「ぼくたちはいいまんがも、悪いまんがも、ちゃんと自分でえらべます(ω)」――昨年12月に改正案が成立した東京都の青少年育成条例について、子どもの目線で書かれたこんな意見が、ネットで注目を浴びた。「はるかぜちゃん」こと、横浜市に住む小学4年生の春名風花(はるな・ふうか)さん(9)が、Twitterに書いたつぶやきだ。
はるかぜちゃんのTwitterより
はるかぜちゃんは長文で意見を披露。﹁きれいなものや、笑えるものだけみせて育てた子供が人にやさしい大人になるとは、ぼくは思いません(ω︶(ω︶﹂など、子ども離れした鋭い洞察と文章力が話題になり、﹁大人のなりすましでは﹂ともうわさされた。
だが書いていたのは、はるかぜちゃん本人。大人が書いたと疑われたと知った時には、﹁そーじゃなーい! と、家でぐるぐるまわって怒りました﹂。大きな目で、相手の目をじっと見て話す。身長127センチと小柄できゃしゃ。声は高く、かわいらしい。
特撮番組﹁満福少女ドラゴネット﹂︵tvk︶や子ども向け番組﹁ピラメキーノ﹂︵テレビ東京︶、映画﹁カムイ外伝﹂などに出演している。漫画やアニメ、しょこたん︵中川翔子さん︶が好きで、子役の仕事も大好き。﹁ひぐらしのなく頃に﹂の実写版に出演することが夢だ。
0歳からモデルとして働き、3歳から自分のケータイを持ち、ブログを書いてきた。9歳にして芸歴9年、ブログ歴6年。大人に伝わる文章力を、漫画とブログと芝居で磨いている。
以前の所属事務所のブログは削除されており、内容は本にして残してある。4歳のころにのブログ記事︵写真︶には、﹁ローゼンメイデン﹂をテーマに、﹁わたしはずうっときたじままやみたいにじょゆうさんになりたかったけど、さいきんはふらんすにんぎょうになりたいです﹂などと書かれている
ネットデビューは0歳のころ。母の郁世さんが書いていた育児ブログ︵現在は削除︶に実名で“出演”し、雑誌などのスチールモデルの仕事も受けていた。﹁親バカだったので、赤ちゃんの写真があちこちに載るのがうれしくて﹂。郁世さんは振り返る。
3歳のころ、携帯電話を買い与えた。﹁赤ちゃんのころからケータイが好きで、自分のを壊されたくなかった﹂︵郁世さん︶というのが理由。操作法は教えていないが、ある日、託児所から父親あてにメールを送信してきたという。本人は当時のことを忘れていて、操作法をどう習得したのかは分からないままだ。
初めてブログを書いたのも3歳のころ。﹁テレビに出るようになって、育児ブログに子どもへの話しかけが増えた。母がしゃしゃり出て勝手に返事するのも変なので、やれるならやってみなさいと﹂︵郁世さん︶と、ケータイから書かせ始めた。
当時の所属事務所のブログ(現在は削除)も、3歳のころから自分で更新。仕事のことや飼っている猫のこと、好きだったアニメ「ローゼンメイデン」のことなどをひらがなだらけの文章でつづり、母に撮ってもらった写真とともに更新していた。
所属事務所が変わった今も、携帯電話からブログを書き続けている。毎日のちょっとした事件をリポートしたり、仕事や夢を語ったり。更新頻度は事務所イチだ。
芸能事務所は、子役によるネット発信を禁止しているところがほとんどという。撮影情報など秘密の漏えいを防ぐためだ。だがはるかぜちゃんの所属事務所・スマイルモンキーは珍しく、公式サイトでタレントにブログを書かせている。「優しい事務所。自分の思うことを書き込める場所があることがうれしいです」(はるかぜちゃん)
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.