これから日本のものづくり企業はどうなっていくのか。東京大学大学院の藤本隆宏教授は「『モノからコトヘ』と言われるが、『もうモノは作らない。サービスに特化する』という経営戦略を口にする会社は危ない。モノを捨ててコトに走るというのは、言葉遊びとしては心地よいが、不毛な二者択一にすぎない」という――。(第3回/全3回) 【写真】東京大学大学院の藤本隆宏教授 ■国内拠点に期待される「戦うマザー工場」としての役割 ――トヨタの工場では春以降、減産が続いていた時期に工場を挙げて作業者の多能工化、設備製作の内製化など体質強化活動に取り組んだようです。日頃からカイゼン活動しているトヨタだと思いますが、さらに磨きをかけた形です。ウィズコロナ、アフターコロナをにらんで日本のものづくり産業がしなければいけないカイゼン活動とは何でしょうか。 【藤本】今回の新型コロナウイルス感染拡大のように世界のどこの工場が止まるの