能によってその種の増加へと駆り立てられる。そしてこの本能はその子孫の養育に関する疑惑によって妨げられることはない。従って、自由のあるところ常に増加力は発揮される。そして過剰な結果は、後に至って、余地と養分との不足によって抑圧される(訳註)。


 1st ed., ch. II. pp. 27-28. 
()()1st ed., pp. 15-16,
 
〔訳註〕このパラグラフの後半は 1st ed., p. 14. の各所からの書き集めである。
 人口が生活資料以上に増加せんとするこの不断の傾向を有つこと、及びそれがこれら諸原因によってその自然的水準に抑止されていることは、人類が経過した種々なる社会状態を概観すれば十分わかるであろう。しかし、この概観へと進むに先立って、もしそれが完全に自由に働くがままに委ねられていたら人工の自然的増加はどんなものであろうか、また人類勤労の最適事情の下における土地の生産物の増加率はどのくらいが期待出来るかを、確かめようとする方が、おそらくこの問題をはっきり理解するに都合よいであろう(訳註)。
〔訳註〕第二版にはこれに続いて次の一文がある。
『これら二つの増加率を比較すれば、吾々は、上述せる生活資料以上に増加せんとする人口の傾向の力を判断し得るであろう。』
 
 退
〔訳註〕以上の二つのパラグラフは 1st ed., pp. 18-19. に、これとほぼ一致する記述がある。
 1122
 1  1st ed., p. 20. 
 2 Price's Observ. on Revers. Pay. vol. i. p. 274, 4th edit.
 11
 1) Price's Observ. on Revers. Pay. vol. i. p. 282, 4th edit.
 出生の死亡に対する比が三対一の比例である場合に、三六分の一という死亡率に基いて計算された、オイラアの表によれば、倍加期間はわずか一二年五分の四であろう1)[#「1)」は縦中横、行右小書き]。しかもこの比例は、ただに蓋然的な仮定であるばかりでなく、一国以上において短期間に実際起ったところのものである。
 1) 第二篇第四章末尾の本表を参照。
 11
 1) Polit. Arith. p. 14.
 
 
〔訳註〕これとほとんど同一文は 1st ed., p. 21. にある。
 土地の生産物が増加すると想像される比率を決定することはそれほど容易ではないであろう。しかしながら、これについては、限られた領域におけるその増加率は、人口増加率とは、全然その性質を異にしなければならぬ、と全く確信し得よう。十億人は一千人と全然同じく容易に人口増加力によって二十五年ごとに倍加される。しかし、この大きい方の数字から生じた増加分を養うための食物は、決して小さい方のそれと同様に容易には獲得されないであろう。人間は必然的に余地によって制限される。一エイカア一エイカアと加えられて遂に一切の肥沃な土地が占有された暁には、年々の食物増加は、既に所有されている土地の改良に依存しなければならぬ。これは、一切の土壌の性質上、逓増はせず、徐々に逓減するところの、基金である。しかし人口は、食物がそれに与えられるならば、少しもその力を減ずることなく増加し続け、そしてある時期の増加は次の時期にはより大なる増加力を与え、かくてはてしなく続くであろう。
 支那や日本について記したものから見ると、人類の勤労をいかによく向けてみたところで、これらの国の生産物は多年を経て一度ですら倍加し得ようかと、立派に疑うことが出来よう。なるほど地球上には、今まで耕作されず、またほとんど占有されていないところが、たくさんある。しかし、これら人口稀薄な地方の住民でさえ、これを絶滅し、またはこれを餓死するに違いない一隅においやるの権利は、道徳上の観点から疑問を挿み得よう。彼らの精神を進歩させ彼らの勤労を指導するという過程は、必然的に徐々たるものであろう。そしてこの期間に、人口は規則正しく増加し行く生産物と歩調を合せるであろうから、高度の知識と勤労とが直ちに肥沃な未占有地に働きかけることになるということは、ほとんどないであろう。新植民地で時に起る如くに、かかる事態が生じたとしても、幾何級数は異常に急速に増加するので、この利点は永続し得ないであろう。もしアメリカ合衆国が増加し続けるならば――これは確かに事実であろう、もっともその速度は前と同じではなかろうが――インディアンはますます奥地へとおいやられ、遂にはこの全種族は絶滅され、そして領地はそれ以上拡張し得なくなるであろう(訳註)。
〔訳註〕『そして領地はそれ以上……』は第五版より現る。
 
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〔訳註〕以上三つのパラグラフに該当するものは、1st ed., pp. 21-22. にある。ただし農業生産の特殊性に関する説明が詳細になっている。
 
 ()
〔訳註〕このパラグラフに該当するものは、1st ed., p. 23.
 これら二つの異る増加率を一緒にした場合に必然的に生ずる結果は、極めて驚くべきものがあろう。この島国の人口を一千百万とし、現在の生産物はこの数を容易に養うに等しいものであると仮定しよう。最初の二十五年では、人口は二千二百万となり、また食物も倍加されるから生活資料はこの増加に等しいであろう。次の二十五年では、人口は四千四百万となり、生活資料はわずかに三千四百万を養うにに等しいだけであろう。その次の時期には、人口は八千八百万となり、生活資料はちょうどその半数を養うに等しいだけであろう。かくて最初の一世紀の終りには、人口は一億七千六百万となり、生活資料はわずかに五千五百万を養うに等しいのみであり、一億二千百万の人口は全く食物を与えられないということになるであろう(訳註)。
〔訳註〕このパラグラフに該当するものは、1st ed., pp. 23-24.
 
 
〔訳註〕以上二つのパラグラフに該当するものは、1st ed., pp. 25-26.
[#改丁]

    第二章 人口に対する一般的妨げとその働き方について

 しからば、人口に対する窮極的妨げは、人口と食物とが増加する率が異るところから必然的に生ずる、食物の不足であることがわかる。
 直接的妨げは、生活資料の稀少によって発するように思われる一切の慣習と一切の疾病、及び、この稀少とは関係がないが、時期に先立って人類の体躯を弱めかつ破壊する傾向のある、道徳的たると物理的たるとを問わず、一切の原因であると云い得よう(訳註)。
〔訳註〕以上全部は第三版より現る。
 
 12()3()()()()
13
2

31st ed., p. 28. 
 かかる考慮が払われればこそ、あらゆる文明諸国の多数のものは、一人の婦人に愛着するという自然の命に服さずにいるように思われるし、また確かに服さずにいるのである(訳註)。
〔訳註〕第一版ではこれに続いて次の一文があったのであるが、第二版以下ではこれを削除し、その代りとしてこれ以下の記述が現れたのである。
『そしてこの抑制は、絶対的にではないとしても、ほとんど必然的に、罪悪を生み出す。しかしすべての社会では、最も罪悪の多い社会ですら、道徳的な結合に向う傾向は非常に強く、従って人口の増加に向う不断の努力がある訳である。この不断の努力は、同じく不断に、社会の下層階級を困窮に陥らしめ、その境遇の何らかの永久的大改善を妨げる傾向があるのである。』
 もしこの抑制が罪悪を生み出さないならば(訳註)、これは疑いもなく人口原理から生じ得る最小の害悪である。強力な自然的性向に対する抑制たることを考えれば、ある程度の一時的不幸をもたらすことは認めなければならぬが、しかし人口に対する他の妨げのいずれから生ずる害悪と比べても明かに軽微な不幸であり、そして道徳的因子の不断の職務たる永久的満足のための一時的満足の犠牲という、その外にも数多い場合と同一性質のものに過ぎない。
〔訳註〕第二版ではここに次の挿入句が入る、――
『これは多くの場合において事実であり、また中流及び上流の婦人の間では極めて一般的なことであるが、』
 なおこのパラグラフの最後の『そして道徳的因子の……』以下は第三版より現る。
 その他第三版以下で用語上の修正が若干ある。
 
 
 寿
 
 11
 1 
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 111
 1) 罪悪の一般的結果は窮乏であり、そしてこの結果が一行為が罪悪と呼ばれる正確な理由なのであるから、ここでは窮乏という言葉だけで十分であり、両者を用いるのは、余計なことだ、と思われるかもしれない。しかし罪悪という言葉を拒否すると、吾々の言葉と観念とに大きな混乱が起ることとなろう。吾々は特に、その一般的傾向が窮乏を生み出し、従って創造者の命と道徳論者の戒律によって禁ぜられている行為――もっともその直接のまたは個人的の結果においては、それはおそらくその正反対を生み出すであろうが――を、区別したいのである。吾々の一切の情欲の満足は、その直接の結果においては幸福であり、窮乏ではない。そして個人的な場合には、その遠い結果でさえ(少くともこの世においては)おそらく同じ名称の下に属するであろう。両当事者の幸福を増加ししかも何人をも害することなき、婦人とのある私通があったこともあろう。従ってかかる個人的行動は窮乏の部類の下に属することは出来ない。しかしそれでもなおそれは罪悪である、けだし明かな戒律を破る行動は、その個人的結果がどうあろうと、それが窮乏を生み出す一般的傾向ある故に、このように名づけられるのであるから。そして何人も、両性間の私通が社会の幸福を害する一般的傾向を疑うことは出来ない。
 これら一切の予防的並びに積極的妨げをまとめた合計が人口に対する直接的妨げをなすものである。そして全生殖力の発揮が許されないあらゆる国においては、予防的妨げと積極的妨げとは反比例的に動かなければならぬことは明かである。換言すれば、その原因の何たるを問わず、自然的に不健康であるか、または大きな死亡のある国では、予防的妨げはほとんど行われないであろう。反対に、自然的に健康であり、予防的妨げが大きな力で働いているのが見られる国では、積極的妨げはほとんど行われず、または死亡は極めて小であろう(訳註)。
〔訳註〕このパラグラフ全部は第三版より現る。
 
〔訳註〕これに該当する文が第一版にあることは、この前四つ目の訳註を参照。
 退
〔訳註〕本章のこれ以下の部分については、cf. 1st ed., ch. II., pp. 29 et seq.
 
 退()11
 1) サア・ジョン・シンクレイアが蘇格蘭スコットランドで配附した適切な質問と、彼がこの地方で集めた貴重な報告とは、彼に最高の名誉を与えるものであり、そしてこれらの報告は、永久に、この蘇格蘭スコットランド僧侶の学識、良智、教養の偉大な金字塔として残るであろう。隣接諸教区がこれと一緒になっていないのは遺憾なことであるが、もし一緒になっていたら、特定教区の状態を理解する上にも想起する上にも記憶に役立ったことであろう。この中にあらわれている反覆や前後矛盾する意見は、私の見解によれば、それほど非難するに当らない。けだしかかる調査の結果はいかなる個人の調査の結果よりも信頼し得るものであるからである。ある練達の士がかかる結果を引き出すとすれば、なるほど多くの貴重な時間は節約されるであろうが、その結果はそれほど満足なものではないであろう。もしこの仕事が附属的事項について若干手を加えられ、過去一五〇年に亙る正確完全な記録簿を含んでいたならば、それは測り知れぬ価値を有ち、そして一国の内部的状態に関し今まで世界にない完全な姿を表現したことであろう。しかしこの手を加えるという最後の最も重要な仕事は、いかに骨を折っても出来なかったことであろう。
 
 1112
 1 
1
2



 規則的な労働の価格の存在しない蒙昧社会にも、同様な擺動が起ったことはほとんど疑い得ない。人口がほとんど食物の極限まで増加した時には、すべての予防的及び積極的妨げが当然にその働く力を増加する。性に関する悪習はいっそう一般的となり、子供の遺棄はその頻度を増し、そして戦争と伝染病の機会と惨禍とは著しく増大するであろう。そしてこれらの原因は、おそらく、人口が食物の水準以下に低下するまで、その作用を続けるであろう。そしてその時には、食物が比較的豊富になるので人口増加が再び始まり、そして一定期間後、そのより以上の増加はまたも同一の原因によって妨げられるであろう1)[#「1)」は縦中横、行右小書き]
 1) サア・ジェイムズ・スチュワアトは、極めて適切にも、蕃殖力を、可変的な重りを載せられた発条に喩えているが(Polit. Econ. vol. i. b. i. c. 4, p. 20.)これはもちろん上述したと全く同種の擺動を生ずるであろう。彼は、その『経済学』の第一篇において、人口問題の多くの部分を極めてよく説明している。
 しかし、種々なる国におけるかかる進転逆転の運動を確証するためには、明かに吾々が所有しているよりも詳細な歴史が必要なのであり、また文明の進歩は当然にこの運動を緩和する傾向があるものであるが、吾々はここではこの運動を確証しようとは試みず、ただ次の命題を証明しようと思う、――
一、人口は必然的に生活資料によって制限される。
11()
 1 
 
 
 

 



 これらの命題の第一はほとんど例証を必要としない。第二と第三とは、過去及び現在の社会状態における人口に対する直接的妨げを通観すれば、十分に確証されるであろう。
 この通観が以下の諸章の主題である。
[#改丁]

    第三章 人類社会の最低段階における人口に対する妨げについて(訳註)

便
 

 
 111姿便22
 1) Cook's First Voy. vol. ii. p. 59.
 2) Cook's second Voy. vol. ii. p. 187.
 11()()()姿22
 1) Vancouver's Voy. vol. ii. b. iii. c. i. p. 13.
 2) Symes's Embassy to Ava, ch. i. p. 129, and Asiatic Researches, vol. iv. p. 401.
 11
 1) Cook's First Voy. vol. iii. p. 240.
 ()11
 1) Collins's Account of New South Wales, Appendix, p. 549. 4to.
 漿()()()()11
 1) Id. Appen. p. 557. 4to.
 11
 1) Id. Appen. p. 558.
 
 11
 1) Id. Appen. p. 559.
 両性の結合は早期に行われる。そして非常に若い少女が男によりひどい恥しい凌辱を受けているのは我国の移住民がよく見るところである1)[#「1)」は縦中横、行右小書き]
 1) Id. Appen. p. 563.
 1122
 1) Id. Appen. p. 583.
 2) Id. Appen. note, p. 562.
 このように獣的に取扱われる女は、必然的にしばしば流産せざるを得ず、またおそらく、前に述べたような、非常に若い少女の凌辱が普通に行われ、また両性の結合が一般にあまりに早く行われれば、女性の生殖力は減殺されるであろう。一妻よりも多妻の場合の方が一般であるが、しかし驚くべきことには、コリンズ氏は二人以上の子供のある場合は一度以上は思い出せないのである。彼はある土人から第一の妻は夫婦関係の独占権を有つものとされているが、第二の妻は単に両人の奴隷であり召使に過ぎない、と聞いたのである1)[#「1)」は縦中横、行右小書き]
 1) Id. Appen. p. 560.
 
 111
 1) Id. Appen. p. 607.
 
 ()()()()11
 1) See generally, the Appendix to Collins's Account of the English Colony in New South Wales.
 ()()姿11
 1) Id. Appen. p. 597.
 11
 1) Id. Appen. p. 598.
 退11
 1) Id. c. iii. p. 34, and Appen. p. 551.


     

 112233
 1) Robertson's History of America, vol. ii. b. iv. p. 127, et. seq. octavo edit. 1780.
 2) Franklin's Miscell. p. 2.
 3) Robertson, b. iv. p. 129.
 
 112233()()44
 1) Id. b. iv. p.106. Burke's America, vol. i. p. 187. Charlevoix, Hist. de la Nouvelle France, tom. iii. p. 304. Lafitau, M※(リガチャOE小文字)urs des Sauvages, tom. i. p. 590.
 本章では私はしばしばロバトスンと同じ引用をするが、しかし自らこれを調べ確かめなかったことはない。そうすることが出来なかった場合には、私はロバトスンのみを引用した。
 2) Travels to discover the Source of the Nile, vol. ii. pp. 223, 559.
 3) Voyage dans l'Int※(アキュートアクセント付きE小文字)rieur de l'Afrique, tom. i. p. 12, 13.
 4) Robertson, b. iv. p. 71. Lettres Edif. et. Curieuses, tom. vi. pp. 48, 322, 330; tom. vii. p. 20. 12 mo. edit. 1780. Charlevoix, tom. iii. pp. 303, 423. Hennepin, M※(リガチャOE小文字)urs des Sauvages, p. 37.
〔訳註〕このパラグラフについては、Cf. 1st ed., pp. 39-40.
 
 ()()11223344
 1) Robertson, b. iv. p. 103.
 2) Id. b. iv. 103. Lettres Edif. passim. Charlevoix, Hist. Nouv. Fr. tom. iii. p. 287. Voy. de P※(アキュートアクセント付きE小文字)rouse, c. ix. p. 402. 4to. Lodon.
 3) Robertson, b. iv. p. 105. Lettres Edif. tom. vi. p. 329. Major, Roger's North America, p. 211. Creuxii Hist. Canad. p. 57.
 4) Robertson, b. iv. p. 106. Raynal, Hist. des Indes, tom. iv. c. vii. p. 110. 8vo. 10 vol. 1795.
〔訳註〕このパラグラフについては、Cf. 1st ed., p. 41.
 112233
 1) Robertson, b. iv. p. 106. Creuxii Hist. Canad. p. 57. Lafitau, tom. i. p. 590.
 2) Robertson, b. iv. p. 72. Ellis's Voyage, p. 198. Burke's America, vol. i. p. 187.
 3) Lettres Edif. tom. vii. p. 20, 22.
 1112233
 1) Charlevoix, N. Fr. tom. iii. p. 304.
 2) Robertson, b. iv. p. 107. Lettres Edif. tom. ix. p. 140.
 3) Robertson, b. iv. p. 107. Lettres Edif. tom. viii. p. 86.
 1122
 1) Robertson, b. iv. p. 108.
 2) Lafitau, Moeurs des Sauv. tom. i. p. 592.
 1122
 1) Charlevoix, tom. iii. p. 303. Raynal, Hist. des, Indes tom. viii. l. xv. p. 22.
 2) Robertson, b. iv. p. 73. Voyage d'Ulloa, tom. i. p. 232.
 11223344
 1) Robertson, b. iv. p. 102. Lettres Edif. tom. viii. p. 87.
 2) Lettres Edif. tom. ix. p. 364. Robertson, b. iv. p. 115.
 3) Robertson, b. iv. p. 107.
 4) Lettres Edif. passim. Voyage d'Ulloa, tom. i. p. 343. Burke's America, vol. i. p. 187. Charlevoix, tom. iii. p. 303, 304.
 右に挙げた習慣は、主として家族の扶養に伴う困難から生じたものと思われるが、これは、その親が彼らを救おうとする最上の努力にもかかわらず蒙昧生活の困難の下において必然的に多数の子供が死ななければならぬということ1)[#「1)」は縦中横、行右小書き]と相俟って、疑いもなく、新しく生れて来るものを力強く圧迫しなければならぬのである。
 1) クリュウクシュウスは、ほとんど三十人に一人も成年に達しない、と云っている(Hist. Canad. p. 57.)が、これは確かに大きな誇張に違いない。
 112233
 1) Robertson, b. iv. p. 85.
 2) Charlevoix, tom. iii. p. 302, 303.
 3) Robertson, b. iv. p. 86. Charlevoix, tom. iii. p. 364. Lafitau, tom. ii. p. 361.
 1122寿3344西55
 1) Lettres Edif. tom. viii. p. 83.
 2) Id. tom. vii. p. 317, et seq.
 3) Id. b. iv. p. 86.
 4) Raynal, b. xv. p. 23.
 5) Cook's Third Voy. vol. iii. ch. ii. p. 520. Voy. de P※(アキュートアクセント付きE小文字)rouse, ch. ix.
 112233
 1) Lettres Edif. tom. viii. p. 79, 339; tom. ix. p. 125.
 2) Voyage d'Ulloa, tom. i. p. 349.
 3) Id. tom. i. p. 549.
 11西()2233
 1) Lettres Edif. tom. vi. p. 335.
 2) Vancouver's Voy. vol. i. b. ii. c. v. p. 256.
 3) Id. c. iv. p. 242.
 1122西3344556677
 1 使Vol. iii. p. 338.
 2 Robertson, b. iv. p. 182. Voyage d'Ulloa, tom. i. p. 340.
 3 Meares's Voyage, ch. xii. p. 138.
 4 Id. ch. xxiii. p. 252. Vancouver's Voyage, vol. iii. b. vi. c. i. p. 313.
 5 Cook's Third Voyage, vol. ii. p. 305.
 6 Id. c. iii. p. 316.
 7 Voyage de P※(アキュートアクセント付きE小文字)rouse, c. ix. p. 403.
 
 112233445566
 1) Charlevoix, Hist. de la Nouv. France, tom. iii. 202, 203, 429.
 2) Robertson, b. iv. p. 147.
 3) Id. b. iv. p. 147. Lettres Edif. tom. viii. p. 40, 86, and passim. Cook's Third Voy. vol. ii. p. 324. Meares's Voy. ch. xxiv. p. 267.
 4) Id. b. iv. p. 172. Charlevoix, Nouv. France, tom. iii. p. 203.
 5) Lettres Edif. tom. viii. p. 346.
 6) Robertson, b. iv. p. 172. Account of North America, by Major Rogers, p. 250.
 11223344()()()
 1) Robertson, b. iv. p. 150.
 2) Id. p. 164.
 3) Lettres Edif. tom. vi. p. 205.
 4) Robertson, b. iv. p. 164.
 11西223344
 1 Lettres Edif. tom. viii. p. 105, 271; tom. vi. p. 266.
 2 Second Voyage vol. i. p. 246. Vol. i. p. 137.
 3 Cook's Third Voyage, vol. ii. p. 271.
 4 Meares's Voyage, ch. xxiv. p. 255.
 112233
 1) Lettres Edif. tom. vi. p. 360.
 2) Charlevoix, No. Fr. tom. iii. p. 376.
 3) Robertson, b. iv. p. 155. Lettres Edif. tom. vi. p. 182, 360.
 
 11
 1) Lettres Edif. tom. viii. p. 243.『シリグアンヌ族は恐ろしく増加し、わずか数年にしてその数は三万に上った。』
 11
 1) Lafitau, tom. ii. p. 163.
 11()2233445566
 1 
 2 Robertson, b. iv. p. 129, 130.
 3 Lettres Edif. tom. vi. p. 357.
 4 Id. p. 321.
 5 Id. tom. ix. p. 145.
 6 Id. tom. vi. p. 66, 81, 345; tom. ix. p. 145.
 11
 1) Id. tom. ix. p. 90, 142. Robertson, b. iv. p. 141.
 歴史家が述べているアメリカ大陸を概観すると、人口は、各地の住民が、その現実の勤労と進歩との状態において、獲得し得る食物量と、ほとんど全く比例して、地上に拡っているように思われる。そしてほとんど例外なく、人口は、その限界に及ばないよりはこれを緊密に圧迫していることは、アメリカのあらゆる地方において食物の欠乏から窮乏が頻々と起ることで、わかるのである。
 ロバトスン博士によれば、野蛮な民族が飢饉により蒙る悲惨な状態の顕著な事例が起っている。その一つとして、彼は、フロリダの蒙昧人の間でほとんど九年も住んだスペインの探検家の一人、アルヴァル・ヌウニェス・カベサ・デ・ヴァカの書いている記述を述べている。彼は、この蒙昧人は、あらゆる種類の農業を知らず、主として各種の植物の根を食べて生きているが、これを得るのは非常に困難であり、それをたずねてあちらこちらとさまよう、と云っている。時には彼らは鳥獣を殺し、時には魚を取るが、その量は極めて少く、従って彼らは、飢餓の余り、蜘蛛、蟻の卵、芋虫、とかげ、蛇、及び一種の滑土を喰うの止むなきに至る。そこで――と彼は云う――この国に石があったなら、彼らはこれを呑んだことだろうと思う、と。彼らは魚や蛇の骨を貯えておき、これを粉にして食べる。彼らがそれほど飢餓に悩まないのは、オプンチアすなわちさぼてんの実が熟する季節だけである。しかし彼らはこれを探すためには、時にその通常の居住地から遠くまで旅行しなければならない。他の場所で、彼は、土人はしばしば食物なしに二、三日を過さざるを得ない窮状にある、と述べている1)[#「1)」は縦中横、行右小書き]
 1) Robertson, note 28 to p. 117, b. iv.
 調11122
 1) Robertson, p. 196
 2) P. 194.
 蒙昧生活と文明生活との比較において絶えず最も矛盾した推理を行っているレイナル僧正は、ある場所で、蒙昧人は間違いなく適当な生活資料を得ていると云いながら、しかもカナダの民族について記しているところでは、彼らは鳥獣や魚の豊富な国に住むにもかかわらず、ある季節には、また時には一年中、この資源を得られないと述べ、かくて生ずる飢饉は、余りに相互に離れ合っているので助け合うことの出来ないこれら人民の間に、大きな破滅をもたらす、と云っている1)[#「1)」は縦中横、行右小書き]
 1) Raynal, Histoire des Indes, tom. viii. l. xv. p. 22.
 便11
 1) Hist. N. Fr. tom. iii. p. 338.
 112233445566
 1) Lettres Edif. tom. vi. p. 66, 81, 345; ix. 145.
 2) Id. tom. vi. p. 82, 196, 197, 215; ix. 145.
 3) Charlevoix, N. Fr. tom. iii. p. 201. Hennepin, M※(リガチャOE小文字)urs des Sauv. p. 78.
 4) Lettres Edif. tom. vi. p. 167, 220.
 5) Id. tom. vi. p. 33.
 6) Id. tom. vi. p. 71.
 11223344556677
 1) Lettres Edif. tom. vii. p. 383; ix. 140.
 2) Id. tom. viii. p. 79.
 3) Robertson, b. iv. p. 121. Burke's America vol. i. p. 30.
 4) Robertson, b. viii. p. 212.
 5) Lettres Edif. tom. ix. p. 381.
 6) Id. tom. ix. p. 191.
 7) Id. tom. ix. p. 206, 380.
 西調1122
 1) Meares's Voyage, ch. xxiv. p. 266.
 2) Id. ch. xi. p. 132.
 ()()()112233
 1) Vancouver's Voyage, vol. ii. b. ii. c. ii. p. 273.
 2) Id. p. 282.
 3) Id. vol. iii. b. vi. c. i. p. 304.
 ペルウズはポオト・フランソアの近隣のインディアンは、夏の間は漁撈により最も豊かに暮すが、しかし冬には欠乏により死滅に瀕する、と述べている1)[#「1)」は縦中横、行右小書き]
 1) Voyage de P※(アキュートアクセント付きE小文字)rouse, ch. ix. p. 400.
 11
 1) Sketches of the History of Man, vol. i. p. 99, 105. 8vo. 2nd edit.
 吾々が今まで考察して来た所のアメリカ土人の大部分にあっては、極めて高い程度の平等が行われているので、各社会の全成員は、蒙昧生活の一般的困難と随時的飢饉の圧迫とをほとんど等しく分け合っているのである。しかし南方諸民族の多く1)[#「1)」は縦中横、行右小書き]、例えばボゴタにいるもの、ナッチェス族2)[#「2)」は縦中横、行右小書き]、特にメキシコやペルウにおいては、大きな階級差別が行われていて、下層階級は絶対的隷従の状態にあるので3)[#「3)」は縦中横、行右小書き]、おそらくは、生活資料が欠乏する時には、かかる階級が主として被害を受け、そして、人口に対する積極的妨げはほとんどもっぱらこの社会部分に働くのである。
 1) Robertson, b. iv. p. 141.
 2) Lettres Edif. tom. vii. p. 21. Robertson, b. iv. p, 139.
 3) Robertson, b. vii. p. 109, 242.
 
 1122退334455
 1) Major Roger's Account of North America, p. 210.
 2) Charlevoix, tom. iii. p. 302.
 3) Robertson, b. ii. p. 185. Burke's America vol. i. p. 300.
 4) Charlevoix, N. Fr. tom. iii. p. 260.
 5) インディアンの間に火器が一般に採用されたことが、おそらく、大いに野獣を減少したことであろう。


     

 11()22()()
 1) Raynal, Histoire des Indes, vol. ii. liv. iii. p. 3. 10 vols. 8vo. 1795.
 2) Cook's First Voyage, vol. iii. p. 240. 4to.
 112233
4455
 1) Histoire des Navigations aux terres Australes におけるニュウ・ギニア及びニュウ・ブリテンに関する各種の記述、及び Cook's Second Voyage, vol. ii. b. iii. におけるニュウ・カレドニア及びニュウヘブリデス諸島に関するそれを参照。
 2) Cook's First Voyage, vol. ii. p. 345. Second Voyage, vol. i. p. 101. Third Voyage, vol. i. p. 161, etc.
 3) Cook's Second Voyage, vol. i. p. 246.
 4) Id. Third Voyage, vol. i. p. 124.
 5) Id. p. 137.
 ()11
 1) Cook's Second Voyage, vol. i. p. 127.
 ()()112233445566
 1) Cook's First Voyage, vol. iii. p. 66.
 2) Id. p. 45.
 3) Id. Third Voyage, vol. i. p. 157.
 4) Id. First Voyage, vol. iii. p. 43.
 5) Id. vol. ii. p. 405.
 6) Id. vol. iii. p. 45.
 112233
 1) Missonary Voyage, Appendix, p. 347.
 2) Cook's Second Voyage, vol. i. p. 349.
 3) この増加率は、あらゆる妨げが除去されたと仮定した場合に実際に生ずべきものよりも、遥かにおそいものであることを、ほとんど疑わない。けだしオウタハイトには、その現在の生産物をもって、わずか百人の人間しかおらず、男女の数は同数であり、一人の男子は一人の女子を守るとすれば、引続き六、七代の間人口増加は未曾有に上り、おそらく十五年以下で倍加すべきものと考えざるを得ないのである。
 辿
 ()()11223344
 1 Cook's First Voyage, vol. ii. p. 207, et seq. Second Voyage, vol. i. p. 352. Third Voyage, vol. ii. p. 157, et seq. Missionary Voyage, Appendix, p. 347. 4to.
 2 
 3 Cook's Third Voyage, vol. ii. p. 158, 159.
 4 Id. Second Voyage, vol. i. p. 352.
 
 11
 1) Hume's Essays vol. i. essay xi. p. 431. 8vo. 1764.
 下層階級の人民の間に広く行われている放逸と乱交は、ある場合には誇張されているかもしれないが、大体疑問の余地なき証拠で明かにされている。キャプテン・クックは、オウタハイトの女を余りにも一般的な淫行から救ってやろうと、はっきりと努力したのであるが、その際彼は、この島には他のいずれの国よりもこうした性行が多いことを認め、同時に、女はかかる行いをしてもいかなる点でも社会の地位は下落せず、最も淑徳なる人達と無差別に交っているのであると、最も明白に述べているのである1)[#「1)」は縦中横、行右小書き]
 1) Cook's Second Voyage, vol. i. p. 187.
 オウタハイトにおける通常の結婚は、男から娘の両親へ贈物をする以外には、何の儀式もない。そしてこれは、妻に対する絶対的契約であるよりはむしろ、娘をためしてみる許可に対する両親との取引であるように思われる。もし父がその娘に対し十分の支払を受取っていないと考えるならば、彼は少しも躊躇せずに娘に男と別れさせ、もっと気前のよい男と同棲させるのである。男はいつでも自由に新しい妻をもらうことが出来る。彼の妻が姙娠でもすれば、彼はその子供を殺し、しかる後好むがままに、母と関係を続けるか、または彼女を去るのである。彼が子供を取り上げこれを養う面倒を見る時にのみ、両者は結婚状態にあるものと看做される。しかしその後もっと若い妻が初めの妻の外に加わることもあろう。しかしこれよりも関係が変るのがはるかに一般的であり、平気でこれを話すほどに日常茶飯なのである1)[#「1)」は縦中横、行右小書き]。結婚前の不品行はこの種の結婚に対しては結局何の障害でもないように思われる。
 1) Cook's Third Voyage, vol. ii. p. 157.
 112233
 1) Bougainville, Voy. autour du monde, ch. iii. p. 217. Cook's First Voyage, vol. ii. p. 244. Missionary Voyage, p. 224.
 2) Cook's Second Voyage, vol. i. p. 182, 183.
 3) Vancouver's Voy. vol. i. b. i. c. 6. p. 98. 4to.
 ()()()()111
 1) Cook's Third Voy. vol. ii. p. 148.
 1122
 1) Cook's Third Voyage, vol. ii. p. 153, 154.
 2) Id. Second Voy. vol. i. p. 176.
 ()112233
 1) Cook's Third Voy. vol. ii. p. 154.
 2) Id. p. 155.
 3) Id. p. 148.
 112233
 1) Vancouver's Voy. vol. i. b. i. c. 7. p. 137.
 2) Missionary Voyage, p. 192 and 385.
 3) Id. Appen. p. 347.
 11綿調22
 1) Missionary Voyage, ch. xiii. p. 212.
 2) Id. p. 195. Appen. p. 385.
 112233辿
 1) Cook's Second Voy. vol. i. p. 182, and seq. and 346.
 2) Missionary Voy. p. 225.
 3) 私は、これらの過剰人口の予防的原因について誤解をうけて、ただその結果を述べたからといってそれを少しでも是認したものと、考えてもらいたくない。ある特定の害悪を防止すべき原因でも、その害悪そのものよりも比較にならぬほど悪いものもあり得よう。
 
 ()112233
 1) Cook's Third Voy. vol. i. p. 406.
 2) Id. p. 232.
 3) Id. p. 233.
 11調223344
 1) Cook's Third Voy. vol. ii. p. 247.
 2) Vancouver, vol. i. b. ii. c. ii. p. 187, 188.
 3) Cook's Third Voy. vol. iii. p. 157.
 4) Id.
 11使22
 1) Cook's Third Voy. vol. i. p. 401. Vol. iii. p. 130. Missionary Voy. p. 270.
 2) Id. vol. i. p. 394.
 112233445566
 1) Cook's Second Voy. vol. i. p. 289. Voyage de P※(アキュートアクセント付きE小文字)rouse, c. iv. p. 323; c. v. p. 336. 4to. 1794.
 2) P※(アキュートアクセント付きE小文字)rouse, c. iv. p. 326; c. v. p. 336.
 3) Id. c. v. p. 336.
 4) Cook's Second Voy. vol. i. p. 289.
 5) P※(アキュートアクセント付きE小文字)rouse, c. v. p. 336.
 6) Ibid.
 1122()()33
 1) 『無限の青年』――Hist. des Navigations aux Terres Australes, vol. ii. p. 507.
 2) Cook's Third Voyage, vol. ii. p. 158, note of the Editor.
 3) Harris's Collection of Voyages, 2 vols. folio edit. 1744, vol. i. p. 794, この話は、忠実で相当聞えたドイツの旅行家のヨオン・アルベルト・デ・マンデスレーの伝えるところであるが、この場合は彼はモンテスキウが引用している(Esprit des Loix, liv. 23, ch. 17.)オランダの著者からこの記述をとったものだと思う。このような奇妙な慣習があることを確証するにはおそらくこの典拠は不十分であるが、私は全然あり得ないこととは思われないと思う。同じ記述の中には、これら人民の間には境遇の相違はなく、また彼らの戦争は流血を伴わず従ってただ一人の死がおおむね戦争を決定する、と述べてある。非常に気候が健康的であり、人民の習慣は人口増加に好都合で財貨の共有が樹立されているところでは、大家族から生ずる格別の貧困を恐れる理由は個人にはないのであるから、政府は何らかの方法で法律により人口を抑圧せざるを得ないであろう。そしてこれはあらゆる自然的感情の最大の蹂躪じゅうりんであろうから、財貨の共有に対するこれ以上の有力な反対論はあり得ないのである。
 
 112233445566
 1) Missionary Voy. Appen. p. 385.
 2) Id. p. 270.
 3) Vancouver's Voy. vol. ii. b. iii. c. viii. p. 230.
 4) Id. c. vii. and viii.
 5) Id. ch. xiii. p. 400.
 6) Voyage in search of P※(アキュートアクセント付きE小文字)rouse, ch. xiii. p. 420. Eng. transl. 4to.
 
 
 
 


     

 ()()
 ()()11
 1) 創世紀第十三章
 この単純な言葉と提議とは、人間を全地球に散布し、時が進むにつれて、地球上の比較的不運な住民のある者を、抵抗し難い圧迫に追われつつ、アジア及びアフリカの燃え立つ沙漠や、シベリア及び北アフリカの氷結地方に、乏しい生活資料を求めるべく追いやった所の、活動の大発条を、見事に例証するものである。最初の移住は当然に、その土地の性質以外の障害は見出さなかったであろう。しかし地球の大部分が稀薄にせよ人が住むようになった時には、これらの地方の所有者は、闘争なしにはそれを譲ろうとはしなかったであろう。そして比較的中心地のいずれかの過剰な住民は、最も近い隣人を駆逐するか、または少くとも彼らの領土を通過しなければ、自分のために余地を見出すことが出来なかったが、これは必然的に頻々たる闘争を惹き起したことであろう(訳註)。

辿
 

 
『世界はすべて彼らのえらぶがままにまかされた。』
 
 便
 
 沿11
 1) 大韃靼民族の各種の分岐、分裂、及び争闘は、Genealogical History of the Tartars by the Khan Abul Ghazi (translated into English from the French, with additions, in 2 vols. 8vo.) に面白く述べてある。しかしすべての歴史の不幸は、少数の王侯や指揮者の特殊の動機はその様々の野望的企図において時に正確に詳述されているけれども、彼らの旗幟の下に自ら望める追随者を蝟集いしゅうせしめた原因は、しばしば全く看過されている、という事実である。
 1122退3344556677退8899
 1) Tacitus de Moribus Germanorum, s. 37.
 2) Id.
 3) Gibbon's Decline and Fall of the Roman Empire, vol. i. c. x. p. 407, et seq. 8vo. Edit. 1783.
 4) Id. vol. i. c. x. p. 455, 456.
 5) Id. p. 431.
 6) Id. vol. ii. c. xi. p. 13.
 7) Id. p. 11.
 8) Id. p. 19, A. D. 270.
 9) Id. p. 26.
 1122334455
 1) Gibbon, vol. ii. c. xii. p. 75.
 2) Id, p, 79, A. D. 277.
 3) Id. c. xiii. p. 132. A. D. 296.
 4) Id. c. xii. p. 84.
 5) Id. c. xiii. p. 130.
 112233
 1) Gibbon, vol. ii. c. xiv. p. 254, A. D. 322.
 2) Id. vol. iii. c. xviii. p. 125, A. D. 332.
 3) Id. p. 127.
 11退2233
 1) Gibbon, vol. iii. c. xix. p. 215, A. D. 356.
 2) Id. p. 228, and vol. iv. c. xii. p. 17, from A. D. 357 to 359.
 3) Id. vol. iv. c. xxii. p. 17, and vol. iii. c. xix. p. 229.
 11
 1) Gibbon, vol. iv. c. xxv. from A. D. 364 to 375.
 1122沿33退44西
 1) Gibbon, vol. iv. c. xxvi. p. 382, et seq. A. D. 376.
 2) Id. vol. v. c. xxx. p. 213.
 3) Id, p. 214, A. D. 406.
 4) Id. p. 224.
〔訳註〕最後の二文は第一版より、1st ed., p. 45.
 ()11調()()22
 1) Robertson's Charles V. vol. i. sect. i. p. 7. 8vo. 1782.
 2) Id. p. 10, 11, 12.
 ()11223344
 1 Istorie Fiorentine Machiavelli, l. i. p. 1, 2.
 2 Gibbon, vol. i. c. ix. p. 360, note. De Gestis Longobardorum, l. i. c. i.
()C. ii.
 3 De Bello Gallico, vi. 22. De Moribus German. s. xxvi.
 4 De Bello Gallico, vi. 22.
 1122()()()33
 1) Gibbon, vol. i. c. ix. p. 361.
 2) Id. p. 348.
 3) Tacitus de Moribus German. sect. v. ; C※(リガチャAE小文字)sar de Bell. Gall. vi. 22.
 西11
 1) ケイザルはガリアにおいて、アリオヴィストスを戴く最も恐るべき植民地を見、また数年にして全ゲルマン民族がライン河を渡るであろうという恐怖が、一般に拡がっているのを見た。De Bell. Gall. i. 31.
 1122
 1) Gibbon, vol. iv. c. xxv. p. 283.
 2) Id. ib. note.
 ()11()()
 1) 『宇宙の涯に追いつめられた民族はそこを固守するであろう。』Grandeur et D※(アキュートアクセント付きE小文字)cad. des Rom. c. xvi. p. 187.
 
 1122()33使()44
 1) Tacitus de Moribus Germ. s. xvi.
 2) Id. s. xviii.
 3) Id. s. xix.
 4) Id. s. xx.
 11()2233()
 1) C※(リガチャAE小文字)sar de Bell. Gall. vi. 23.
 2) Gibbon, vol. i. c. ix. p. 360.
 3) Id. vol. i. c. x. p. 417.
〔訳註〕最後の一文はおおむね第一版より、1st ed., p. 50.
 11()()22
 1) Robertson's Charles V. vol. i. s. i. p. 11.
 2) Id. p. 7.
 
 退
 沿11
 1) Mallet, Introd. ※(グレーブアクセント付きA小文字) l'Histoire de Dannemar※(セディラ付きC小文字) tom. i. c. x. p. 221, 223, 224. 12mo. 1766.
 ()()()()112)233便()
 1) Mallet, p. 226.
 2) Id. p. 221.
 3) おそらく文明世界は、火薬の採用による戦術の一変によって、進歩せる技術と知識とが肉体力よりも決定的に優越するに至るまでは、新たな北方または東方からの侵入から完全に安全になったとは考え得なかったことであろう。
 
 1122
 1) Hist. Dan. tom. i. c. ix. p. 206.
 2) Id. p. 205, 206.
 1122
 1) Hist. Dan. tom. i. c. ix. p. 207.
 2) 『諸君は彼らに、敵を呼び傷を求めよとは容易に説得することが出来るが、、土地を耕し歳月を待てとはそれほど容易には説得し得ないであろう。血をもって得られるものを汗をもって得ることは、怠惰、怯懦と考えられている。』Tacitus de Mor. Germ. 実際人類の歴史上、習慣を変更するの甚だしく困難なることほど明かなるものはない。従って、その土地を適当に使用しない人民は欠乏に悩まない、と推論することほど、誤った議論はあり得ないのである。
 11
 1 ()()()()Short, History of Air, Seasons, etc., vol. ii. p. 344.
 11()()22
 1 Hist. Dan. c. ix. p. 209.
 2  Vagin※(サーカムフレックスアクセント付きA小文字) nationum  officin※(サーカムフレックスアクセント付きA小文字) gentium  storehouse of nations 
officin※(サーカムフレックスアクセント付きA小文字) gentiumVagin※(サーカムフレックスアクセント付きA小文字) nationumJornandes de Rebus Geticis, p. 83.
 


     

 便11
 1) Gibbon, vol. iv. c. xxvi. p. 348.
 11
 1) Id. vol. vi. c. xxxiv. p. 54.
 便11
 1) Id. vol. vi. c. xxxiv. p. 55.
 11
 1) Geneal. Hist. of Tartars, vol. ii. sec. i. 8vo. 1730.
 ()()11
 1) Voy. de Volney, tom. i. ch. xxii. p. 351. 8vo. 1787.
 西1122
 1) Geneal. Hist. Tart. vol. ii. p. 382.
 2) Id. p. 390.
 1122
 1) Geneal. Hist. Tart. vol. ii. p. 430, 431.
 2) Id. p. 426.
 11()()22
 1) Geneal. Hist. Tart. vol. ii. p. 459.
 2) Id. p. 455.
 トルキスタンにおけるカサチア・オルダの韃靼人は、北方及び東方の隣人と不断の戦争状態で暮している。冬には彼らはカルマック族に向って侵寇するが、このカルマック族はその頃には大ブカリアの辺境地方及びその国の南部地方の掃討に出掛ける。他方において、韃靼人は絶えずヤイクのコサック族及びノガイ韃靼人を悩ましている。夏には彼らはイーグル山脈を超えてシベリアに侵入する。そして彼らはしばしばこれらの侵略では運が悪く、その掠奪物の全部は彼らが極めてわずかの労働で彼らの土地から手に入れることが出来るものにも及ばないけれども、しかも彼らは真面目に農業に従事するよりも、かかる生活に必然的に伴う幾多の困憊と危険とに自ら好んで身を曝すのである1)[#「1)」は縦中横、行右小書き]
 1) Geneal. Hist. Tart. vol. ii. p. 573 et seq.
 11
 1) Geneal. Hist. Tart. vol. i. ch. xii.
 11223344
 1) Geneal. Hist. Tart. vol. ii. p. 412.
 2) Id. p. 413.
 3) Id. p. 413, 414, and ch. xii.
 4)『彼らは多数の妻を有つことを合法的と是認するが、けだし彼らは多数の子供をもたらし、それを吾々は即金で売りまたは必要な便宜品と交換することが出来るからである、と彼らは云う。しかも彼らがそれを養う資力がない時には、生れたばかりの嬰児を殺すのは一片の慈善である、と彼らは主張する。同様に彼らは病気で囘復の見込のないものも殺すが、けだし彼らの云うところによればこれは彼らを大きな窮乏から免れしめるのである、と。』Sir John Chardin's Travels, Harris's Col. b. iii. c. ii. p. 865.
 使11
 1) Geneal. Hist. Tart. vol. ii. p. 545.
 112233
 1Montes. Esprit des Loix, l. xviii. c. xii.
 2 Voy. de Volney, tom. i. c. xxii. p. 361, 362, 363.
 3 Gibbon, vol. ix. c. 1. p. 238, 239.
 11
 1) Voy. de Volney, tom. i. c. xxiii. p. 353.
 112233
 1) Voy. de Volney, tom. i. c. xxxiii. p. 350.
 2) Id. p. 354.
 3) Id. p. 350.
 1122
 1) Voy. de Volney, tom. i. c. xxiii. p. 359.
 2) Id. p. 380.
 1122
 1) Voy. de Volney, tom. i. c. xxiii. p. 380.
 2) Id. p. 366.
 112233
 1 Niebuhr's Travels, vol. ii. c. v. p. 207.
 2 
 3Voy. de Volney, tom. i. c. xxiii. p. 364.
 辿
 11使使
 1 D※(アキュートアクセント付きE小文字)couvertes Russes (tom. iii. p. 399.) 
 使1122
 1) D※(アキュートアクセント付きE小文字)couv. Russ. tom. iii. p. 389.
 2) Id. p. 396, 397, 398.
 この種族の擾乱的な性向から極めて瀕々ひんぴんと起る1)[#「1)」は縦中横、行右小書き]民族的戦争に加うるに、右の様な習慣があるのであるから、吾々は、暴力的原因による人口に対する妨げが、ほとんど、一切の他の原因を排除してしまうほどに強力なのであろうということを、容易に理解し得よう。彼らが荒廃的戦争を行い2)[#「2)」は縦中横、行右小書き]、苦難の掠奪侵入を行っている時に、また久しい旱魃や家畜の死亡によって、随時的の飢饉が時々彼らを襲うこともあろう。しかし普通の事態では、貧困が迫って来るので、新たな掠奪遠征が起ることになるのであろう。そして貧しいキルギス族は、自己を養うに足るだけのものを得て帰るか、またはその企図中にその生命または自由を失うかであろう。富者たらんかまたは死と決心をきめ、しかも手段を選ばない者は、貧乏人として永くは生きうることを得ないものである。
 1) D※(アキュートアクセント付きE小文字)couv. Russ. tom. iii. p. 378.
 2)『この群衆はその途上にあるあらゆるものを蹂躪し、自ら消費しないあらゆる家畜を持ち帰り、虐殺しない老若男女を奴隷とする。』Id. p. 390.
 112233
 1) D※(アキュートアクセント付きE小文字)couv. Russ. tom. iii. p. 221. この種族はここではトルゴット族の名で記されているが、これは彼らに適当な名称である。ロシア人は彼らを呼ぶにもっと一般的なカルマック族という名をもってした。
 2) Id. p. 327.
 3) Id. p. 319, 320, 321.
 1122
 1) D※(アキュートアクセント付きE小文字)couv. Russ. tom. iii. p. 221. Tooke's View of the Russian Empire, vol. ii. b. ii. p. 30. 急速な増加のもう一つの例は、ロシアから肥沃な定住地を与えられたクリスト教カルマック族の一植民地に現れている。それは一七五四年の八、六九五から一七七一年には一四、〇〇〇に増加していた。(Tooke's View of the Russ. Emp. vol. ii. b. ii. p. 32, 33.
 2) Tooke's View of the Russ. Emp. vol. ii. b. ii. p. 29, 30, 31. D※(アキュートアクセント付きE小文字)couv. Russ. tom. iii. p. 221.
 1122334455
 1) D※(アキュートアクセント付きE小文字)couv. Russ. tom. iii. p. 275, 276.
 2) Id. p. 272, 273, 274.
 3) Id. p. 324.
 4) Id. p. 310.
 5) Id. p. 270.
 ()()11
 1) D※(アキュートアクセント付きE小文字)couv. Russ. tom. iii. p. 311, 312, 313.
 ()()()()()1122
 1()M※(アキュートアクセント付きE小文字)moires du Baron de Tott, tom. i. p. 272. p. 267.
 2 D※(アキュートアクセント付きE小文字)couvertes Russes, vol. iii. p. 261.
 1122()33
 1) Voy. de Volney, vol. i. c. 23. p. 353.
 2) D※(アキュートアクセント付きE小文字)couv. Russ. tom. i. p. 467 ; ii. p. 10, 11, 12, etc.
 3) Id. tom. i. p. 290, etc. ; ii. p. 11 ; iv. p. 304.
 11()223344
 1 Geneal. Hist. of the Tartars, vol. ii. p. 407.
 2 Travels of Wm. Rubruquis, in 1253. Harris Collection of Voy. b. i. c. ii. p. 561.
 3 D※(アキュートアクセント付きE小文字)couv. Russ. tom. iii. p. 413.
 4 D※(アキュートアクセント付きE小文字)couv. Russ. tom. iii. p. 320.
 1122
 1) D※(アキュートアクセント付きE小文字)couv. Russ. tom. iii. p. 239.
 2) Id. p. 324.
 ()






     

 湿11便22
 1) Park's Interior of Africa, c. xx. p. 261. 4to.
 2) Id. c. xxiii. p. 312.
 ()()11
 1) Park's Africa, c. xxii. p. 291 and seq.
 かくの如く不断に掠奪に曝されているために生ずる財産の不安固は、必然的に、勤労に最も有害な影響を与えずにはおかない。すべて辺境地方の荒廃状態は、これがどの程度に作用するかを十分に証明している。気侯の性質は、黒人諸民族が労働するのに適しない。そして、彼らの労働の剰余生産物を利用する機会は多くはないから、吾々は、彼らが一般に、自分自身を養うに必要なだけの土地を耕すので満足しているのに、驚くことはない1)[#「1)」は縦中横、行右小書き]。これらの原因は、この国が未開墾状態にある理由を説明するに足るように思われる。
 1) Park's Africa, c. xxi. p. 280.
 1122
 1 Park's Africa, c. xxi. p. 284.
 2Histoire Naturelle de l'Homme, vol. vi. p. 235. 5th edit. 12mo. 31 vols.
 11223344
 1) Park's Africa, c. xx. p. 265. パアクの記述と、ビュフォンが論拠としている記述とは、おそらく、異なる民族の、しかも確かに異る時期の記述なのであるから、両者が互に異るからといってどちらが間違っているとも推断し得ない。しかしパアクの記述の関する範囲においては、それは確かに彼以前のいかなる旅行者の記述よりも信頼し得るものである。
 2) Id. p. 267.
 3) Id. c. xxii. p. 287.
 4) Id. p. 288.
 1122334455調()()調66
 1) Franklin's Miscell. p. 9.
 2) Park's Africa, c. xxii. p. 295.
 3) Id. p. 288, note.
 4) Id. p. 295.
 5) Id. c. xix. p. 248.
 6) Id. c. xxv. p. 336.
 11
 1) 真実の人口増加に対する二大必要条件としてここに挙げたもの、すなわち財産の安固と、その自然的随伴物たる勤労とは、海岸地方の奴隷取引が、パアクの述べている掠奪遠征に対しこのように不断の奨励を与えている間は、黒人間に現れるとは期待し得ない。この取引が終熄しゅうそくする暁には、吾々は合理的に、久しからずして将来の旅行者は、アフリカの諸民族の社会状態に関し、パアクが画いているよりも好ましい描写を吾々に与え得るものと、希望し得よう。(訳註――この註は第四版より現る。)
 11()22
 1) Bruce's Travels to discover the Source of the Nile, vol. ii. p. 556. 4to.
 2) Id. p. 223.
 ()()11
 1) Id. vol. iv. p. 411.
 11
 1) Id. vol. i. c. xi. p. 280.
 使綿11
 1) Id. vol. i. c. xi. p. 281.
 
 沿11
 1) Id. vol. iii. p. 33.
 ジッダ及び紅梅の東海岸に接するアラビアのあらゆる地方は、同様に極めて不健康である1)[#「1)」は縦中横、行右小書き]
 1) Id. vol. i. p. 279.
 ゴンダアルにおいては、熱病が常に流行しており、そして住民はすべて屍体の色をしている1)[#「1)」は縦中横、行右小書き]
 1) Id. vol. iii. p. 178.
 112233
 1) Id. vol. iii. p. 153.
 2) Id. vol. iv. p. 22.
 3) Id. vol. iii. c. iii. p. 68; c. vii. p. 178; vol. i. c. xiii. p. 353.
 1122
 1) Id. vol. iii. c. vii. p. 195.
 2) Id. c. v. p. 124.
 112233
 1) Id. vol. iii. c. xix. p. 738.
 2) Id. c. xix. p. 739.
 3) Id. c. iii. p. 88.
 1122
 1) Id. vol. iii. c. xi. p. 306.
 2) Id. p. 292.
 1122西殿334455
 1) Id. vol. iv. p. 119.
 2) Id. vol. iii. c. vii. p. 192.
 3) Id. vol. iv. c. v. p. 112.
 4) Id. vol. iv. p. 258.
 5) Id. c. i. p. 14.
 
 11
 1) Id. vol. ii. p. 559.
 
 11
 1) Id. vol. iv. p. 349.
 ()()11
 1) Id. vol. iv. p. 353.
()()()11
 1) Id. vol. iv. p. 411.
 姿11
 1) Id. vol. iv. p. 511.
()11
 1) Id. p. 511.
 
 
 112233
 1) Id. vol. iii. c. xvii. p. 710.
 2) Voyage de Volney, tom. i. c. iii. p. 33. 8vo.
 3) Id. tom. i. c. xii. p. 170.[#「.」は底本では欠落]
 11使22
 1) Volney, tom. i. c. xii. p. 172.
 2) Id. p. 173. ヴオルネエが試みているエジプトの農民の状態に関する右の描写は、この問題に関する他のすべての著者によってほとんど確証されるようである。殊に次の貴重な論文において、Consid※(アキュートアクセント付きE小文字)rations g※(アキュートアクセント付きE小文字)n※(アキュートアクセント付きE小文字)rales sur l'Agriculture de l'Egypte, par L. Reynier. (M※(アキュートアクセント付きE小文字)moires sur l'Egypte, tom. iv. p. 1.)
〔訳註〕『直接の』の語が加ったのは第三版からである。
 一七八三年には疫病ペストが非常に蔓延した。また一七八四年及び一七八五年には、ナイルの氾濫の不足によって恐るべき飢饉がエジプトを蔽った。ヴォルネエはこの時に生じた窮情の驚くべき描写をしている。初めは乞食で一杯であったカイロの街からはまもなく彼らの姿が全然なくなったが、それは死ぬか逃げるかしたのである。莫大な数の不幸な貧民は、死を免れるために、あらゆる隣国に散ってしまい、そしてシリアの町々はエジプト人で溢れた。街路や広場は、飢えて死にかけた骸骨のような人に充ち満ちた。迫る飢えを満たすべきあらゆる忌わしい手段が採られた。最も胸の悪くなるような食物も貪り食われた。そしてヴォルネエは、昔のアレキサンドリアの城壁の下で、駱駝の屍体の上に二人のみすぼらしい貧民が坐っていて、犬と腐肉を争っているのを見た、と述べている。この二年間の人口減少は全住民の六分の一と見積られた1)[#「1)」は縦中横、行右小書き]
 1) Voy. de Volney, tom. i. c. xii. s. ii.


     

 西西沿1122
 1) Travels in Kamtschatka, vol. i. p. 147. 8vo. Eng. trans. 1790.
 2) Id. p. 264.
 ()()()11
 1) Travels in Kamtschatka, vol. ii. p. 252, 253.
 11
 1) Id. vol. i. p. 128.
 11便()()湿223344
 1) Voy. de Pallas, tom. iv. p. 68. 4to. 5 vols. 1788, Paris.
 2) Id. p. 60.
 3) Id. p. 72.
 4) Id. p. 60.
 11
 1) Voy. de Pallas, tom. iv. p. 5.
 
 11便
 1) Voy. de Pallas, tom. iv. p. 5.
 1122()()退33
 1) Polit. Econ. b. i. c. v. p. 30. 4to.
 2) Voy. de Pallas, tom. i. p. 250.
 3) D※(アキュートアクセント付きE小文字)couv. Russ. vol. iv. p. 329. 8vo. 4 vols. Berne.
 
 使()使
 
 使
 便
 調1122
 1Voy. de Pallas, tom. iv. p. 4.
 2  ()
 
 11223344
 1 Tooke's View of the Russian Empire, vol. ii. p. 242. 
 2 Voy. de Pallas, tom. iii. p. 10.
 3 Id. tom. iv. p. 3.
 4 Id. p. 6.
 ()()()1122
 1) Voy. de Pallas, tom. iv. p. 3.
 2) Tooke's View of the Russian Empire, vol. iii. p. 239.
 1122()()()()33
 1) Voy. de Pallas, tom. v. p. 5.
 2) Id. p. 253.
 3) Tooke's Russian Empire, vol. iii. p. 313.
 11223344便556677
 1) Voy. de Pallas, tom. iii. p. 16. 蕃殖力が決して十分に発揮されていない国においては、不健康な季節と伝染病とは平均人口に対してはほとんど影響を及ぼさないけれども、この点において境遇の異る新植民地においては、これらは著しくその増進を阻害する。この点は十分には理解されていない。停止的であるかまたは極めて徐々として増加しつつある国において、人口に対する上述せるすべての直接的妨げが引続き働き続けるならぱ、いかに食物が豊富でも人口を著しく増加し得ないであろう。しかし食物の豊富が生ずる間違いのない作用は、従前行われていた直接的妨げを減少せしめるということである。しかしながら、習慣を変更するの困難からか、または土壌か気候かの何らかの不利な事情かにより、依然残存するものは、引続き蕃殖力がその全幅の作用を発揮するのを阻止するであろう。
 2) Id. p. 17, tom. v. p. 411.
 3) Id. tom. v. p. 252 et seq.
 4) Tooke's Russian Empire, vol. ii. p. 245.
 5) Voy. de Pallas, tom. v. p. 253.
 6) Id. p. 175.
 7) パラスの言及していない他の原因がシベリアの人口を抑制するに共働したかもしれない。一般的に云えば、私がこれまでに言及したかまたは今後述べるべき人口に対するすべての直接的妨げに関しては、次の如く云わけければならぬ。すなわち、その各々が作用する範囲と、それが全蕃殖力を害する比例とを、確かめることは、明かに不可能であるから、人口の現実の状態に関する正確な推論はこれらからア・プリオリに引き出すことは出来ない。異る二国民に行われている妨げが種類から云えば全く同一に見えても、それが程度において異るならば、その各々における増加率はもちろん全然異るであろう。従って吾々としては、物理的研究におけると同様の手順をとり、すなわちまず事実を観察し、次いで蒐集し得る最良の根拠に照してこれを説明する外はないのである。


     

 
 1122()()33
 1) Voy. de Volney, tom. ii. c. xxxvii. p. 373. 8vo. 1787.
 2) Id. p. 373.
 3) Id. p. 374.
 かかる掠奪の結果として、貧民階級の住民は破滅し、そしてもはやミリを支払うことが出来なくなって、村の厄介者となるか、または都会に逃げて行く。しかしミリは変更が出来ないものであり、賦課額はどこからか見附け出して来なければならない。かくしてその故郷を追われたものの負担額は残留住民の負担となり、その負担は、最初は軽かったであろうが今は堪えられぬものとなる。もし彼らが二年の旱魃と飢饉に襲われるならば、全村は破滅して委棄され、そしてその村が支払うべき租税は近隣地方に賦課されることとなる1)[#「1)」は縦中横、行右小書き]
 1) Id. p. 375.
 クリスト教徒に対する租税についても同じやり方が行われ、すなわちこの租税は同様にして、最初に定められた三、五、及び十一ピアストルから、三十五、及び四十ピアストルに引上げられ、そのためにこれを課せられた者は極貧に陥り、ついにこの国を立去らざるを得なくなるのである。かかる請求は最近四十年間に急速に増大し、その時以来、農業の衰頽、人口の減少、及ひコンスタンチノウプル正金送附量の減少が起っている、と云われている1)[#「1)」は縦中横、行右小書き]
 1) Id. p. 376.
 ()()11
 1) Id. p. 377.
 かかる窮乏の当然の結果として、耕作技術は最も哀れな状態にある。農夫はほとんど農具をもたず、そしてもっていても極めて貧弱なものである。その鍬はしばしばまた木の下から切取った樹枝に過ぎず、しかも輪車もなしに使っている。土地は驢馬と牝牛とで、また稀れには牡牛で、耕耘されるが、これは贅沢すぎる場合である。パレスチナの如くアラビア人の襲撃に曝されている地方では、農民は銃を手にして播種しなければならず、そして穀物は黄色に熟さないうちに刈取られて、地下の穴倉に隠匿される。種穀としては出来るだけ少量しか用いないが、それは、農民は自分の生存に必要なもの以上にはほとんど播種しないからである。彼らの全勤労は、その直接の欲望充足に限られる。そして少量のパンと少量の葱と一枚の青シャツと僅少の羊毛を得るには、多くの労働を必要としないのである。『従って農民は困窮の生活をしている。しかし農民は少くともその暴君を富ましめず、そして専制主義の貪婪どんらんは自らを罰するのである1)[#「1)」は縦中横、行右小書き]。』
 1) Id. p. 379.
 11()()22
 1) Eton's Turkish Emp. c. viii. 2nd ed. 1799.
 2) Id. c. ii. p. 55.
 1122
 1) Voy. de Volney, tom. ii. c. xxxiii. p. 347.
 2) Id. p. 350.
 
 1) Voy. de Volney, tom. ii. c. xxxvi. p. 369.
 112233
 1) Id. tom. ii. c. xxxviii. p. 38.
 2) Id. xxxiii. p. 345.
 3) Id. c. xxxviii. p. 381.
 辿
 112233
一、この帝国が今まで完全に免れたことのない疫病ペスト
二、少なくともアジアにおいては、疫病ペストにほとんど常に伴生する恐るべき数の疾病。
三、アジアにおける伝染病及び風土病、これは疫病ペストそのものと同様の恐るべき暴威をたくましくし、そしてしばしば帝国のこの地方を襲うものである。
四、飢饉。
44
 1) Eton's Turkish Emp. c. vii. p. 275.
 2) Voy. de Volney, tom. ii. c. xl. p. 445.
 3) Eton's Turkish Emp. c. vii. p. 275.
 4) Id. p. 264.
  ()()1122
 1) Eton's Turkish Emp. c. vii. p. 291.
 2) Id. p. 280.
 ()1122
 1) Sir John Chardin's Travels, Harris's Collect. b. iii. c. ii. p. 870.
 2) D※(アキュートアクセント付きE小文字)couv. Russ. tom. ii. p. 293.
 ペルシアが数百年もの間不断に悩まされている恐るべき動乱は、この国の農業に対し致命的であったに違いない。外戦と内乱から免れた期間は短くその数は少なかった。そして申し分のない平和な時期においてすら、辺境諸州は絶えず韃靼人の蹂躪に身を委ねていたのである。
 かかる事態の結果は予期し得る通りである。ペルシアにおける未耕地の耕地に対する比例は十対一であるとサア・ジォン・チャアディンは云っている1)[#「1)」は縦中横、行右小書き]。ペルシア王の官吏及び私的所有者がその土地を農民に貸出す仕方は、最もよく勤労を鼓舞するが如きものではない。ペルシアの穀作はまた、降雹、旱魃、及び蝗その他の虫害によって駄目になることが非常に多いが、このことはおそらく、むしろ土壌の耕作に資本を用いることを妨げる傾向があるであろう。
 1) Chardin's Travels, Harris's Collect. b. iii. c. ii. p. 902.
 2) Id.
 疫病ペストはペルシアには及んでいない。しかしロシアの旅行者の云うところによれば、天然痘が著しく蔓延しているという1)[#「1)」は縦中横、行右小書き]
 1) D※(アキュートアクセント付きE小文字)couv. Russ. tom. ii. p. 377.
 ()()


     西

 

11
 1) Sir William Jones's Works, vol. iii. c. ix. p. 354. レイナル僧正はインドの法律を論じて曰く、『人口増加は原始的義務であり、結婚を便ならしめるためには欺瞞し虚言し偽誓することさえ法が認めるほど神聖なる自然の秩序である。』Hist. des Indes, tom. i. l. i. p. 81. 8vo. 10 vols. Paris, 1795.
 

11
 1) Sir Wm. Jones's Works, vol. iii. c. iii. p. 124.
 1122
 1) Id. p. 130.
 2) Id. p. 141.
 

11
 1) Id. vol. iii. c. ix. p. 340.
 寡婦は、ある場合には、死んだ夫の兄弟またはある指定された親族によって、一人の息子を産むことは許されるが、しかしいかなることがあっても二番目は許されない。『指定の第一の目的が法に基づいて達せられれば、この兄と妹は父と娘の如くに睦じく共棲しなけれぱならぬ1)[#「1)」は縦中横、行右小書き]。』
 1) Id. p. 343.
 ()

11
 1) Id. vol. iii. c. ii. p. 96.
 

11
 1) Id. c. v. p. 221.
 11()22
 1) Id. c. ix. p. 343.
 2) Id. c. v. p. 221.
 
 便
 姿11
 1) Id. vol. iii. c. iii. p. 120.
 適当な配偶者を見出すに最大の困難がある時ですら、奴隷階級の女子が婆羅門またはチャトリアの妻として挙げられたことは、どんな昔の物語にも載っていないと記されているが、これはかかる困難が時々起ることを意味するように思われる1)[#「1)」は縦中横、行右小書き]
 1) Id. p. 121.[#「.」は底本では欠落]
 11
 1) Id. p. 141.
 11
 1) Id. c. ix. p. 337.
 11()22()33
 1) Id. c. v. p. 219.
 2) Id. c. viii. p. 325.
 3) Id. c. ix. p. 346, 347.
 11
 1) Id. c. iii. p. 133.
 11
 1) Id. c. iv. p. 165 ; c. x. p. 397.

()
11
 1) Id. c. x. p. 397, 398.
 
 1122
 1) Lettres Edif. tom. xiv. p. 178.
 2) Id. p. 284.
 人口に対する積極的妨げは、もちろん、主としてスウドラ階級に、及び一切の階級から追放され町の中に住むことさえ許されないいっそう悲惨な人々に、主として落ちかかるであろう1)[#「1)」は縦中横、行右小書き]
 1) Sir Wm. Jones's Works, vol. iii. c. x. p. 390.
 11
 1) Hist. des Indes, tom. i. liv. i. p. 97. 8vo. 10 vols. Paris, 1795.
 
 11
 1) Asiatic Researches, vol. iv. p. 354.
 
 
 
 11
 1) Id. vol. v. p. 14.
 11
 1) Esprit des Loix, liv. xvi. c. 5.
 西11
 1) Turner's Embassy to Tibet, part ii. c. x. p. 351.
 西
 11
 1) Id. c. i. p. 172.
 11
 1) Id.
 ()11
 1) Id. c. viii. p. 312.
 11
 1) Id. c. �I. p. 348, 350.
 11
 1) Id. c. x. p. 349.
 
 11
 1) Id. c. ix. p. 330.


     

 
 ※(「にすい+熈」、第3水準1-14-55)調11
 1) Duhalde's Hist. of China, 2 vols. folio, 1738, vol. i. p. 244.
 一国の兵役適齢男子数が全人口に対する比率は、一般に一対四と見積られている。そこで五九、七八八、三六四に四を乗ずると、結果は二三九、一五三、四五六となる。しかしこの問題に関する一般の計算では、青年は二十歳未満でも兵役に堪えるものと考えられている。従って吾々は、右の数字に四以上の数を乗じなければならぬはずである。この戸口調から除外されたものは、社会のほとんどすべての上層階級、及び極めて多数の下層階級を含むように思われる。これら一切の事情を考慮に入れるときには、デュアルドによれば、全人口はサア・ジョオジ・スタウントンが挙げている三三三、〇〇〇、〇〇〇よりも著しく少いものではないことが、わかるであろう1)[#「1)」は縦中横、行右小書き]
 1) Embassy to China, vol. ii. Appen. p. 615. 4to.
 ()()1122
 1) Id. Appen. p. 155.
 2) Duhalde's China, vol. i. p. 278.
 11
 1) Esprit des Loix, liv. viii. c. xxi.
 第一に、自然的の土壌の優秀、及び温帯中最も温暖な地方に占めるその有利な位置、すなわち土地の生産物に最も好都合な地勢、がそれである。デュアルドは、支那中に見られる豊饒について長い一章を充てているが、その中で彼は、他の王国が提供し得るほとんど一切のものは支那で見出すことが出来、また支那は他のどこでも見られないものを無数に産出する、と云っている。この豊饒は――と彼は云う――土壌は深く、住民はあくまで勤勉であり、また国土を灌漑する多数の湖水や運河によるものと、され得よう1)[#「1)」は縦中横、行右小書き]
 1) Duhalde's China, vol. i. p. 314.
 11殿22
 1) Id. p. 274.
 2) Id. p. 275.
 11
 1) Id. p. 275.
 1122
 1) Id. p. 276.
 2) Lettres Edif. tom. xix. p. 132.
 1122()()()()33
 1) Duhalde's China, vol. i. p. 272.
 2) Embassy to China, Staunton, vol. ii. p. 544.
 3) Id. p. 545.
 サア・ジョオジ・スタウントンが与えている以上の記述は、デュアルドや他のジェスイット僧によって確認されているが、彼らはいずれも、土地の施肥、耕耘、灌漑に当っての支那人の倦まざる勤勉と、人間の莫大な生活資料を生産する上での彼らの成功とを、叙説する点で、一致している1)[#「1)」は縦中横、行右小書き]。かかる農業制度が人口に及ぼす影響は明白でなければならない。
 1) Duhalde, chapter on Agriculture, vol. i. p. 272 ; chapter on Plenty, p. 314.
 
 1122
 1) Lettres Edif. et Curieuses, tom. xxiii. p. 448.
 2) Duhalde's China, vol. i. p. 303.
 1122
 1) Embassy to China, vol. ii. p. 157.
 2) Id. p. 157.
 1122
 1) Id. p. 151.
 2) Id. p. 152.
 11
 1) Id. p. 156.
 11
 1) Duhalde's China, vol. i. p. 277.
 ()
綿
11
 1) Lettres Edif. et Curieuses, tom. xvi. p. 394 et seq.
 
 11
 1) Embassy to China, Staunton, vol. ii. p. 546.
 人口増加の自然的傾向はどこにおいても極めて大であるから、あるいずれかの国の人口が到達している高度を説明することは一般に容易であろう。それよりももっと困難な、もっと興味ある研究点は、人口のそれ以上の増加を停止せしめている直接的原因を辿ることである。増殖力は、支那の人口を、アメリカ諸州の人口と同様に容易に、二十五年にして倍加するであろうが、しかし、土壌はかかる追加人口を明かに養い得ないから、かかることのあり得ないことがわかるのである。しからばこの強力な増殖力は支那ではどうなっているのであろうか。そして人口を生活資料の水準に抑止しておく抑制の種類や、幼死の形態は、いかなるものであろうか。
 支那における異常な結婚に対する奨励にもかかわらず、吾々は、人口に対する予防的妨げが働いていないと想像するならば、おそらく誤謬に陥るであろう。デュアルドは、僧侶の数は遥かに百万を超え、そのうち北京には独身者が二千おり、そのほか勅許によって各地に建立された寺院に三十五万おり、また文人の独身者だけで約九万いる、と云っている1)[#「1)」は縦中横、行右小書き]
 1) Duhalde's China, vol. i. p. 244.
 使
 1 Id. p. 278.Lettres Edif. tom. xix. p.145.
 罪悪的な性交から生ずる人口に対する妨げは、支那では非常に多くはないように思れれる。女子はおとなしくひかえ目で、姦通は滅多にないと云われている。しかしながら蓄妾は一般に行われており、大都市では公娼が登録されている。しかしその数は多くなく、サア・ジョオジ・スタウントンによれば、未婚者や家族から離れている夫の少数者に釣合っている1)[#「1)」は縦中横、行右小書き]
 1) Embassy to China, vol. ii. p. 157.
 ()()1122334455
 1) Lettres Edif. tom. xxii. p. 187.
 2) Id. tom. xix. p. 126.
 3) Id. p. 127.
 4) Duhalde's China, vol. i. p. 254.
 5) Id. p. 256.
 11
 1) Lettres Edif. tom. xix. p. 100.
 1122
 1) Ibid. p. 110.
 2) Id. p. 111.
 同書には、小児の溺殺を禁止する勅令の一部が次の如く載っている、『生れたばかりのいたいけな嬰児が無慈悲にも波に投ぜられる時、生の享受がはじまるや否や直ちにそれが失われる時、母は生を与え、子は生を受けたと云い得ようか。両親の貧困がこの罪の原因である。彼らは自らを養うに足るものすらほとんど持たず、いわんや子守に支払いかつ子供の養育に必要な費用をととのえることはいっそう出来ない。かくて彼らは絶望に陥る。一人を生かさんがために二人が苦しむに耐えずして、夫の生命を保たんがために、母はその子供を犠牲とするに同意する。しかしながら親たるの感情にとり極めてつらいものであるが、しかし終には意を決し、そして彼ら自身の生命を延ばすためにその子供の生命を断つのは止むを得ないと考えるのである。もし彼らがその子供を秘密の場所に遺棄するならば、嬰児の泣声は彼らの憐愍の情をかき立てるであろう。そこで彼らはどうするか。彼らはこれを川の流れに投じ、もって直ちにその姿が見えなくなり、またそれが即座に一切の生命の機会を失うようにするのである1)[#「1)」は縦中横、行右小書き]。』
 1) Id. p. 124.
 
 11
 1) Embassy to China, vol. ii. p. 159.
 1122
 1) Annals of the Chinese Monarchs. Duhalde's China, vol. i. p. 136.
 2) Id.
 11
 1) Lettres Edif. tom. xix. p. 154.
 11
 1) Meares's Voyage, ch. vii. p. 92.
 1122調33調()44
 1) Lettres Edif. et Curieuses, tom. xxii. p. 174.
 2) Id. p. 186.
 3) Id. p. 175.
 4) Id. p. 180.
 飢饉が起った時、宮廷が人民を救う何かの努力をしないと、たちまち掠奪者の小群が集まり、次第にその数を増して、その省の平安を害するに至る。だから多くの命令が常に発せられ、そして飢饉が終るまで人民を慰藉する運動が引き続いて行われる。そして入民を救う動機は純真な憐愍の情よりはむしろ国家の必要にあるのであるから、人民は、その必要が要求する時期と仕方で救われることは、少なかろう1)[#「1)」は縦中横、行右小書き]
 1) Id. p. 187.
 1122
 1) Id. p. 184.
 2) Vol i. b. iv. c. iii. p. 396. 8vo. Eng. tran.
 11
 1) Liv. xxiii. c. xii. 時に人口問題を理解しているように思われるモンテスキウが、また時にはこのようなことを云うのは、驚くべきことである。
 トゥンベルクの日本に関する記述の序言を読むと、その住民がかくも幸福に豊かに暮していると称せられる国の人口に対する妨げを辿るのは、極度に困難に思われるであろう。しかし彼自身の著書の後の方を読んでみると、序言から得られる印象と矛盾して来る。またケンプフェルの貴重な日本史においては、これらの妨げは十分に明瞭である。彼が載せている、日本で著わされた二つの年代史の抜萃には1)[#「1)」は縦中横、行右小書き]、この記録の始まって以来起った種々なる死亡や疫病や飢饉や流血戦争やその他の破壊原因に関して、極めて興味ある記述が与えられている。日本人が支那人と違うところは、それが遥かにより好戦的、擾乱的、放縦、かつ野心的なことにある。そしてケンプフェルの記述からすれば、支那における殺児による人口に対する妨げと対応するものは、日本では性に関する行状がより放縦であり、戦争や内乱がより多数である事実であることがわかるであろう。疾病及び飢饉による人口に対する積極的妨げに関しては、両国はほとんど同等の水準にあるように思われる。
 1) Book ii.


     

 11便
 1) Essay xi. p. 467. 4to. edit.
 
 便
 
 
 
 
 11
 1) Plato de Legibus, lib. v.
 その『哲学的国家論1)[#「1)」は縦中横、行右小書き]』において、彼はもっと詳しくこの問題を論じ、そして提議して曰く、男子の中で最も優秀な者が女子の中で最も優秀な者と結婚し、劣等な市民は劣等な女子と結婚し、そして前者の子供は育てるけれども後者の子供は育てないこととする。法定のある祭日に、婚約した青年男女は集合し、厳粛な儀式の下に結合する。しかし結婚の数は治安官によって決定されるべきである。すなわち戦争、疾病、その他の原因による人口の減少を考慮に入れ、彼らは、国家の資源及び需要に従って、多過ぎもせず少な過ぎもしないような市民の比例に出来るだけ近い数を、維持するであろう。かくの如くして最も優秀な市民から生れた子供は、市内の特別の場所に住みこの任務に充てられているある保姆の処へ連れて行かるべきである。しかし劣等な市民や、手足の不完全な者から生れた子供は、どこかわからない場所に埋めらるべきである。
 1) Plato de Republic※(サーカムフレックスアクセント付きA小文字), lib. v.
 11
 1) Plato de Repub. lib. v.
 調
 調
 11
 1) Aristotelis Opera de Repub. lib. vii. c. xvi.
 アリストテレエスは、プラトンが法律に関するその著において提議した共和国の長所を論じつつ、プラトンは人口問題に決して十分な注意を払っていないと云い、また、子供の数を制限することなくして財産を平等ならしめることの矛盾を、非難している。この問題に関する法律は、財産が平等化されている国家においては、他の国家におけるよりもはるかに明確かつ正確なることを要する、とアリストテレエスは云っているが、これは非常に正しい。通常の政府の下においては、人口の増加は単に土地所有をいっそう細分せしめるだけであろう。しかるにかかる共和国においては、土地が平等な、いわば基本的な部分にまで圧縮されているので、それ以上細分することが出来ないから、過剰なものは全く衣食に事欠くであろう1)[#「1)」は縦中横、行右小書き]
 1) De Repub. lib. ii. c. vi. Gillies's Aristot. vol. ii. b. ii. p. 87. 原文参照の煩を好まぬ人々の便宜のために、私は同時にギリイズの飜訳を引用するが、しかし彼れの目的は自由訳であるため、ある章句は全然省略されており、またある章句に彼は文字通りの意味を与えていないところがある。
 次いで彼は、あらゆる場合において子供の比例を調制し、もってそれが適当な数を超過しないようにすることが、必要であると云う。このことをなすに当って、死亡と不姙とはもちろん考慮に入れられなければならない。しかし、一般の国家における如くに、各人が欲しいだけの子供を自由に持ち得るならば、その必然的結果は貧困でなければならず、そしてこの貧困は悪事と暴動の母である。この理由によって、最も古い政治学者の一人、コリントのフェイドンはプラトンのそれとは正反対の規定を採用し、そして財産を平等化せずして人口を制限したのである1)[#「1)」は縦中横、行右小書き]
 1) De Repub. lib. ii. c. vii. Gillies's Aristot. vol. ii. b. ii. p. 87.
 最も健全な制度として市民の間に富を平等にすることを提議したカルケドンのファレアスについてその後の方で論ずる際に、彼は再びプラトンの財産に関する規定に言及し、かくの如くに財産の範囲を規定せんとする者は、同時に子供の数をも規定することが絶対に必要であることを無視してはならぬ、と云っている。けだし、もし子供が彼らを養う資料以上に増殖するならば、この法律は必然的に蹂躪され、諸家族は突如として富裕から乞食の状態に追い込まれるであろう――これは公共の安寧にとり常に危険なる革命である、と1)[#「1)」は縦中横、行右小書き、「1」が底本では「2」]
 1) De Repub. lib. ii. c. vii. Gillies's Aristot. vol. ii. b. ii. p. 91.
 
 11
 1) De Repub. lib. ii. c. ix. Gillies's Aristot. vol. ii. b. ii. p. 107.
 彼はこの点で、リコルゴスその他多くの立法者が陥っている誤謬をはっきりと認め、そして、これを養うために適当なものを与えることなくして、子供の出生を奨励したところで、多大の貧困を招くという犠牲を払いながら、それによって得る人口は極めて小であるということを、十分理解しているように、思われる。
 クレテの立法者1)[#「1)」は縦中横、行右小書き]も、ソロンやフェイドンやプラトンやアリストテレエスと同様に、一般的貧困を防止せんがために人口を妨げるべき必要を認めた。そして吾々は、これらの人々の意見、及びそれに基づく法律は、大きな影響をもつことと想像しなければならないから、晩婚その他の原因による人口増加に対する予防的妨げは、おそらく、ギリシアの自由市民の間にかなりの程度で働いたことであろう。
 1) Aristot. de Repub. lib. ii. c. x. Gillies's Aristot. vol. ii. b. ii. p. 113.
 1122
 1) De Legibus, lib. v.
 2) Hume's Essay, c. xi. p. 451.


     

 調調1122
 1) Dissertation, p. 62. 8vo. 1763, Edinburgh.
 2) Lib. vi. c. xii.
 11
 1) Dionysius Halicarn. lib. ii. 15.
  
 112233
 1 Hume Essay xi. p. 488.
 2 De Amore Prolis.
 3 De Moribus Germanorum, 19.  Minucius Felix in Octavio, cap. 30. 
 Lib. xxix. c. iv.
 112233
 1)『しかし黄金の寝台には姙婦に滅多に寝ない。不姙を惹き起し腹の中で人を殺す技術や薬品が大いに流行る。』Juvenal, Sat. vi. 593.
 2) Esprit des Loix, lib. xxiii. c. 21.
 3) Id. c. 21.
 11
 1) Aulus Gellius, lib. i. c. 6.
 調
 1122
 1) Essay xi. p. 505.
 2) Dissertation, Appendix, p. 247.
 退()11退22
 1) Essay xi. p. 504.
 2) Id. p. 433.
 1122
 1) Dissert. on the Numbers of Mankind, p. 91.
 2) Id. p. 88.
 1122()()()()()334455
 1) Dissertation, p. 89.
 2) Hume, Essay xi. p. 433.
 3) Id. p. 433.
 4) Appendix to Dissertation, p. 182.
 5) Hume, Essay xi. p. 430.
 ()11
 1) バタヴィアの極度の不衛生、及びおそらく若干諸国の疫病は、過度に作用する物理的原因と考え得よう。罪悪的独身生活に対するロウマ人の過度かつ異常の愛着、及びオウタハイトにおける乱交は、同一性質をもつ道徳的原因と考え得よう。かかる事例、及びなおおそらく見出さるべき同一種類の他の事例が、一般的命題を本文にあるように条件づきにすることを必要ならしめるのである。
 1122
 1) Essay xi. p. 425.
 2) Dissertation, p. 80.
 彼らは、その提示せる道徳的原因においても、同様の誤謬に陥っている。ウォレイスは古代人の間における積極的結婚奨励をもって、古代世界の人口がより多かった主たる原因の一としている1)[#「1)」は縦中横、行右小書き]。しかし結婚を奨励する積極的法律が必要であるという事実は、人口が豊富であることよりむしろ人口の不足を表示するものである。そして、彼が特に言及しているスパルタの場合においては、前章で述べたアリストテレエスの章句から見れば、結婚を奨励する法律は著しい人民の不足を是正せんとする明白な目的をもって制定されたものであることがわかる。密集した過剰な人口を有つ国においては、立法者は、結婚と子供の増殖を奨励するために、明白な法律を制定しようとは、決して考えないであろう。ウォレイスの他の議論も、これを検討してみれば、これとほとんど同様に彼れの目的にとり役に立たぬことがわかるであろう。
 1) Dissertation, p. 93.
 11
 1 Essay xi.



1st ed. ch. IV., pp. 55-59.
 かくの如く人類社会を概観するにあたってこれまで考察を加えた一切の人口に対する妨げは、明かに、道徳的抑制、罪悪、及び窮乏の三つとすることが出来る。
 予防的妨げの中で私が道徳的抑制と名づけた部門は、確かに人口の自然的力を抑止する上で幾分の役割を果してはいるけれども、しかし、厳密な意味にとれば、他の妨げに比較すると、その働く力が弱いことを認めなければならない。予防的妨げの中で罪悪の項目に属する他の部門については、その結果は、ロウマ史の後期及び他の若干の諸国において極めて著しかったように思われるけれども、しかし大体において、その作用は積極的妨げよりも劣ったように思われる。従来は繁殖力の大部分が働かせられ、それから生ずる過剰が暴力的原因によって妨げられたのである。これらの中で、戦争が最も優勢な顕著なものであり、これに次いでは飢饉及び破壊的な疾病が挙げられ得よう。考察を加えた大抵の国においては、人口は平均的な永続的な生活資料によって正確に左右されたことは滅多になく、一般に両極端の間を振動したように思われ、従って、吾々が当然に文明劣れる国に期待すべきように、欠乏と豊富との間の擺動が非常に目立つのである。





  ※(ローマ数字1、1-13-21)
   1948231015


                                                                                           

5-86



20041214
2006519

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JIS X 0213



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