﹁戦後派﹂作家の隆盛のあと、昭和三十年代から、颯爽と文壇ジャーナリズムを席捲したのが﹁第三の新人﹂。その代表である安岡章太郎、阿川弘之、庄野潤三、遠藤周作の四人 ...
近代文学でもっとも人気も実力もある「第三の新人」。その魅力的短篇選。
折々の作品の回想を交えて文学的放浪を綴る
... 第三の新人﹂の活躍がめだつようになっていた。山本健吉が﹁文學界﹂昭和二十八(一九五三)年一月号に﹁第三の新人﹂のタイトルで書いた論文から、安岡章太郎、吉行淳之介、遠藤周作、阿川弘之、庄野潤三、小島信夫らがこう呼ばれるようになった。その前年 ...
... 第三の新人﹂という言葉を耳にしなくなって久しいが、﹁戦後派﹂につづいてあらわれた若手作家である安岡章郎、小島信夫、小沼丹、曽野綾子、三浦朱門、遠藤周作などがその名で呼ばれたのだった。この呼称は、山本健吉氏の評論﹁第三の新人﹂(昭和二十八 ...
... 第三の新人﹂というのは、戦後に生まれ、戦争と政治、文学を正面から見すこれに対して、安部公房と石原慎太郎、大江、開高という戦後のスタの間にはさまれて登場した﹁第三の新人﹂たちにと学賞を平成六年に受けた。大江もまた戦後⺠主主義世代の代表選手 ...
... <第三の新人﹀を正統に位置づけようとする意図が明らかである。<第三の新人﹀論を進めていこうとすれば、朝鮮戦争後のいわゆる<相対的安定期﹀および、六〇年以後の高度成長期﹀をどうとらえるかという問題にかかわらざるを得ないし、そこで、︿戦後﹀の ...
ある日『僕』はサアカスのテントにつながれている馬に眼をとめた―。主人公の心の動きを鮮やかに感じさせる安岡章太郎の「サアカスの馬」。少年期の長い病気による、肉体的 ...
... 第三の新人﹂と呼ばれるグループに属する。ここに小島信夫、遠藤周作、近藤啓太郎、島尾敏雄、阿川弘之、三浦朱門、小沼丹などを加えて、一九五○年代、いっせいに文壇に登場してきた若い作家たち、であった。そのうち安岡、吉行、庄野、小島、遠藤、近藤 ...
... 第三の新人の作品はずつと評判が悪いのだからと、飛ばし読みして一行で片付けたな、と私には思はれるやうな批評もあった。児童文学者の兄英二氏が佐藤春夫氏の門下だった縁で、佐藤氏を訪ねたことのある庄野さんが、安岡、吉行両氏を連れ佐藤氏を訪ねて行 ...