錢形平次捕物控

二人濱路

野村胡堂







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――長持ながもちの中――
 とう書いてあつたのです。
 それつと飛んで行つて、お關の居る部屋の隣。嫁の道具を一パイに積んだ下から、長持を引出して蓋を拂ひました。
「あツ」
 中には娘濱路が滅茶々々に縛られた上、猿轡さるぐつわまで噛まされて、息も絶え/″\に、半死半生の身を横たへて居たのでした。
        ×      ×      ×
「八、どうして長持の中と判つた」
 歸り路、朝の清々すが/\しい風に吹かれ乍ら、平次は訊きました。
「唯何んとなしに、そんな氣がしましたよ」
「心細いなア」
「ぢや親分は」
「長持の蓋の角に生々しい傷があつて、穴があいて居たことに氣付いたんだ。祝言前の嫁の長持に穴があるわけはない。あれは息拔きに違ひないと氣が付いたのさ」
「なアーる」
 八五郎はピタリと額を叩きました。親分の推理に、兎も角直感で追ひ付いた自分が嬉しかつたのです。
「ところであの居候は可哀想だね」
「あんな惡い野郎が?」
「十何年も給料のない奉公人並に扱はれて、氣が少し變になつたのさ」
「それから、あのお關も可哀想ぢやありませんか」
 ガラツ八は臆面おくめんもなくこんな事を言ふのです。
「精々親切にしてやるが宜い。親父が殺されて、たつた一人になつたんだから心細からうよ。しよんぼりと歸つて行つた姿が目に殘るぜ。尤も顏は綺麗だが心掛はあまり結構ぢやない」
 そんな事を言ひ乍ら、二人は妙に物足りない心持で神田へ急ぐのでした。





底本:「錢形平次捕物全集第二十卷 狐の嫁入」同光社磯部書房
   1953(昭和28)年11月15日発行
初出:「オール讀物」文藝春秋社
   1940(昭和15)年5月号
※題名「錢形平次捕物控」は、底本にはありませんが、一般に認識されている題名として、補いました。
※「萌黄」と「萠黄」の混在は、底本通りです。
入力:特定非営利活動法人はるかぜ
校正:門田裕志
2016年6月10日作成
青空文庫作成ファイル:
このファイルは、インターネットの図書館、青空文庫(http://www.aozora.gr.jp/)で作られました。入力、校正、制作にあたったのは、ボランティアの皆さんです。




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