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ネクロマンティック 独 1987年 72分 |
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この原稿を書くために、久しぶりに正続2本を立て続けに観たのだが、いやあ、しんどい、しんどい。グロテスクにはだいぶ免疫が出来ている私も、さすがに気持ち悪くなりました︵ピザを喰いながら観たのが悪いのだが︶。
屍体マニアのロバートは、自動車事故の屍体処理を専門に請け負う清掃会社に勤務している。そして、ドサクサに紛れて屍体を着服。居所には同じ趣味のベティがおり、腐敗してベトついた屍体と共に3Pを楽しむ毎日。
ところが、職場でのいざこざでロバートはクビ。新たな屍体が手に入らないと知るや、ベティは出て行く。屍体まで持ち逃げされてポッカリと穴の開いたロバート、焼けクソで殺人まで犯し、世をはかなんで切腹自殺。チンポコをビンビンに勃起させ、あまりの快楽に射精しながらの切腹シーン︵左写真︶は、こういうものに慣れている筈の私にとってもかなりショッキングだった︵最初は白い精液が次第に赤く染まるあたりは芸が細かい︶。
ネクロフィリアをかくも豪速球で描いた作品はいまだかつて存在しない。若き映像作家ユルグ・ブットゲライトはたちまちのうちに名前を売るが、それはむしろ変態、鬼畜、犯罪者としての名前であり、映画は上映禁止になったばかりか、ネガはもちろん、本作に関わるすべての素材の廃棄処分という裁判所命令を喰らったのであった︵かなり厳しい処分だが、ナチズムの経験のあるドイツでは、表現の自由への規制が先進国の中で最も厳しいのだ︶。
それでもめげずに、矢継ぎ早に製作されたのが﹃ネクロマンティック2﹄である。
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前作で自殺したロジャーの墓を暴く女がいた。その切腹自殺を新聞で読み、その死にっぷりの良さに憧れて、屍体を盗みに来たのである。
ロジャーの腐敗してベトベトの屍体に跨がり屍姦する女。やがてそんな彼女にもまともな恋人ができる。デートを重ねるうちに情が移り、もうネクロフィリアはやめようと、ロジャーをバラして墓に棄てる。ところが、その頭部と性器だけは棄てることができない。屍体と生者の間で揺れ動く女心の赤坂見附。彼とセックスをしていても、屍体の顔が思い出される。いったいどうしたらいいのだろうか?。
解決策は思わぬところにあった。彼を屍体にすればいいのだ。騎乗位で犯す女は、男の首にナタの一撃︵左写真︶。切断した後、ペニスが萎縮しないように輪ゴムで止めて、首をロジャーに挿げ替える。そして、再び挿入して、絶頂に達する女。こんな猟奇なセックス・シーン、いまだかつて見たことない。
続編ももちろん上映禁止、廃棄処分の命令が下った。その後、﹃死の王﹄﹃シュラム﹄と、同様に死をテーマにした作品を放ったブットゲライトだったが、いずれも上映禁止処分となる。今では当局の監視下にあり、新作を撮れない状態にあるという。そんな中で1995年、日本で公開するために極秘で編集されたのが﹃ネクロマンティック特別編﹄。正続2本を一つにまとめたもので、正直云って、このバージョンの方が無駄な描写がなくてベスト。残酷描写におおらかな我が国では円満にブットゲライトの奇想を楽しめるが、それでもチンポコにモザイクが入るのはなんとかならんか。
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