八坂瓊之曲玉考

喜田貞吉





 


 西()()稿


 


 ※(「王+總のつくり」、第4水準2-80-88)()()()()()()※(「王+總のつくり」、第4水準2-80-88)
 穿使
 ()()()()()()()()()()便()
きこゑなかぐすく、たまのみつまはり
まわちへもちへ、あぢおそいにみおやせ
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 ()()()()()()()()()()()()()()()()()()()※(「王+總のつくり」、第4水準2-80-88)※(「王+總のつくり」、第4水準2-80-88)
 
※(「王+總のつくり」、第4水準2-80-88)
といい、また『夫木和歌抄』〔(巻三二)〕の歌に、
やまとにも、まがりのたまと草なぎの、つるぎは国の宝なりけり



 


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絹衣裳いといしょう取いがうんつけーされて(絹衣裳取りにお使にやられ)
がはな取いがうんつけーされて(曲玉取りにお使にやられ)
大和海やまとどう真海まとう中なかい(大和海のただ中に)
泥海どうるにはいくまちえ(泥海に這入り込まし)
泥海んぢやちえ(泥海も別け出でて)
わがすむぢわがんらちえ(わが神衣裳すむじわがぬらして)
わがかはなんわがんらちえ(わが曲玉もわがぬらして)
うくすうの潮荒さ
辺土ふいどのなみの波荒さ

くすのきはこので    やまとぶねこので
やまとたびのぼて    やしろたびのぼて
かはらかいにのぼて   てもちかいにのぼて

 
 西()()()()()()()
西


 


 穿穿穿穿使
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 ※(「王+總のつくり」、第4水準2-80-88)
穿


 


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※(「米+鐶のつくり」、第4水準2-84-6)餅 万加利
『新撰字鏡』に、
餌 万我利餅
とあるものこれで、『土佐日記』には、紀貫之、国司の任はてての帰途、山崎において見た小櫃の絵も、まがりのおほちの形も、往きに見た時と変っていなかったので、「売り人の心をぞ知らぬとぞ言ふなる」と書いてある。その製法は、『言海』に、
※(「米+鐶のつくり」、第4水準2-84-6)()
 
()()()()()()
 
 穿


 


 
 西西西
 使
 稿






底本:「喜田貞吉著作集 第一巻 石器時代と考古学」平凡社
   1981(昭和56)年7月30日初版第1刷発行
初出:「歴史地理 第六一巻第一号」
   1933(昭和8)年1月
※〔 〕内は、底本編者による加筆です。
入力:しだひろし
校正:杉浦鳥見
2020年6月27日作成
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