佐藤春夫詩集

佐藤春夫




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詩集



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堀口大學に



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詩集はしがき



 滿※(二の字点、1-2-22)

佐藤春夫しるす




北風よ起れ、南風よ來れ、わが園を吹いてその香氣を揚げよ、願くはわが愛する者のおのが園にいりきたりてその佳き果を食はんことを


雅歌第四章十六
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幼き歌






















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筒井筒をさなかりしころの友垣の女の童ははやく年たけて嫁ぎゆくこそ悲しくも甲斐なけれ

人妻の双のたもとはみぢかしや あはれ
[#改段]


同心草





淡月梨花の歌



姿姿





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宿










こころにちかく
目にとほく
おもかげいまは
枯柳となりぬ
おぼつかなし
君によりてありし
わが寒蝉のうた
[#改段]






















 
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※(「さんずい+章」、第3水準1-87-8)




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世に美しき姉妹ありき。わがよき友となりしが、程なく故ありてまた相見るべくもなしと告げ來りしかば。

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便





 
 
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楊柳青青楊柳黄
青黄變色過年光
妾似柳絲易憔悴
郎如柳絮太鎭狂[#「郎如柳絮太鎭狂」はママ]

みどりに萠えし川やなぎ
春はむかしの夢なれば
日をふるままにうつろひて
秋は黄ばみぬ川やなぎ、
われをよしなき葉となさば
君やわたなす花ならめ
みだれはげしき君がため
やつるるぞかし我がいのち。
[#改段]







 
  











私の柱時計の図

文字は喜のやうに鮮かな金
文字板は死のやうにまつ黒
ぐるりは花と葡萄葉との飾
振子と言へばたつた一房の
風に搖れるあまい葡萄の實
このよい柱時計の細工人は
無名でこそあつたがきつと
エピキュラス程の賢者だつた
美しい教はつつましいから
人に知られずに三十年の間
場末の店で塵まみれだつた
チクタクチクタクチクタク
[#改段]




 



 

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退


















 


 







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滿


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キイツの艶書の競賣に附せらるるとき






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※(二の字点、1-2-22)







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譯註



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ひそかに己が詩集に題す


悔恨のみが罪惡をつくる
思ひ出は忘却の糟であり
こじれた感情だけ歌になる。
昨日の花束に嗅ぎ入つて
氣の毒な讀者は三嘆する。
[#改段]


やまぶき







やまぶきのたちしげみたるやましみづくみにゆかめどみちのしらなく
萬葉集
[#改段]


さくら


Edward Thomas

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老女


Joseph Campbell

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使





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疲れた人


Anna Wickham

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水無月來りなば


Robert BridgesRobert BridgesRobart Bridges

 
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※(二の字点、1-2-22)



金髮のひとよ

James Joyce


窓にからだをよせかけて
  金髮のひとよ
うつとりと君が歌ふのが
  わたしに聞える

わたしは本は閉ぢる
  もう讀まない
ストオブのゆかに躍る炎を
  わたしは見つめる

本はなげ出した
  部屋は出て來た
夕闇をとほして君が歌聲の
  聞えくるものを

歌ひつつかつ歌ひつつ
  うつとりと
窓にからだをよせかけて
  金髮のひとよ





  1
   199911310

   192615318
 
   192211111
    
   19114461
    
   19211041
   
   19261511
   
   19261511
    
   19231291
    
   19241311
    
   19231271
    
   192312118
    
   19241311
    
   19231271
    
   19231271
    
   192312101
    
   192312118
   ※(「さんずい+霸」、第3水準1-87-33) 
   19261511
    
   19231291
    
   19231291
    
   192312118
    
   192312118
   
   19261511
   
   19261511
   ※(「さんずい+霸」、第3水準1-87-33) 
   19261511
   ※(「さんずい+霸」、第3水準1-87-33) 
   19261521
    
   192413101
   滿 
   19251441
    
   19261521
    
   19114481
    
   192312118
    
   19261541
    
   19261531
    
   19261551








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2022327

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