︻北京=峯村健司︼北朝鮮の金正日︵キム・ジョンイル︶総書記の三男、正雲︵ジョンウン︶氏が極秘に訪中し、胡錦濤︵フー・チンタオ︶・中国国家主席と北京で会談した際、長男の正男︵ジョンナム︶氏が同席していたことがわかった。両国を頻繁に往復する金総書記に近い北朝鮮筋と、北京の北朝鮮関係者が明らかにした。
正男氏は胡主席と面識があり、紹介者として側近とともに列席。北朝鮮筋は﹁後継者は正雲氏であり、北朝鮮指導部が一致して支持していることを中国側に強調する狙いがあった﹂と指摘する。
正男氏は朝鮮労働党や軍のポストには就かず、中国の特別行政区マカオに住んでビジネスにかかわっており、中国共産党幹部とのパイプが太いとされる。正雲氏が訪中した6月10日前後、正男氏もマカオから空路で北京入りしたという。
正雲氏は6月13日、北京から広東省に向かい、さらに上海、遼寧省大連の経済開発区などを視察した後、17日までに帰国した。中国政府は同日時点で正雲氏の訪中を公表していない。