三井金属、ベア2万円実施へ 労組要求上回り過去最大
三井金属は14日、管理職を除く正社員を対象に月2万円のべースアップ︵ベア︶を4月に実施すると発表した。労働組合の要求額︵1万5000円︶を上回り、制度昇給を含めた賃上げ率は対象者平均で7.7%に相当する。ベアは3年連続で、2万円は記録が残る直近30年間で過去最大。従業員のやる気向上や優秀な人材獲得につなげる。
三井金属の労働組合は9日、2024年春季労使交渉の要求を会社側に伝えていた。管理職は今回とは別にベアを実施する。初任給も引き上げ、大学学部卒では2万円増額の25万4000円となる。
賃上げは賃金水準を一律に引き上げるベースアップと、勤続年数が上がるごとに増える定期昇給からなる。2014年春季労使交渉(春闘)から政府が産業界に対し賃上げを求める「官製春闘」が始まった。産業界では正社員間でも賃金要求に差をつける「脱一律」の動きが広がる。年功序列モデルが崩れ、生産性向上のために成果や役割に応じて賃金に差をつける流れが強まり、一律での賃上げ要求の意義は薄れている。
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