米国務長官「ウクライナ停戦順守を」 ロシア外相に
G20開幕
︻ボン=古川英治︼米国のティラーソン国務長官とロシアのラブロフ外相は16日、ドイツ西部ボンで会談した。トランプ政権発足後、米ロ間の初めての閣僚の接触となる。ティラーソン氏は2国間関係を改善する用意を表明したうえで、ウクライナ東部の停戦合意を順守するようロシア側に求めた。テロとの戦いで協力を探ることでは一致した。
ボンで16日に開幕した20カ国・地域︵G20︶外相会合に先だって会談した。米メディアによると、ティラーソン氏は会談後、ロシアが軍事介入するウクライナの問題を取り上げたことを明かし、﹁ロシアと立場が異なる分野では米国と同盟国の利益と価値観を守る﹂と強調した。トランプ政権とロシアの関係を巡る疑惑がくすぶっていることを意識したとみられる。
ラブロフ氏は会談後、記者団に﹁我々はシリアなどでのテロとの戦いを含む共通の利益を確認した﹂と述べた。﹁国益が一致する分野で前進しなければならない﹂と関係改善に期待を示した。ウクライナ問題を巡り米国が発動した対ロ制裁は議論しなかったとしている。
経済・金融を議論するG20で外相会合を開くのは5年ぶり。議長国ドイツが主導し貧困や紛争への対応などを話し合う。