日本IBMは7月2日、社内外のデータをフィードに加工し、そのフィードを組み合わせて新しいWebアプリケーションを作成できるマッシュアップ製品﹁IBM Mashup Center V1.0﹂の出荷を開始したと発表した。IT部門に頼らずにエンドユーザー部門が簡単にWebアプリケーションを作成できるよう操作を簡単にしたのが特徴。日本IBMのソフトウェア事業 ロータス事業部長の澤田千尋氏は﹁場合によってはExcelよりも簡単だ﹂としている。
Mashup CenterはWebブラウザベースで利用できるツール。コーディング不要で、簡単にWebアプリケーションを作成できる。Mashup Centerは﹁IBM InfoSphere MashupHub V1.0﹂と﹁IBM Lotus Mashups V1.0﹂の2製品で構成する。
日本IBMのソフトウェア事業 ロータス事業部長の澤田千尋氏
IBMのマッシュアップ製品
Mashup Centerを利用するにはまず、情報システム部やITリテラシーの高いエンドユーザーが、MashupHubを使って社内外のデータをXML形式のフィードに加工し、マッシュアップ用の部品を作成する。データベースやレガシーなアプリケーション、グループウェア、LDAPから情報を取得できるアダプタが用意されていて、パイプをつなげることでREST対応の新たなフィードを作成できるようになっている。作成したフィードは部品として﹁カタログ﹂に登録する。
エンドユーザーはMashupsを使ってカタログからフィードを読み込んで、ドラッグ&ドロップでWebアプリケーションを開発する。Googleガジェットなど外部のサービスを組み込むことも可能。IBMは組織図や評価、スキルなどのフィードを組み合わせて﹁プロジェクトメンバー策定アプリケーション﹂を開発する模様をデモンストレーションした。
「IBM Lotus Mashups V1.0」の利用画面
澤田氏は﹁ユーザーが少なくニッチだが、特定のユーザーには価値が高いロングテール型のアプリケーションが今後は増えるだろう﹂と話し、﹁マッシュアップは第2のエンドユーザーコンピューティングになる﹂と強調した。IBMはマッシュアップの開発、実行基盤製品﹁WebSphere sMash V1.0﹂の日本語対応版も6月12日に発表していて、マッシュアップ製品の拡充に努めている。
Mashup Centerは629万2000円︵税別、100VU﹇Value Unit‥機種別サーバ単位課金﹈の場合︶から。または、20ユーザーで37万1800円から。Mashupsを単体で購入する場合は100VUで317万5000円から、または20ユーザーで18万7400円。MashupHubの単体購入は100VUで311万8000円から、または20ユーザーで18万4500円から。
日本IBMは同日、ポータル構築ソフトウェアの新版﹁IBM WebSphere Portal 6.1﹂の日本語版も出荷開始した。Ajaxをサポートするなどユーザー・インターフェイスを改良した。価格は100VUで757万9000円から。
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