コラム

燃え広がった反日デモと「愛国」の正体

2012年10月03日(水)09時00分

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 80年代から90年代にかけて、中日両国間には日本は技術や資金で、そして中国は市場で強く良好な関係を維持しようという共通意識があった。しかし今やそれは変わった。中日間の戦略的な需要は大きく減り、中国にとって世界的に見た戦略的パートナーとして日本は不足だ。また東アジアにおいて歴史的な問題の制約を受ける日本は、しっかりとした足場を持った戦略的協力者にはなり得ない。両国は戦略面では競争関係にもある。このため中日関係は友好レベルにとどまり続け、戦略的協力レベルへと昇華できなかった。


 

 



 

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 中国政府は中国の大衆よりも現実的で、そして多様な目的を持っている。民選による政府ではないために大衆をコントロールする力が強く、大衆から受ける影響も制御でき、日本政府に比べれば必要に応じて非公式な話し合いに応じることが容易だ。だが、日本が公開の場において中国のメンツを不利にする行動を取るなら(そして大衆を怒らせれ)ば、中国政府の選択の範囲は狭まる。逆に中国はそのような民衆の力を利用して日本に制約を加えることができるのだ。一方、日本は相対的に透明な民選による政府だ。一挙一動を野党に観察され、問われ続け、批判を受ける。民意と選挙が政治に大きな影響を与えており、非常に予測性の高い行動を取る。

「必要に応じて非公式な話し合いに応じることが容易」な中国に向けて何をすべきか、日本政府はそこを考えるべきだ。庶民には事件の後始末はできない。大使館、外務省もひっくるめた日本政府が知恵を振り絞るしかない。

プロフィール

ふるまい よしこ

フリーランスライター。北九州大学(現北九州市立大学)外国語学部中国学科卒。1987年から香港中文大学で広東語を学んだ後、雑誌編集者を経てライターに。現在は北京を中心に、主に文化、芸術、庶民生活、日常のニュース、インターネット事情などから、日本メディアが伝えない中国社会事情をリポート、解説している。著書に『香港玉手箱』(石風社)、『中国新声代』(集広舎)。
個人サイト:http://wanzee.seesaa.net
ツイッター:@furumai_yoshiko

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