留魂録

吉田松陰




身はたとひ
武蔵の野辺に朽ちぬとも
とどめ置かまし大和魂

十月念五日     二十一回猛士


()()()()()()()()綿()
  ()()()()()※(「氓のへん/(虫+虫)」、第3水準1-91-58)()()()
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  この二条のみ。それ梅田は、もとより奸骨かんこつあれば、余ともに志を語ることを欲せざるところなり、何の密議をなさんや。わが性、公明正大なることを好む、に落文なんどの隠昧いんまいのことをなさんや。
  西
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  ()()()()()()※(「さんずい+此」、第4水準2-78-36)()()()()
()()()()使()()()()()
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  吾れもし死せずんば、勃々たるもの決して汨没こつぼつせざるなり。しかれども十六日の口書、三奉行の権詐、吾れを死地におかんとするを知りてより、さらに生をねがふの心なし、これまた平生学問の得力しかるなり。
一、今日死を決するの安心は四時の順環において得るところあり。
  ()()()()西()
  寿※(「虫+惠」、第4水準2-87-87)()※(「虫+惠」、第4水準2-87-87)32--19椿椿※(「虫+惠」、第4水準2-87-87)※(「虫+惠」、第4水準2-87-87)32--21
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()()()駿()退
  この言、大いに吾が志を得たり。吾れの祈念を籠むるところは、同志のかひがひしく吾が志を継紹して尊攘の大功を建てよかし、なり。吾れ死すとも堀・鮎二子のごときは海外にありとも獄中にありとも、吾が同志たらん者、願はくは交を結べかし。また本所亀沢町に山口三※(「車+鰌のつくり」、第3水準1-92-47)といふ医者あり。義を好む人と見えて、堀・鮎二子のことなど外間にありて大いに周旋せり。とても及ぶべからざるは、いまだ一面もなき小林民部のこと、二子より申しつかはしたれば、小林のためにもまた大いに周旋せり。この人、想ふに不凡ならん、かつ三子への通路はこの三※(「車+鰌のつくり」、第3水準1-92-47)老に托すべし。
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  西鹿※(「車+鰌のつくり」、第3水準1-92-47)鹿
西
  
  
西
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稿稿



かきつけ終りて後
心なることの種々くさぐさかき置きぬ
  思い残せることなかりけり
呼びだしの声まつほかに今の世に
  待つべきことのなかりけるかな
討たれたる吾れをあはれと見ん人は
  君を崇めてえびす払へよ
愚なる吾れをも友とめづ人は
  わがともどもとめでよ人々
七たびも生きかへりつつ夷をば
  攘はんこころ吾れ忘れめや

十月二十六日黄昏書す    二十一回猛士






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   1968439251

   1939141130



sogo

2017924

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JIS X 0213

JIS X 0213-


「虫+恵」    32-上-19、32-上-21


●図書カード