折々の記

吉川英治




折々の記








 
 
 
 
 
 


 
 







 
 
 
 
 
 
 
 調
 






 
 
 姿
 
 
 
 
 






 
 

 使
 歿歿
 
 
 
 






 
 
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 調

 
 
 
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 祿
 祿
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 姿滿
 使
 
 
 
 
 
 
 
 
 






 
 
 
 
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 西
 西
 
 
 鹿






 
 
 ()
 
 退
 
 
 ()
 






 姿
 
 
 
 
 
 退
 
 
 
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 駿
 
 
 
 
 退
 
 
 退
 






 
 
 
 
 
 宿
 ()()西
 
 
 






 
 
 
 
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 調
 
 
 
 
 
 
 西()()()()()

 稿










 
 
 鹿鹿
 鹿
 
 
 
 
 ()()






 
 
 
 宿××
 
 
 
 
 
但看ル花ノ開落  言ハズ人ノ是非
 皮肉にも、これは、同じ畫帖の中に書いてゐた菊池寛の、中學生みたいな文字だつた。






 
 
 ()
 
 
 
 
 
 ※(「さんずい+鼾のへん」、第4水準2-79-37)姿
 
 
 
 






 
 
 西()
 
 
 
 
 駿()()






 
 椿
 
 西
 便便
 
 
 調調
 調
 調






 ※(「插」でつくりの縦棒が下に突き抜けている、第4水準2-13-28)姿()()
 ()
 沿
 
 便西
 
 ※(「插」でつくりの縦棒が下に突き抜けている、第4水準2-13-28)()
 
 






 
 ()()
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 姿
 ()
 
 調
 
 




()



 
 
 
 滿()
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 使
 
 
 






 使()()
 
 便稿
 
 滿
 
 姿稿
 使
 
 ()
 
 
 






 
 
 
 
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 西
 
 






 
 
 
 
 
 
 
 
 

 
 






 
 ()
 
 
 
 
 ()()
 
 






 
 
 
 
 
 

 

 姿
林泉、いちニ近ク、ゆうさらニ幽
 
 
 
 






 
 

 
 
 宿()()
 ()()
 
 






 沿
 
 姿
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 禿






 
 
 

 
 ()
 
 使
 
 







 
 
 
 
 姿
 
 ()()
 
 
 






 
 
 
 
 
 
 
 
 
 西
 滿
 
 滿




鹿



 
 
 
 
 
 鹿
 鹿
 
 
 稿鹿鹿
 鹿()()鹿
 鹿
 鹿鹿
 
 鹿






 
 
 
 

 殿
 
 ()()()殿()()殿()
 
 






 
 
 
 
 
 
 
 
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 谿

 谿
 
 
 







 
 稿
 
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 使
 ()()()※(「插」でつくりの縦棒が下に突き抜けている、第4水準2-13-28)
 


 
 
 
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 鹿
 
 貿
 


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 稿

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 西
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 殿殿殿
 
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 ()()()()
 
 使

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 使使()()()()
〔談話筆記〕








 
 
 
 
 

 西西西西西西

 姿
 
 使()使

 
 
 

 
 
 
 

 

 
 
〔談話筆記〕







 
 

 
 

 
 
 
 
 

 使
 
 ()()

 
 
 ()()()使使

 
 
 ()()()()()

 
 姿
 

 

 調
 
 
しら浪の足あと凄し朝の月
借着して宿たつ朝や秋の風
 そのときの駄句である。それから、醉ふとよく裸ダンスをやるHさんもその夜の被害者のひとりだつたので、戯れて、
梁上りやうじやう君子くんし梁下の踊りかな
 

 
 
 

 

 
 

 姿


 
 
 
原子爆彈どこにあらうと秋の月
 とあつた。どんな秋の夜のあはれよりも、かなしい月の句ではなからうか。
[#改ページ]


小説にならない小説の話




まへがき
 ――牝鷄が卵を抱けばかならず孵るといふわけにゆかないやうに、ぼくらの書齋にも孵化しない小説の無産卵が常に紙屑籠と一しよに有る。
 それは一たい何のことなのか。
 前おきがないと何なのか分りつこない。云つてしまへば、二百號記念に約束の小説が果せなかつた云ひわけである。しかし、書く氣もなく放抛してゐたのではありませんといふ陳辯書とごらんねがひたい。
 だいたい、何のはずみか、二百號記念を最初に提唱したのが小生であり、酒興の上とはいひながら、必ず一篇を寄すべしなどとも大言を拂つたらしい。しかるに、最終々の〆切日に至るも出来なかつたといふ次第である。
 そこではる/″\山村から文春編集部に出頭して、叩頭百ぺんしたのであるが、聞きわけの惡い新社同人のゆるすところとならず、當日、中山婦人文化講座で講演する豫定があつたので、くるしまぎれの一案、そこでの速記を補筆して、いさゝか責めをふさぐといふ事でやつと妥協を見たのであつた。
 小説にもあらず、隨筆にもあらず、かういふ畸形稿が記念號の百卵中に生れ損つて出るのも、考へやうでは、小説優生學上、讀者にはかへつて一興であるかもしれない。

 ()
 
 稿()※(「風にょう+思」、第4水準2-92-36)※(「風にょう+思」、第4水準2-92-36)※(「風にょう+思」、第4水準2-92-36)※(「風にょう+思」、第4水準2-92-36)※(「風にょう+思」、第4水準2-92-36)退
 
 
 
 
 
 广135-15广135-17
 姿
 
 
 宿



 



 
 退
 
 ()()宿
 
 
 
 
 

 

 

 

 
 

 

 
 
 
 滿滿調
 
 

 

  


 

 
 姿

 

 
 广145-8广145-9广145-9退广145-10
 姿
 
 
 










※(「插」でつくりの縦棒が下に突き抜けている、第4水準2-13-28)
 稿45
 
 
 宿
 稿
 
 



 
 
 
 
 調
 
 
 



 
 使使
 
 使
 殿殿
 使
 
 
 
 調



 ()
 ()()西
 
 
 
 
 
 調調
 
 姿
 ()宿
 姿
 姿
 稿









 
 
 
やよ赤子汝れはいづちの旅をへて
    われを父とは生れ來ませし
 
 111201



 
 
 
 
林泉、市ニ近ウシテ、幽サラニ幽
 
 姿
 



 
 
 
 
 
 
 
 西
戰さやみぬ藪鶯もなき出でよ
 
 
鶯やなぜ人間の世の戰さ
 といふやうな陳腐な愚痴になつてしまつた。

勝負師の涙


 大きな眼で視ると、人類の生存のすがたはそのまゝ勝負の世界といへるかもしれない。人間は朝眼をさますとたんから寢る迄、無意識にも或る勝負への働きをしてゐる者だと云へなくもないからだ。
 勝負師の勝負生活は、それのきびしい縮圖である。故にまた傍觀者の興味も大きい。傍觀者といへ、じつは自分も勝負の輪廻に生かされてゐる人間なので、事、人間同士の勝負とあれば、假設的な土俵の形式でも、大方の棋盤に過ぎないばあひでも、血をわかして關心を持つ、持たずに居られない本能を驅られる。
 よく名人戰の會場になつた白山の「もみぢ」といふ家は庭に沿つて東から南へいやに長い建物であるが、晝間の勝負が差しかけになつて棋士が寢るときは、木村は、東の一ばん端れの部屋に坐し、大山は南の最端の部屋を取り、どつちも極力遠くへ離れて眠ることを希望してゐたといふ。
 おそらく、寢る間も二人の夢と夢とが、相鬪ふおそれを、どつちも感じ合つてゐるのではあるまいか。
 また、木村付きの女中と、大山付きの女中も、連日の勝負中は口もきかず、廊下で會つても互いに眸を研ぎあつて摺れちがふ程、自分たちが勝負師に成つたやうな心理になるさうである。そしてどつちかが敗けたとなると、女中までが泣くさうである。
 往年、前名人の塚田が木村に敗れたときの事、その日原田八段が疲勞しきつた塚田を郊外の家まで送つて行つたといふ。然し途々も、塚田は、なほ戰氣を醒し得ないで、さかんに次期の雪辱を口にしてゐた。やがて彼の家の近所まで來た。すると路ばたに、子供たちが無心に遊んでゐる。連れの原田八段がふと「あ、お宅の坊つちやんが遊んでゐる」と指さすと、塚田は悴然と立ちすくんだまゝ急に涙をながして泣き、腕を曲げて顏を蔽つてしまつた。わが子を見たせつなに初めて彼は「‥‥おれは負けた」といふ姿を連れに見せたのださうである。
 先頃、徳川夢聲君が木村對升田の勝負を大阪で見て歸つてから頻りに「ゆめにも子どもは勝負師にはさせたくない」と洩らしてゐたが、まことに同感にたえない。だが人間あはれなる哉。その夢聲君もまた日々勝負の輪廻の中に今や放送の“夢聲百夜”などえらい公約をしてしまつてゐる。辛くないのかなあと思ひ、ぼくにはあれもなかなか他人の氣もちでは聞いてゐられない。
 以前、双葉山が全勝の常勝將軍であつた頃、場所からS伯だの、ひいきの實業家たちと共に、双葉を拉して、辰巳家の本據にひきあげ、お作ばあさんが、一切合財のさしづで、八方からかかる双葉へのお座敷電話をみな斷り、天下の人氣横綱を獨占して、歡呼亂杯。こゝへは、招かずして新橋、柳ばしの美妓が群れ集まり、わが世の五月を謳歌した一夜がある。その折、誰の發意だつたか、双葉の爲に寄せ書して双葉の父なる人へ送らうと云ひ出し、S伯まづお得意の席畫を描き、財界政界の名士がそれに合讃した――で、ぼくにも順番が廻つて來て、何か一筆書けといふ。そこで即興の一句をぼくも書いた。句は、
江戸中で一人さびしき勝角力
 といふのであつた。
 だれもみなヘンな顏をした。「淋しい」といふ語への不審であらう。だがさすがにその夜の常勝横綱の双葉にだけは、いささか分つてゐてくれたらしい。ぼくの眼を見て眼で默禮した。その眼には、今でも覺えてゐるが、彼の人の良い一面の涙がういてゐた。木村に敗れて歸つた日、路傍に自分の子供を見て、ばうだと涙を垂したといふ塚田の涙と同じものなのである。見物心理でわれ/\が勝負を騷ぎ囃す“おもしろさのわけ”もそこにある。人間は罪の子なり、と神さまはいふ。それも一つのいひ方にちがひない。だが人間は生れつき勝負の子なのだ。だから多かれ少かれ、勝負師の涙をもつてゐない人間はない。



 
 
 禿
 
 




 
 
 
 
 
 



 
 
 ()()()西()()
 
 



 
 
 
 ()
 
 



 
 
 
 
 
 
 
 



 
 
 
 



 
 
 
 
 



 滿
 
 
 



 姿
 
 調
 
 
 
 姿調姿調



 姿
 調()()
 調
 調



 
 ()
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 使
 
 使
 
 
  
 
 調
 
 



 赤ンぼが生れる。すると、赤ンぼが、一番初めに洩らす言葉が、「――」といふ音ださうである。佛教でいふ阿字觀あじくわんとは、その生命の根元をさすのだとか聞いてゐる。
 だから、坊さんが、お經を讀むのを聞いてゐると、隨所で、「ア‥‥」と引つぱツては又、朗々と、續けてゆく。あれは、赤ン坊のごとき、きれいな生命の聲によつて、菩提へとどかうとする一種の修練法ではないかと思ふ。
 ヨハネ傳の第一章には、こんなことが書いてある。
初めに、ことばあり
ことばは、神と共にあり
言葉は、神なり
 
 
 
 



 
 ()滿
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 



 
 
 



 



 



 
 



 ()()
 便
 
 



 
 祿
 宿
 西
 
 







ある結婚式の式場で
 
 
 滿
 
 
 滿
 
 
 
 姿
 
 
 
 
 







 

 使
 

 
 

 
 調
 
 
 使便

 
 
 
 
 使
 使使使

 
 



 
 
 
 
 
 

 
 
 

 
 
 調

 
 









 
 
 姿
 



 
 



 
 
 便
 



 
 
 
 
 
 
 姿
 
 
 



 
 
 
 
 宿
 



 
 
 
 宿宿
 



 
 
 
 
 
 
 西
 使使
 









 
 



 
 



 
 
 
 
 
 滿

 
 
 
 歿

 
 



 
 
 
 
 



 
 
 
 
 
 



 
 
 
 
 
 



 
 
 
 
 調
 
 
 
 
  
 



 
 
 
 
 滿
 



 
 
 
 
 ()
 
 







 

 
 

 

 
 
 
 
 椿
 使







 
 使
 



 
 
 
 
 
 
 
 
 西西



 
 

 
 
 姿



 
 
 
 
 滿滿
 







 ()()()()()()

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 西
()()椿
 

 
 ()()()()
 
 
 
 輿

 ()()滿輿輿輿()()輿()()()輿
 
 殿

 
 
 
 使

 

 
 ()
 調
〔世間・昭和二十三年二月號〕







 
 

 
 

 
 
 宿
 

 鹿
 ※(「藹」の「言」に代えて「月」、第3水準1-91-26)調
 

 
 殿西西西西
 
 

 西宿
 
 
〔昭和二十七年五月〕
[#改ページ]









 
 
 使
 
 調
 



 
 ※(「骨+低のつくり」、第3水準1-94-21)
 退退
 



 姿姿使使使
 姿姿使 使
 耀



「源氏」と「平家物語」とは約一世紀近いへだたりがあり、紫式部が源氏を書いて、ちやうど一時代約七、八十年後に平安朝文化は崩壞し、そしてそれまでは、いはゆる地下人――地上の人間ではない地下の人といふのですから、隨分ひどい言葉なんですが――その地下人といはれ、禁門の番犬にすぎなかつた地方の若人や武者たちが立ち上つて、タイハイした末期平安朝文化をつひにはくつがへしてしまふのであります。それがいはゆる武士の擡頭であり、平家物語になるわけなのであります。そこに行くまでに、すでに御承知のやうに保元の亂、平治の亂、この二つの亂を經驗してゐるのでありますが、私はこの二つの亂をみ、またこれを書きながら、いつも途中で胸が痛くなつてたへられなくなる。こんな恐しい、むごたらしいことがあるかと思はれるのです。といふのは正にこの二つの戰ひこそ骨肉相食む戰ひだからであります。しかもこれが單に人民同士、大衆同士の戰ひではなくて、上は皇室にからみ、權門にからみ、權勢にからみ、榮華にからみ、あらゆる人間慾望と人間愚にからみあつて、一方は皇室、他の一方は皇室から出て皇室の祖父或は御父君にあたる院を中心として、いつてみれば皇室御自身からも骨肉の戰ひをおやりになつてゐる。そしてそのあげくの果は四國にお流されになつた崇徳上皇といふやうな、身、皇室の御一方と生れながら、非業な最期をとげられたといふ有樣で、實にあゝいふことは、私自身、書きながら胸が痛むんでありますけれども、そのたびに私は自分にムチ打つやうな氣持で、あへてこれを書き通してきたのであります。
 けだし、當時の私の氣持を率直に申しますならば、これを見たら、こんな悲慘にも殘酷なる史例をみるならば、骨肉同士のけんくわなどといふことはいかにムゴタラしくもまたおろかなことかといふことを感じては貰へないであらうかといふのが、私のひそかなる願ひだつたのであります。さうして、その骨肉同士の戰ひ、けんくわ、葛藤が、幾百年後の今なほ、今日のジヤーナリズムの上に別な姿と形においてみる時、私は何かたまらない氣持になるのであります。せめてどうかお互ひ、骨肉の間柄でも樂しまうではないか。狹い國土の中で、しかも慘澹たる負けたこの大地の上で、お互ひが仲よく暮す以外、これからの人生に何の樂しみがあるだらう。それなのに‥‥といふ悲嘆にくれずにはゐられないのであります。
 それについて思ひ出しますのは、三國志の中に出てくる“七歩の詩”といふ歌のことであります。魏の曹操が天下をとりましたのち、息子の曹丕といひましたか、それが大變な武將で、弟たちを戰爭にかりたてようとする。ところがその弟のうちの一人、たしか曹植といふ弟は、生れながら非常に文學好きで、なかなか戰爭をしたがらない。そしていつも、「戰爭なんか結構だ。おれは詩さへ作つてをればいい」といふのでありますけれども、兄の曹丕は武將の面子上さういふ態度を默認するわけには行かない。そこで、餘りさういふ態度をとつて改めないならば切つてしまふといふことになつた。といつてすぐ切つてしまふのも餘りにもふびんだからといふので、ある時、弟の曹植を呼びつけた。「お前は詩が好きで、戰爭がいやだといふ。といつて、軍律上、さういふわけにも行かない。それでおれが一、二、三、四、五と七歩まで勘定する間にお前が詩を作つたら仕方がない、これはお前は武門の生れ損ひと思つて、お前に勝手な生活を許してやる」とかういふ條件で、曹植を兵隊の前に立たせ、一、二、三、四と足數にして七歩曹丕が數へた。とキツカリ七歩目に曹植が筆をとつて詩を書いた、いはゆる「七歩の詩」といふのがこれで、私ももううろ覺えでありますが、それは大體かういふ意味の詩だつたと覺えてをります。
豆を煮るに豆の豆がらをたく
相煮ること何ぞ急なる
 御承知のやうに豆がらといふのはよく燃える。それを「急なる」といふ言葉で現はしてゐるわけです。
釜中の豆フツフツ泣く
 釜の中の豆は煮られてふつ/\とお互ひにあへぎ、泣いてゐる。といふのが第三句で、最後の句が、
もと、これ同根より生ずるを。‥‥
 といふのであります。一文の意味は、たきぎにした豆がらも、それから釜の中で煮られて泣き合つてゐる豆も、これはもと/\同じ根から生じた豆ガラと豆ではないか、それが一方は煮られ、一方は焚く身の上となる、今こんな悲慘なことがあるか。といふわけであります。
 もう一度いひますと、
豆を煮るに豆の豆がらをたく
相煮ることの何ぞ急なる
釜中の豆ふつ/\泣く
元これ同根より生ずるを
 
 姿
 
 
 西姿西西
 西姿
 



 
 姿
 姿宿
 
 宿調
 
 
〔昭和二十七年六月〕
[#改ページ]






 
 


 
 

 

 

 

 退

 
 ()()
 調

 ()()()

 
 
 
 

 

 
姿
 
 

 
 
 

 ()

 西
 
 
 使







 調  

 

 
 

 
 

 
  







 
()
 ()


 
 
 

 
 ()

 
 
 
 

 
 
 



 

 
 

 
 
 

 







 歿()()歿
 
 
 
 
 
 
 
 
 

 ()()※(「插」でつくりの縦棒が下に突き抜けている、第4水準2-13-28)
 


 
 
 ()()
 ※(「插」でつくりの縦棒が下に突き抜けている、第4水準2-13-28)
 姿歿
 
 
 

 
 


 
 

 

 
 
 
 
 
 駿
 稿







但ダ見ル花ノ開落ヲ
言ハズ人ノ是非
 
 
 
 
 

 



 

 
 


 
 
 
 
 
 
 
 
 


 
 
 


 
 
 簿
 
 使
 
 


 
 


 穿穿
 
 
 穿
 
 使
 
 
 


 
 
 







 



 
 
 
 


 


 歿
 
 
 
 


 


 
 


 
 
 
 調


 
 
 
 
 


 
 
 滿
 


 ※(「涯のつくり」、第3水準1-14-82)
 
 
 







 
 
 
 
 
 
 ()()()()()
 
 
 ()()滿()()()
 
 
 
 




鹿




 
 稿
 
 稿
 
 
 
 
 
 稿稿
 
 
 
 
 十一月はじめの土曜日。私は二時間の授業を終へて、すぐ青山會館へ行つた。此日、藤田幽谷父子の遺墨展覽會があるといふ案内状をもらつたからだ。幽谷の寫した常陸風土記だの東湖の弘道館記述があつた。その他澤山あつた東湖の刀や飯茶椀や、彼の射止めたといふ鹿の頭やなにかもあつた。――これが美術倶樂部で入札された時は、徳川家が何萬圓かで落札したが、二番札は吉川英治氏であつたよし、さる人が話してゐた。

 
 


 广335-13
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 駿
 調
 
 
 
 姿
 
 
 
 
 
 
 ()()
 調
 
 
 
 
 
 
 
 
 廿


 廿
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 宿
 
 
 
 
 
 
 
 
 ()
 
 
 
 

 
 
 調

 
 
 
 廿
 ()()()

 鹿()
〔改造・昭和十二年一月號〕







 
 稿

 
 

 
 
 
 調

 
 
大原にことし二度目の梅を見る
 

 
 
 

 
 
 
 
 
 殿
 
 U+4B38353-2
 
 
 
 
 

 
 
 
 
遲ざくら千家の露路に行き暮れて
 宿
 
 

 
 
 姿
 ※(「插」でつくりの縦棒が下に突き抜けている、第4水準2-13-28)
 
 姿
 
 
 
 
 
 







 
 
 
 
便
 
 
 
 姿
 使

 
 







 稿簿
 
 竿
 
 
 
 
 
 







 沿
 姿西
 姿
 







 ()

 

 
 
 
 
 退

 
 
 

 
 
 
 

 
 
 
 
 

 
 
 宿
 
 
 
 
 

 
 
 使
 
 

 
 
 
 宿
 
 使()()







 
 
 
 西
 



 
 
 
 
 
 


 
 西
 
 穿穿
 滿穿
 綿
 
 


 
 
 
 
 
 
 ()()
 
 


 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 退
 姿
 
 


 
 


 
 






   1953281225

   195328425818
   
   19512679
   
   1953282
   
   1948232
   
   1950254
   
   1948235
   
   1948237
   鹿
   1937121
   
   1952274
   
   1954291
5-86

1942175


201389

http://www.aozora.gr.jp/







 W3C  XHTML1.1 



JIS X 0213

JIS X 0213-


「纒」の「厂」に代えて「广」    135-15、135-17、145-8、145-9、145-10
「纏」の「里」に代えて「黨−尚−れんが」、「广」に代えて「厂」    145-9、335-13
「餮」の「珍のつくり」に代えて「又」、U+4B38    353-2


●図書カード