北の炭鉱、輝き取り戻す
写真は語る
北海道の釧路沖。海底下約220メートルの地中に迷路のように広がる薄暗い坑道で、巨大な電動ドラムカッターがうなりを上げる。
釧路コールマイン(KCM)の採炭現場。国内唯一の坑内堀り炭鉱だ。黒い炭層を削り取り、ベルトコンベヤーで地上へと運び出す。約300人の炭鉱マンが3交代制で、年間約55万トンの石炭を"ヤマ"から掘り出し、主に電力会社に供給する。
最盛期には全国に1000ほどあった炭鉱は、安い海外炭に押され、90年代までにほとんどが閉山した。現在操業しているのは北海道の8事業者だけ。KCMは02年に閉山した炭鉱を引き継いだ。採炭だけでは先行きが危ういため、中国やベトナムからの研修生受け入れ事業も経営の柱にしている。日本の保安技術を学んだ中国では、10年前に年間約6000人に上った事故による犠牲者が、3分の1に減ったという。「研修事業は生きたヤマがあればこそ」と菅原繁樹KCM管理部長。
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