恋しき最後の丘

漢那浪笛






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なつかしい丘の上、
棕梠の若葉のそよぎ、小鳥の歌、
傾むきつくす夕陽ゆうひも、
見る/\最後の接吻きつすをのこして、

深い/\海の彼方へ去らうとする、
なつかしい丘の上に、Kの君を待つ心よ!
夢を語るやうな暮の風に顫へる、
葉づれの音に眼がくるへば、
西へ東に、足が動きだす………
夫れと思ふ俤が、更に眼にとまらぬ、
胸を抱いて、深い悲しみに沈む、
林の間に、夜の色が浮び出した………
黒ろい恐ろしい影は、
私のたましいを圧しはじめる、
もう是れが私の、Kの君に対する最後だ!





 1 ※(ローマ数字1、1-13-21)
   19913661

   1911441112



2017625

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