Appleが新たに発表した定額ゲームプレイサービス“Apple Arcade”。その発表が、あまりにすごかったので、今回は記事でそれを説明したい。
そもそも﹁あのサービスは本気なのか?﹂と考える方もいるだろう。それに関しては﹁間違いなく本気だろう﹂と言っておく。
一説によれば、ソニーはPS Plusの会員サービスだけで4,340億円を2018年で売り上げたという。
mobile indexによれば、﹃Fate/Grandorder﹄の2018年の売上が1,050億円。
最も稼ぐソーシャルゲーム以上の売上を期待できる分野がゲームの月額サービス。だからこそ、GoogleもMicrosoftも必死になってそこに向かっているわけだ。
Appleだってそこに向かっていくし、その本気度はゲームのラインナップから完全に伝わってきた。
さてApple Arcadeは本来は有料で、課金なしのゲームを、定額で好きに楽しめるサービスである。
スマホの有料ゲームで有名なゲームと言えば……そう﹃Monumen Valley﹄だ。
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▲世界で一番売れた有料ゲームだと思う。
アップルは、その開発会社であるustwoを抱き込んだ。ustwoの新作﹃Repair﹄は、Apple Arcade独占だから、サービスに加入しないと遊べない。![D2hrBXvX4AEqORe](https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/i/iPhonegamer/20230702/20230702065800.jpg)
完璧な独占だが、1つ困った問題がある。ゲーム業界は人材の流動が激しい。 ﹃Monument Valley﹄のリード・デザイナーを務めたケン・ウォングさんは、すでにustwoから独立してしまっている。 しかも彼が独立後にリリースした﹃Florence﹄は、GDCなどで“2018年最優秀スマホゲーム”として表彰され、2018年No1ゲームともいえる。![flo06](https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/i/iPhonegamer/20230701/20230701164912.jpg)
こんなとき、本気の会社がやることは1つ。 両方をApple Arcadeに引っ張っぱればいい。アップルはケン・ウォングさんを支援し、独占の新作を開発させている。 スマホ有料ゲームNo1の開発会社と、2018年のNo1ゲーム制作者、どちらもApple Arcadeがそろえた。
しかし、アップルの本気はこれで終わらない。 これまでゲーム機やPCで発売してからスマホにやってくるゲームが多かったが、Apple Arcadeには未発売の新作もずらりと並んだ。 ディストピアな機械都市を冒険する﹃Beyond a Steel Sky﹄。ここまでくればPS3並。![aa-5](https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/i/iPhonegamer/20230702/20230702075607.jpg)
﹃風ノ旅ビト﹄にアートで参加し、﹃ABUZ﹄を開発したMATT NAVAさん最新作﹃THE PATHLESS﹄。
スマホのゼルダこと、﹃オーシャンホーン2﹄。これらの新作は、見るだけで心が躍る。![aa-1](https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/i/iPhonegamer/20230702/20230702041745.jpg)
続いて、アップルはかつてのエースたちを呼び戻して見せた。 ﹃Canabalt﹄でヒットを飛ばした︵ランゲームの始祖だ!︶BEKAH SALTSMANの新作ロードトリップゲーム﹃Overland﹄。 これはゲーム機・PC向けのゲームだったはずが、これをApple Arcadeにも持ってきた。![2019-03-26_05h28_38](https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/i/iPhonegamer/20230702/20230702015316.png)
アップルの方針と合わずに﹁次回はゲーム機にする﹂と離脱を宣言したSimogoの新作、﹃SAYONARA WILD HEARTS﹄の映像が流れたときは、死ぬほど驚いた。 Apple Arcadeにこれが出るなら、Simogoは何かの交渉を受けたのだろう。 もはや、﹁ゲームに消極的﹂と言われたジョブズ時代のアップルはない。
独占の新作ゲームに関しても、一線級のインディー開発者による作品が次々発表され、強烈なインパクトがあった。 ﹃Where Cards Fall﹄は、芸術性が評価される﹃Alto's Adventure﹄のSnowmanがアートを監修し、人気パズル﹃Where is my Water?﹄のディレクターの所属会社で制作する夢のプロジェクトである。
PCとiOS向けの作品だったが、PCの文字が消えてMacに。 Apple Arcadeの独占ゲームとなっていた。アップルは囲い込みに動いていたのだ。![2019-03-26_08h11_24](https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/i/iPhonegamer/20230701/20230701211422.png)
溶岩の床に触れないように進むアクロバティックアクション﹃Hot Lava﹄。 これは、あの﹃Don't Starve﹄のKlei Entertainment開発。![2019-03-26_05h11_29](https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/i/iPhonegamer/20230702/20230702030434.png)
﹃GNOG﹄のKO_OP Mode最新作﹃Winding Worlds﹄。![01](https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/i/iPhonegamer/20230702/20230702065816.jpg)
過去からアップル独占ゲームを作ってきた開発会社もきっちりわきを固める。 粒子パズル﹃FROST﹄の作者の新作、﹃Lifelike﹄の美しさはため息が出るし……。
— Denis Mikan (@KunabiB) 2019年3月25日
iOS向けARゲームを作りまくっていたDirective Gamesの﹃Enter The Construct﹄は世界観で他を圧倒していた。
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また、看板作品への投資にも余念がない。 アップルはNetflixがオリジナル番組を作るように、独自にゲームを用意したようだ。 ﹃テラバトル﹄生みの親の坂口さんによるジオラマを背景とした﹃FANTASIAN﹄、﹃Sim City﹄のウィル・ライトさんの新作など、数十人の開発者が新作を開発中だという。 プラットフォーム競争により、本来ありえなかった大作などが開発される……これぞ競争によるゲーマーへの恩恵だ。![2019-03-26_05h29_17](https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/i/iPhonegamer/20230702/20230702034631.png)
興奮するまま書いたので長くなってしまったが、ここらでApple Arcadeに来るゲームをまとめてみようか。
・ゲーム機などで出る話題の新作が古くなる前にやってくる ・かつてヒットを飛ばしたが、スマホを去った開発者の作品もやってくる ・一線級のインディー開発者に加え、近年で最も評価の高いスマホゲームの開発元を2つ独占 ・坂口さん、ウィル・ライトさんなど、伝説級クリエイターを支援して新作を用意している
アップルは今回、これらが発表できるほどの準備をしたわけだ。 有料ゲームに関して、これ以上のラインナップを用意するのは難しいだろう。 今から秋のサービス開始が楽しみでしかない。
関連リンク‥ Apple Arcade - Apple︵日本︶
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▲世界で一番売れた有料ゲームだと思う。
アップルは、その開発会社であるustwoを抱き込んだ。ustwoの新作﹃Repair﹄は、Apple Arcade独占だから、サービスに加入しないと遊べない。
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完璧な独占だが、1つ困った問題がある。ゲーム業界は人材の流動が激しい。 ﹃Monument Valley﹄のリード・デザイナーを務めたケン・ウォングさんは、すでにustwoから独立してしまっている。 しかも彼が独立後にリリースした﹃Florence﹄は、GDCなどで“2018年最優秀スマホゲーム”として表彰され、2018年No1ゲームともいえる。
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こんなとき、本気の会社がやることは1つ。 両方をApple Arcadeに引っ張っぱればいい。アップルはケン・ウォングさんを支援し、独占の新作を開発させている。 スマホ有料ゲームNo1の開発会社と、2018年のNo1ゲーム制作者、どちらもApple Arcadeがそろえた。
しかし、アップルの本気はこれで終わらない。 これまでゲーム機やPCで発売してからスマホにやってくるゲームが多かったが、Apple Arcadeには未発売の新作もずらりと並んだ。 ディストピアな機械都市を冒険する﹃Beyond a Steel Sky﹄。ここまでくればPS3並。
![aa-5](https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/i/iPhonegamer/20230702/20230702075607.jpg)
﹃風ノ旅ビト﹄にアートで参加し、﹃ABUZ﹄を開発したMATT NAVAさん最新作﹃THE PATHLESS﹄。
スマホのゼルダこと、﹃オーシャンホーン2﹄。これらの新作は、見るだけで心が躍る。
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続いて、アップルはかつてのエースたちを呼び戻して見せた。 ﹃Canabalt﹄でヒットを飛ばした︵ランゲームの始祖だ!︶BEKAH SALTSMANの新作ロードトリップゲーム﹃Overland﹄。 これはゲーム機・PC向けのゲームだったはずが、これをApple Arcadeにも持ってきた。
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アップルの方針と合わずに﹁次回はゲーム機にする﹂と離脱を宣言したSimogoの新作、﹃SAYONARA WILD HEARTS﹄の映像が流れたときは、死ぬほど驚いた。 Apple Arcadeにこれが出るなら、Simogoは何かの交渉を受けたのだろう。 もはや、﹁ゲームに消極的﹂と言われたジョブズ時代のアップルはない。
独占の新作ゲームに関しても、一線級のインディー開発者による作品が次々発表され、強烈なインパクトがあった。 ﹃Where Cards Fall﹄は、芸術性が評価される﹃Alto's Adventure﹄のSnowmanがアートを監修し、人気パズル﹃Where is my Water?﹄のディレクターの所属会社で制作する夢のプロジェクトである。
PCとiOS向けの作品だったが、PCの文字が消えてMacに。 Apple Arcadeの独占ゲームとなっていた。アップルは囲い込みに動いていたのだ。
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溶岩の床に触れないように進むアクロバティックアクション﹃Hot Lava﹄。 これは、あの﹃Don't Starve﹄のKlei Entertainment開発。
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﹃GNOG﹄のKO_OP Mode最新作﹃Winding Worlds﹄。
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過去からアップル独占ゲームを作ってきた開発会社もきっちりわきを固める。 粒子パズル﹃FROST﹄の作者の新作、﹃Lifelike﹄の美しさはため息が出るし……。
🎉 Exciting news: our new game, Lifelike, will be available exclusively on Apple Arcade later this year! #AppleEvent @AppStore @AppStoreGames pic.twitter.com/xN9nmRJT3z
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また、看板作品への投資にも余念がない。 アップルはNetflixがオリジナル番組を作るように、独自にゲームを用意したようだ。 ﹃テラバトル﹄生みの親の坂口さんによるジオラマを背景とした﹃FANTASIAN﹄、﹃Sim City﹄のウィル・ライトさんの新作など、数十人の開発者が新作を開発中だという。 プラットフォーム競争により、本来ありえなかった大作などが開発される……これぞ競争によるゲーマーへの恩恵だ。
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興奮するまま書いたので長くなってしまったが、ここらでApple Arcadeに来るゲームをまとめてみようか。
・ゲーム機などで出る話題の新作が古くなる前にやってくる ・かつてヒットを飛ばしたが、スマホを去った開発者の作品もやってくる ・一線級のインディー開発者に加え、近年で最も評価の高いスマホゲームの開発元を2つ独占 ・坂口さん、ウィル・ライトさんなど、伝説級クリエイターを支援して新作を用意している
アップルは今回、これらが発表できるほどの準備をしたわけだ。 有料ゲームに関して、これ以上のラインナップを用意するのは難しいだろう。 今から秋のサービス開始が楽しみでしかない。
関連リンク‥ Apple Arcade - Apple︵日本︶