一片の石

會津八一




 殿西()姿
 
 ※(「示+古」、第3水準1-89-26)※(「山+見」、第3水準1-47-77)
 ※(「示+古」、第3水準1-89-26)※(「示+古」、第3水準1-89-26)※(「山+見」、第3水準1-47-77)
 ※(「山+見」、第3水準1-47-77)※(「示+古」、第3水準1-89-26)








 この一篇は、この人の集中でも傑作とされてゐるが、その気持は全く羊※(「示+古」、第3水準1-89-26)と同じものに打たれてゐるらしかつた。
 この人よりも十二年遅れて生れた李白は、かつて若い頃この襄陽の地に来て作つた歌曲には、
※(「山+見」、第3水準1-47-77)山は漢江に臨み、
水は緑に、沙は雪のごとし。
上に堕涙の碑のあり、
青苔して久しく磨滅せり。
とか、また
君見ずや、晋朝の羊公一片の石、
亀頭剥落して莓苔を生ず。
涙またこれがために堕つ能はず、
心またこれがために哀しむ能はず。
とか、あるひはまた後に追懐の詩の中に
空しく思ふ羊叔子、
涙を堕す※(「山+見」、第3水準1-47-77)山のいただき。

 歿歿105-8
 ※(「示+古」、第3水準1-89-26)※(「山+見」、第3水準1-47-77)
 ※(「示+古」、第3水準1-89-26)寿





底本:「日本の名随筆88 石」作品社
   1990(平成2)年2月25日第1刷発行
   1996(平成8)年8月25日第5刷発行
底本の親本:「續 渾霽随筆」中公文庫、中央公論社
   1980(昭和55)年1月発行
入力:門田裕志
校正:仙酔ゑびす
2006年11月18日作成
青空文庫作成ファイル:
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JIS X 0213

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「二点しんにょう+隣のつくり」    105-8