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オラクル、「Oracle Upgrade Seminar」を実施
データベースのアップグレードはなぜ必要なのか?
2011/05/19
日本オラクルは5月12日、Oracle Databaseをアップグレードするメリット/デメリットなどを紹介するイベント「Oracle Upgrade Seminar」を実施。基調講演では、ITR代表の内山悟志氏が「ビジネス貢献待ったなし、情報システム部門が今すぐやるべきこと」と題して講演したほか、特別講演では来場者からの質問に答えるQ&Aセッションが開催された。
IT部門の震災における影響などを分析
基調講演での議題として、内山氏は「IT部門が取り組むべき重要課題とは何か」や「震災の影響」「IT部門にはどのような変革が求められるのか」などを挙げ、それぞれのトレンドを解説した。
ITR代表の内山悟志氏
IT部門が取り組むべき課題としては、2011年の重要なIT戦略テーマについての同社の調査結果を例示。1位は﹁売上増大への直接的な貢献﹂、2位﹁業務コストの削減﹂、3位﹁ITコストの削減﹂、4位﹁既存システムの統合性強化﹂だった。これを踏まえて、内山氏は2011年の重要IT戦略テーマに、﹁ITによるビジネスイノベーション﹂﹁データ重視の企業風土の構築﹂﹁ビジネスプロセス改革へのITの適用﹂﹁要求定義革新による超上流工程の強化﹂﹁仮想化に対応したIT運用管理体制の構築﹂﹁クラウド価値の検証﹂﹁グローバル人材とビジネスアナリストの育成﹂などを挙げた。
そのほか、震災に関連して3月11日以降にITRに寄せられた質問には、﹁セカンダリデータセンターの立地場所について﹂や﹁データセンターの選定に関する震災後のユーザーの動向について﹂﹁電源対策に関する事例について﹂﹁災害対策マニュアルやBCPの見直しについて﹂﹁Google AppsなどSaaS型電子メールの災害時における有用性について﹂﹁在宅勤務者のリモートアクセスにおけるセキュリティ上の課題﹂などが寄せられたという。
そして、これらを実現するために、IT部門の人材には﹁ビジネス指向﹂﹁グローバル指向﹂﹁アーキテクチャ指向﹂﹁マネジメント指向﹂﹁分析指向﹂﹁技術指向﹂の6つのスキルが要求され、それぞれの企業として指向するスキルの度合いに合わせて、人材を育成する必要があるとした。
これらを踏まえて、内山氏は﹁﹃ビジネスへの直接的な貢献﹄の重要性は現在も変わらない﹂﹁非常時や事業継続のためにITが活用できる場面が多く存在するが、その多くは平常時のワークスタイルやビジネスプロセスを高度化するものであり、ビジネス変革の取り組みと合致する﹂﹁IT部門は、ビジネスイノベーションの創出に能動的に関わっていかなければならない。そのためには、国際感覚やリーダーシップを備えたコア人材を育成していくことが求められる﹂と結論付けた。
アップグレードのための稟議書作成のポイントは?
続いて特別講演はQ&Aセッションとして、当日来場者から寄せられた数多くの質問に、日本オラクル テクノロジー製品事業統括本部 データベースビジネス推進本部 プラットフォームビジネス推進部 担当シニアマネジャー 内野航太氏、日本オラクル コンサルティングサービス統括 テクノロジーソリューションコンサルティング統括本部 データベースソリューションコンサルティング本部 データベースソリューション第2部 マネージングプリンシパルコンサルタント 内村友亮氏、内山氏の3名が答えた。 1問目は、﹁Oracleをアップグレードしないリスクをどう評価すればよいのか?﹂というもの。これに対して内村氏は、﹁アップグレードしないと、﹃パフォーマンス﹄と﹃アプリケーションの正常動作﹄を維持するためのコストが掛かる。このコストをリスクとして評価するべきではないか﹂と回答した。 続いての質問は、﹁独自カスタマイズが存在する場合でもツールは有効なのか?﹂。これに対して内野氏は、﹁独自カスタマイズとは、パラメータチューニングを指すのだと思うが、そもそも過去のパラメータチューニングは捨てるべき。最新バージョンには、最新バージョン向けのチューニングがあるので、過去のチューニングを引きずるとかえってパフォーマンスが悪化する可能性が高い﹂と答えた。 また、内山氏の講演に対しては﹁技術の目利きができる人材を育成するべき、としていたが、実際にこのような人材を育成するにはどうすればよいか?﹂という質問が挙がった。これに対して同氏は、﹁1つは外部アナリストに意見を求めて、育成計画を立てるのが有効だ。2つ目は、人材育成において、若いうちにベンダ側の開発チームに入れてしまう方法だ。これによって、ベンダが実際どのように開発しているのかを、自らの体験をもって理解でき、その後の育成に大いに役立つ﹂とアドバイスした。 続いては、﹁9i、10gから11gへのアップグレードにおける典型的な注意点は?﹂という質問に対して、内野氏は﹁Oracle 7や8のころは、エクスポート/インポートが有効な手段だった。しかし、現在はデータ容量がテラバイトレベルになっているので、この方法は時間がかかり過ぎて現実的ではなくなってきている。現在では、OSが変わらないケースではアップグレードスクリプトを利用した方法を、UNIX→LinuxなどのOSが変わる場合にはGoldenGateの利用を推奨している﹂と答えた。 最後の質問は﹁アップグレードのROIが分かりにくい。稟議書作成のポイントを教えてほしい﹂というものだった。これに対しては内村氏は、﹁ここ1〜2カ月で増えているのは、“信頼性の向上”を理由にアップグレードするケースだ。これは、信頼性を向上させるために、あえてアップグレードを選択するケースだ。ほかには、ITの長期計画を5〜7年に広げて考えてみる際に、﹃塩漬け﹄﹃更新だけ﹄﹃アプリケーションの改修含む﹄の3つのパターンでTCOの試算をしてみるとなおよいだろう﹂とアドバイスした。関連リンク
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