【北京=藤本欣也】東アジアを歴訪中の米国のティラーソン国務長官は18日、就任後初めて中国を訪問し北京で王毅外相と会談した。ティラーソン氏は会談後の共同記者会見で、双方が「朝鮮半島情勢の緊張が極めて高く、かなり危険なレベルに達している」との認識を共有し、北朝鮮の核・ミサイル問題を打開するため米中両国が「できることは全て行うと確約した」ことを明らかにした。
両国は4月中の習近平・中国国家主席の訪米と米中首脳会談を調整しているが、王氏はこの日の外相会談でも「近く首脳会談を行うことについて深く協議した」と述べた。
中国外務省の発表などによると、王氏は、台湾や尖閣諸島︵沖縄県石垣市︶、南シナ海問題に関する中国の原則的立場を主張。米軍の最新鋭迎撃システム﹁高高度防衛ミサイル︵THAAD︶﹂の韓国配備について改めて反対を表明した。
北朝鮮の問題では、米中が北朝鮮の核政策を転換させるため連携していくことで一致したものの、王氏は﹁平和的に解決するには外交的手段が必要だ﹂と指摘。軍事行動を含む強硬策も辞さない構えのトランプ米政権を牽制︵けんせい︶した。