遺愛集

島秋人







 稿
 
 稿
 
 
 

 稿

 
 調
 
 
 
 ※(「日+折」、第4水準2-14-2)
 
 
 
 
 
 
 
 
昭和三十九年五月
[#改丁]
[#ページの左右中央]


昭和三十五年


稿




 

  
 
 
 
 
 
 
 
 
 使
 
 
 




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十月五日午後
東京都豊島区西巣鴨一ノ三二七七ノ一
中村さとる
(註・住所は東京拘置所。中村覚は島秋人の本名)


便







稿




 

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
不一
一月十三日夜記
中村覚
[#改ページ]
うす赤き冬の夕日が壁をはふ死刑に耐へて一日生きたり

やさしき旧師の妻の便り得て看守に向くる顔の笑みたり

日に二通厚き封書をたまはりて素直に昏れる灯の下に読む

亡き母に呼ばれし呼び名が師の妻の便りにありてなつかしく読む

拭きこみし木肌まぶしき春の日に生きるうれしさまぶたよりわく

極刑の罪負ふもののわれらにて孤独をいとひいさかひを

名も知らぬ草に触れつつつぶやきに聴き入る如く囚徒われゐる

獄の土に生れし生命いのちの草の芽に愛深くありぬ指にさぐれば

恋うたと聴くにかなしき琉球の少女が唄ふのど自慢の歌

車窓過ぐる故郷見をれば幾度もガラス拭きくるる老いし看守は

まみつむり死刑囚われは野の花の幾つかおもひ春の唄きく

獄窓まどの陽の日増しにぬくし金盞花いとしみ見れば花粉ふきゐし

眼をつむりにはかめくらとなりて聴くガラスを知らぬめしひし児の詩

世のためになりて死にたし死刑囚の眼はもらひ手もなきかも知れぬ

チューリップひとつ咲きたり走りよる死刑囚等のといき集めて

手のひらを重ね己れをいとしみつ死刑囚として卒業歌きく

幾度いくたびか寝返りうちて許されし友を思へり死刑囚われは

悔いに冴え眠りそびれしわれの眼にいたはる如く児童図画あり

触れてみる夜の獄壁いつになく何か親しくうれしき日なり

助からぬ生命いのちと思へば一日のちひさなよろこび大切にせむ

たまはりし処刑日までのいのちなり心素直に生きねばならぬ

素直にて昏るる日のあり被害者のみたまに詫びて夕餉いただく

たまはりし花をかざりて被害者の命日の夜を深く詫びたり

被害者に詫ぶべき言葉なき文を綴りては捨て処刑待つのみ

処刑受けお詫びとなさむ心ぬち生きたき思ひ日日にあり悔ゆ

若妻の心こもれる差入れの座布団干せる友は死刑囚

同囚の祈りむなしく幼児持つ友の死刑は確定となる

かなあみを叩き呼ぶ児に泣きながら父となりゐき若き死刑囚

白き花つけねばならぬ被害者の児に詫び足りず悔いを深めし

幸せを祈りわが撒く食パンの白きを雀らおどおどと食む

換気孔の小さき穴より撒きおきしパンを雀は集ひ来て食む

たましひを洗はるる如く見てをりぬひなをやしなふくちうつすさま

二階より死刑囚われ見てをりぬパンをみ食ふ七羽の雀

おくふかく薄草色のひそみゐて咲く白百合のすがしかりけり

風塵にさからふ如く立哨の動かぬ看守見てゐてさびし

降りしきる雨音のみを思ひつつ獄窓まどに来たれば夜の灯美し

手に触れてみたき思ひのつのりつつ死刑囚のに雨の輪みてゐる

生野菜ほしき囚身しゆうしんにひさびさの小雨に濡れて夜の草匂ふ

愛に飢ゑし死刑囚われの賜りし菓子地に置きて蟻を待ちたり

手のひらの小さき虫がくすぐりて死刑囚われに愛をらしむ

あじさゐの花のひとつに移りつき朝鮮バチの羽根のひかりぬ

セロハンの袋に入れしゴキブリがひと夜かさかさ音たててゐる

死刑囚の佇ちゐる影をよこぎりて虫がらはこぶ白昼まひるの蟻は

餌をはこぶ蟻につき来てあみ塀にさへぎられたり死刑囚われは

ころがりて死んだまねするてのひらの虫を放てりわれは死刑囚

獄草履鳴りをひそめてわれ歩くはばかる事なき庭を歩むに

幾重にも獄廊鉄扉に閉ざされて湖底の如く夜は更けてをり

死刑囚に耐へねばならぬ余命あり淋しさにのむ水をしりたり

死刑囚のわが焦燥の如くありあがくとも見ゆるひむしの一つ

生存の尊さ悟り死囚われ薄羽かげろふてのひらに眺つ

たはむれて薄着の肌を叩きあふ心ゆ親しき死囚の二人は

同囚のわれになぐさむるすべなくて別れし友の空房へやのぞき見つ

獄窓の白昼まひるの明りみつめゐて部屋黒く見ゆるさびしき横臥

歯みがき粉残り少なくなりをりて獄に病む身の朝はさびしき

熱ありて触るる畳に甘えつつ死刑囚の身の半裸ころがす

獄灯の下に病みゐて時をりの排水管の音に聴き入る

絞められて声をあげ得ぬわがあがき夢と覚ましてまた眠りたり

息たゆる苦しき夢ゆのがれむとあがきてゐたり眠りの中に

その夜荒き壁に触れては耐へてゐぬ死刑囚われのあふれくるもの

にくまるる死刑囚われが夜の冴えにほめられし思ひ出を指折り数ふ

死ぬことはさみしきものか一つ灯の華輪にひそむ虹をみつめつ

殺さねばならぬわが身か獄の夜の壁の白きをみつつ更けたり

声あげて悔いゐることもなぐさめか死刑囚に無き更生のみち

師の妻より賜ひし浴衣ゆかた獄の夜に時をり覚めて触れては見入る

賜りしお盆の花はわづかなる陽の射す方にみな向きて活く

移送の日に汽車のガラスを拭きくれし老いし看守に暑中見舞ひ書く

浴衣着て土に絵を描く死刑囚のむぎわらばうしの影の幼き

濯ぎ終わる流しの底に獄灯が月の如くに映りてゐたり

信じ得ぬ思ひに見つむ獄庭の朝顔の花ピンクに咲きて

新聞を配りゐし頃なつかしみ朝顔の咲く獄庭にはをみつめし

葉の影にひっそり咲ける朝顔の紅のいのちは夕までたもつ

老看守まともに笑顔ゑがほみせくるるうたがはれぬ日のわれはうれしも

帰りえぬ身となりはてて蝉のこゑ聞きし日のこと日記にのこす

昏れ方の虫の音ききつつ老い父のひと日の疲れ獄におもふ

賜れど分つ人なし獄の夜ふたつの梨を並べ置き寝る

仰向きに寝ては病む身に聴きをりぬ土うつ雨のつめたき音を

台風のあとやはらかく陽のさして朝顔の花はあわれ咲きたり

一匹のあきつの飛ぶに死囚われかなしきまでに子のころ憶ふ

今宵より夜間筆記の許されて自由得しごとくうれしくてならぬ

いつしかに畳に朝日さすほどに秋となりゐき死刑因の部屋

金網に触るる位置までより添ひて受くる秋陽はまみにまぶしき

たどりきて寝返りうちぬ死刑囚の憶ひの内に母の死があり

甘ゆべき母のなき獄青布の夜具をかぶりて悲しみに耐ふ

母のなきわれは亡母はは恋ひ夜を更かしひとやに遠き汽笛ききたり

老い父に刑死の後のかなしみを詫びつつ冴えし虫の音聴きゐる

仲秋の月を見たくて獄窓の曇ガラスを濡らし拭きたり

月させどわが獄窓まどはみな磨ガラス濡らして拭けば光やや増す

のがれ得ぬ死刑と思ひ仰ぐ獄窓樹まどこの間の月の清く更けたり

めいわくをかけし質店の広告あり死刑囚として故郷の新聞読めば

死刑囚となりて思へばいくらでも生きる職業あるとりにき

わが罪に貧しく父は老いたまひ久しき文の切手さかさなる

図書館に時をり行きて老いし父死刑囚われの短歌うた見るといふ

わが罪を証人台に泣きたまひ泣きたまひつつ詫びくれし老父ちち

父よりは背丈せたけ伸びたり送り来し古ジャンパーをまとひてみれば

独り身の老父ちちのジャンパー袖口に繕ひしあとありて切なし

独り身の老父ちちが洗ひて繕ひし古ジャンパーを獄にまとひぬ

過ぎし日の老父ちちの姿をまねてゐぬ冬の日向に死因となりて

まみ細め換気孔よりもるる陽を格子にのばり顔に当てゐき

ひと日着て残る体温いとしみつ青さ薄れし囚衣たたみぬ

駅よりの家への路を憶ひつつ死刑囚として初雪を聞く

久々にあくびなど出づ白き息いつまで吐ける死刑囚われに

握手さへはばむ金網あみ目に師が妻の手のひら添へばわれも押し添ふ

死刑囚の言葉少くなさむとも意識はしつつさびしさに詠む

新しき年迎へ得て死刑囚のわれも友もみな顔輝けり
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昭和三十七年









 

 
 
 
使
不一
五月二十一日朝
島秋人


 

 便
 
 
 
 
  
 
 
十一月二十八日朝四、
秋人


 

 
 
 
 
 
十二月四日午後
島秋人
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青空に己がさびしと思ふことゆだねて独り仰ぎてゐたり

亡母ははと居る不思議に気付き初夢は覚めて死刑の己れのみあり

病むながく瀬峰に老いて春を待ち煙のみなる汽車を見ると云ふ

ほのかなる土の匂ひのさびしかり春陽に白き湯気のたちつつ

愛しさをふかく心にひそめ生きひとつ灯に吐く独語のありぬ

水仙の残りのつぼみ咲くまでは水代へてやりぬ獄窓まどの日向に

春来れば死刑囚なれどゆとり生まれ安らふまみに青き天あり

老被告理髪待つ間のまみ細め罪なき如く耳かきてをり

日溜りの広きにすずめ降り来しが惜し気なく去ぬるを獄窓まどに視てをり

霜燒けがなほりてシャツを洗ふなり幾度いくども濯ぎかたくしぼれる

風邪引きし保安課長と語り了へ風邪を引くなと云はれたりけり

四歳のじゅんいちと云ふ児を知りぬ母亡き故に笑はぬとあり

美しき靴のみ選りてかくすくせもてる園児は母亡き児なり

愛に飢うる母の亡き児にかくされし靴を保母らはさがし得ぬと云ふ

容疑者とつめたき目もて視なさるる母亡き幼児を獄に知りたり

かくされし靴の出て来ずおだてれば得意顔して出して来ると云ふ

若き保母母亡き幼児の添ひ来るに背をさすらせて母情を知らす

この手もて人をあやめし死囚われ同じ両手に今は花活く

しなふほど菖蒲の伸びて吹かれゐる獄の日向にひそみ安らふ

獄庭にはの樹々春の嵐に鳴れる夜波のしぶける故郷思ひぬ

獄塀へいぎはの日向にふたつクローバの花咲きゐたり四月の六日

被害者の忌日きにちの獄に仏華ぶつげなく春雨降りて静かに昏れし

春雨の窓のあかりを身にまとひ寂しき庭を看守歩みゆく

金網あみ目より入り来し蜂は白百合の花粉を足にまとひて去りし

草花に切なきいのちあふるるを盗みつづけし子の頃せまり来

赤さびしかなあみ塀により添ひて野生と化せる菜の花みつむ

つつしみて受けむと思ふ人生の岐点とならむその判決を

雨の灯にかがやきゆるる獄庭の樹々は鮮かな若葉となれり

更けてよりはげしさ増して降る雨にうたるるものを眺め安らふ

極刑と決まる身となりわがまきしパンをついばむすずめ写生す

稚な日の憶ひ求めて紙飛行機幾度も拾ひ飛ばす死刑囚

上告の棄却通知を受けし夜の水銀灯の獄庭の寂けく

極刑と刑が決まりて蟻の這ふあとを指にてたどりゐたりき

上告もまかりならずしてしみじみといのちあるものみな親しかり

極刑と決まりしひと日さびしくて旧師の古きシャツまとひたり

被害者に詫びて死刑を受くべしと思ふに空は青く生きたし

カリエスの孤児の少女のあみくれしレースの花器しき許可にならざり

許されぬレースの花器しき見るだけと許しを乞ひて描き写したり

いらかなきひとやにありて窓に恋ふ雨の濡れ泌む夕べの街を

フランスの詩人を想ひ灯に濡るる獄のさ庭の優しさ見つむ

更けてなほはげしき雨にぬかりゆく獄土ごくどに冴ゆる灯の美しき

独房もさかさに見ゆる児童画もめづらしかりき寝ころびてゐて

看守の眼しばしを盗みさびしさにころがりをれば視野がめづらし

許されぬ事をおそれつつさびしさに寝ころびてゐる獄のまひるを

ふるさとに遊びし子の頃憶ひつつ賜ひし貝をくちに当て吹く

友もまたわれに同じく生きたしと云ふをし聞けば哀しかりけり

わが体重五十二キロを指しゐたりさびしきことのふくまれてゐて

許されて働くしぐさを夢うちにありありとみてわれは生きたし

いたはりを求めて深夜の荒壁に触りぬつめたき拒絶と知りつつ

罪のなき憶ひに至りもろを眠れぬ夜更けの灯にかざしたり

良き事は少しのままに過ぎたれど憶へばかなしきわが少年期

ほめられしひとつのことのうれしかりいのちいとしむ夜のおもひに

ひると夜の顔のあるなり死刑囚悔いに慣らさるひとりの部屋に

看守にも友にも見せぬかなしめる顔うつし見る夜の流しに

師が妻にふたたび会ひ得て賜りし浴衣まとひて急ぎては行く

姉弟と書きつ書かれし人と会ひ語ることなき初対面の網窓まど

弁護士の夫人来たまひ語らふに親しみ浅くうつむきてをり

獄庭に小さきひよけ作られて話題の変るひとときたのし

さびしさの極みにありて死囚われ愛するものをしきりにも

さびしさのまま書きへし文なりきすてかねてわれ出してしまへり

顔濡らし拭かずにをればこそばゆくしづくのたれて乾きゆくなり

垂直に獄塀高き白昼まひるなり影なき土ゆ砂塵をあげて

白壁がしきりにさびし眠られず耐へがたき夜を救急車ゆく

朝あけのガラスの色をみつめつつ悔いよりるる寂しさに耐ふ

鳴き方の幼き蝉を獄に聴く初蝉なりとふみに書き付く

秋立つ日につくつくぼふしの鳴きつづく亡母ははのたまひし玩具おもちやかも知れぬ

夜の影はいつもの同じ位置にあり指もてつくる翳と遊べる

過ぎし日の涼しき夢の覚めて聞くふれあふひとやの鍵の鳴る音

明けやらぬ獄庭にはに濡れつつ葉の影に藍の朝顔ひとつ咲きたり

明けやらぬ獄窓まどに来たりて朝顔のひそかに咲くを見つめてゐたり

藍の花あけの花まじり十幾つ朝顔競ふ獄庭には静かなる

明けやらぬ獄窓まどに来たりて朝顔の少くなりし花をみつむる

掘りあげし土が匂ひてやさしかりしんしんと更くる月夜の獄窓まど

欲しきものれよと云へど良き人と微笑む所長を見つつ決まらず

過ぎし日に少し腹立つことありと告ぐるに牧師はをなぜくるる

老いたまふ牧師の指の熱かりき聖句示さるる指触れあひて

水道の蛇口つめたく心地よし虫の音ききつつほほに当つれば

虫あはれいのちのかぎり鳴くさまを人は涼しきものとして聴く

死刑囚のあがき虫の音にとけて憶ふやさしき人の優しかりしを

はてしなき悔いに耐へかね荒壁に触れつつ聴けりやさしき虫の音

虫の音に過ぎしをおもひ聴き入りつ荒き壁のめんさすりゐたりき

過ぎし日に四度よたび自殺を計りしをひとやに覚めて虫聴き憶ふ

やさしさのつきぬごとくに虫の鳴くひとやに冴えて独りかなしむ

虫の音のひそかになりて獄の夜の明けそむるらし風とほりゆく

いささかはさびしきことのれ来れど晴れし秋空獄窓まどにたのしむ

死刑囚の憶ひをかもす赤あきつちひさき蝶の飛ぶ空親し

昨日まで鳴きゐし蝉の鳴かず暮れみじかきいのち終へたるらしき

ひげそらんとはいりし室にほほづきのあからめるあり指に触れにき

姉弟を丸にかこみて親しめる優しき義姉あね手紙ふみが来たりき

夜具にさす月美しと書き来たる獄に見得ざる事とは知らず

かがまりていひ待つかげのさびしきに触ればいとしきいのちなりけり

このなれし手つきのかなし死囚われ鉄の飯皿まるく拭きつつ

鉛筆のぬくもり愛しいくばくの生命いのちと思ふ獄の夜更けに

許すと云ふ言葉望めずつぐなひの死刑を待つ身夜具重く寝る

死刑囚われある故につつしみのくらしすといふ老父ちちのふみ読む

老い父の生活たつきは楽にはならざれど窓ある家に移りしを知る

窓のある家に移りし老父ちちおもひよろこびゐつつ眠り得ざりき

老父ちちよりの手紙ふみは余白が多かりき要件のみの字を読みて更く

幼な日の憶ひに小さきドングリのひとつころがす獄の畳に

手にすくふ細き洩れ陽は金網の影をこまかに描きてありたり

移り来し明るき独房へや金網あみあれど冬陽さしゐてまるき日が見ゆ

うるはしき心極まるバプテスマ受くる席にゐてピアノ聴きつつ

かへりみるゆとりいとしみ憶ひつつ双掌もろての冬陽あたたかく受く

金網あみ洩れの冬陽に指のかげのばしちひさき幸のひとつをみたす

金網あみ洩れの細き日向に身をいれてたはむれのごと移りつつをり

死囚のみ二人ふたり出で来てボール投ぐ日向の位置を替りあひつつ

悲しみのはてにたどりしゆとりなり冬の獄灯ひとやび無心にみつむ

ふり返るいのち尊し除夜の鐘鳴りへて獄に顔を洗ひぬ
[#改ページ]
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昭和三十八年








 

 便稿
 稿
 
 
 
 稿
 
 
 
不一
六月七日記
島秋人

 

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
不一
六月十五日
島秋人

 

 西
 西
 西
 
不一
島秋人
十二月四日(去年のこの日洗礼を受けました)
中村覚


 

 
 
 
 
 
 
 便
 
 
十二月二十七日夜





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四月二十一日夜記
島秋人

 

 
 稿便
 
 
 
 
 
 
 
 
五月六日夜記
島秋人

 

  稿
 稿
 
 

 
五月十日夜記    島秋人

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  調
 
 
 
 
 
 
 
 
 
二月二十三日午後
秋人


 

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八月二十八日朝
千葉覚


 

  
 
  
 
 
 
 
 
 
 
不一
十月三十日朝
島秋人


 

  
十二月二十一日朝
千葉覚

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十二月二十一日
島 秋人
追伸
「まひる野」十二月号ありがとうございます。
恩受けし人に謝すべき事足らず悔い深めつつ詫ぶ死の迫る

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調
 
 
 
 
三月二十日朝
秋人


 

 20
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
さみどりの薄羽かげろふ獄壁かげにゐて涼しき風の透るさ夜更く
 
 
 
 
七月三十一日夜分
さとるより

 

 
 
 
 









 
九月五日
さとるより


 

 ※(ローマ数字1、1-13-21)※(ローマ数字3、1-13-23)
 
 
 
 
 
 稿稿稿
 
草々
十月二十五日午前
千葉覚

 

 
 
 稿
 稿
十月三十日朝
千葉覚

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椿

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 稿
 
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昭和四十二年十一月一日夜
秋人

 

 
 
 
 
 
 
十一月二日朝(註・処刑の日)


 

 
 
 
昭和四十二年十一月二日朝(註・処刑の日)
千葉覚




 
 
 
 
 稿
 
 稿
 
 
 
昭和四十年三月
島秋人




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昭和四十二年十一月一日夜(註・処刑前夜)
島秋人






   19744910151
   199911122514
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