まつもとゆきひろ×小飼弾対談 生き残るエンジニアとは?差別化し、言葉にし、心配する

» 2008年03月13日 00時00分 公開
[荒井亜子,@IT]

 パソナテックは3月11日、同社が提供開始したITエンジニア向けサイト「てくらぼ」のオープニングイベント「Matz×Dan×Daiji エンジニア進化論」を実施した。イベントでは、Ruby開発者のまつもとゆきひろ氏と、ブロガーでプログラマの小飼弾氏のトークセッションが開催された。会場となった東京・秋葉原のUDXギャラリーは大勢のITエンジニアで埋め尽くされ、キャンセル待ちが出るほどの盛況だった。

まつもとゆきひろ氏(左)と小飼弾氏

 トークセッションは、ニューズ・ツー・ユー 取締役 平田大治氏が司会し、まつもと氏と小飼氏に質問を投げ掛けた。まつもと氏と小飼氏が質問に○か×かで答えた後、平田氏が詳しく話を聞くというスタイルだった。以下にトークセッションでの2人の発言をいくつかまとめた。

質問
小飼氏の回答
まつもと氏の回答
いまの自分があるターニングポイントをはっきりと覚えていますか 火事で家が丸焼けになったこと × よく覚えていないが、父親がポケットコンピュータを買ってきたり、『バベル17』を読んだなどの小さいことが積み重なってこうなったと思う
いま注目している言語がある 日本語。英語以外でコンピューサイエンスを学べる日本は世界でもレアな国。20年後、Rubyを学ぶ際に英語を学ばないとRubyを学べない時代がくるかもしれないという心配がある Ruby以外ではErlangなど。なぜErlangか。将来のマルチコアに対応するには、いまのスレッドモデルでは限界がある。Erlangのプロセスモデル/アクターモデルというのは、その答えになるかもしれない。RubyのようなプログラムにErlangの機能を組み込むことを考えている
エンジニアには英語が必須である 英語を知っている方が儲かるのは確か コンピュータサイエンスの情報を入手し、使うことができる
つまらないと思いながらプログラムをつくることがある 頭の中でコードを構成しているときは面白いが、それを転写する作業がつまらない。もっと速く動く手が欲しい。手にインターネットを直付けしたい × ない。弾氏とは違い、手で書きながら考えるタイプ
プログラマ35歳定年説は本当だと思う × 広義の意味でのプログラマでは、プログラムを書く人はすべてプログラマ。ところが日本はSEとかアーキテクトとか職種が分かれているみたいだが、根本的に物をつくっているということに関しては同じ × 日本の社会の圧力として35歳以上の人をプログラマとさせておかない風潮はあるが、社会的圧力に強く抵抗すれば可能
生まれ変わってもエンジニア/プログラマでいたい 輪廻を信じていない (質問の意図をくんで)輪廻は信じていないけど、プログラマでありたい
いまの子どもたちにエンジニア/プログラマという職業をおすすめできるか? 手を動かして何かする人は僕にとって全部エンジニア。「これをいじっていると楽しい」という物がきっとあるはず ほっといても物をつくり出す人、コンピュータを触っているという人は素養がある。素養があればぜひ。逆に素養がない人は不幸になるからやめた方がいい。素養があるかないかは自分で決めてください
これまでロールモデルとなるような人物はいたか ラリー・ウォール。ロールモデルではないが「自分はこれでいいんだ」という背中を押してくれた人 弾氏とは違う面でラリー・ウォール。プログラミング言語を解説する本なのに最初から最後まで冗談が書かれている。プレゼンテーションも面白い。彼のようにプレゼンテーションもできて面白いプログラマになりたい

エンジニアが進化するために


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