お冠船に帆をおろすさわぎはやんで、 はやお主しゆ加がな那しい志め前へ お迎へか。 あれ楽がくの音がかすかに微かに浮んでくる どれ黒髪□︵不□明︶梳さなをさう。 黄金三つ星てり渡る北フイ京キンの都。 そこからおす唐 按司すゐ、 まばゆいばかりの尊いみ姿を 今日こそは妾もをがみにいきます。 島には雲わき燕がすぢかひに飛ぶ。 鴛鴦のやうなお冠船はふわふわと 湾内にねむつて濃い夢をむさぼる。 森には福木 黄いなる花さく。 お冠船をどりの日はいつごろか。 うしイは夜もすがら胸にゑがいた。 あてやかな若按司が紅べにゝゆる振袖を、 または女躍 役者かこまやかな足どりを