... ゾッキ本﹂﹄を貫いているモチーフといえる。そして、ある意味において昭和初期からの近代古書業界の成長も、﹁ゾッキ本﹂の流通販売と近世、近代の﹁自費出版﹂の発見とリバリューによってなされたのである。﹁自費出版﹂は説明するまでもないだろうが ...
... ゾッキ本となって古書市場に流れてしまった。﹃三富朽葉全集﹄も例外ではなかった。しかしゾッキ本はいつでも買えると考え、先に古本屋で見つけた第一書房版を購入したのである。定価は五千円で、ゾッキ本の全集値段もほとんど変わらないものだったように ...
... ゾッキ本である。しかし、整理されたゾッキ本の列の中から、女優は子供の頃に愛読した﹃少女探偵ナンシルー﹄(子供用に元警官は買っておいた)というシリーズを探し出し、郷愁を覚える。ほしいなら、やるよ﹂﹁でも、いけないわ﹂安い古本をめぐる会話が恋 ...
... [ゾッキ本]古本でないのに、古本屋で五十円、百円で売っている本がゾッキ本である。この中には、本来は売れ残って断裁されるべきものが、闇ルートに流れた物がある。買い物にいこと ん古本先月だした申しわけございません.
... ゾッキ本を売ってるんです。うちの返本もゾッキに出ていて、﹃ライオンブックス﹄もあったんだ。そいつが、またたくまに売れちまった﹂どうせ、そうでしょう、ゾッキ本で売れりゃ結構でさ、とぼくは内心フテクサレた。だが、このシリーズは、七、八年 ...
... ゾッキ本の陳列箱を冷やかすようになった。そして事実、その手の箱から缶しゅうせい文学(文学史的により正確にいえば﹁社会主義文学﹂)に属する小説作品となる。つまり、戦後かろうじて回想の対象になっている秀湖最初期の著作だった。また、この点 ...
... ゾッキ本をしたりすると、新刊が一度に安く出ることがある。そういうのをゾッキ本という。ゾックリ売るので、こういう名がついたという。ゾッキ本の専門店は、かなり古くからあった。しかし、戦後、一時は好況だった出版界が、たちまち不況にみまわれ ...
... ゾッキ本となるほかなく、本の背中に赤インクでゾッキ本の印をつけるのも子どもたちの仕事だった。﹃漫画少年﹄創刊号(二十円)は、宣伝不足からか、二万部刷った雑誌はまったく売れずに多くが返品で戻ってきて、加藤家は寝るところがないほどになって ...
... ゾッキ本というのは、投売りの本と一緒にゾッキ屋が販売に当っていた。出だろう。作者に変名を使わして安い原稿料で書かした興味本位の読物を印刷しあはくおうは零細な口銭で稼いで行く。ゾッキ本とはどういう漢字を宛てるのか正確には版界が不況であり ...