アフリカの女

ジャコモ・マイアベーアによるグランド・オペラ

: LAfricaine521865428使
ピエール・プティ撮影のマイアベーア

作曲の経緯

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19Robert le Diable, 1831Les Huguenots, 1836[1]Le prophète, 1849

1837518654281861220186452

楽曲

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セリカを演じるサス

(1)54(2)(3)(4)(5)143244  (Pays merveilleux! O paradis) 1225[2]

初演後

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1920辿186572212111227[3]

音楽的影響

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1879187721[2] 

リブレット

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ベルナール・ロマン・ジュリアンによるスクリーブ

1828318331

3(1)(2)(3)3(1)(3)(2)32[4]西

近年のリバイバル

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197211[5]

19813[6]

19889[7][8]

20131112150[9][10]

2013CD使[11][12]

201510[13][14]

201823使使

登場人物

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4人の主役たち:エミリオ・ノダン、マリー・バッテュ、マリー・サス、ジャン=バティスト・フォレ
人物名 声域 初演時のキャスト
(1865年4月28日)
指揮:フランソワ・ジョルジュ=エンル
ヴァスコ・ダ・ガマ テノール 海軍士官 エミリオ・ノダン
セリカ ソプラノ アフリカの奴隷
(実は女王)
マリー・サス
イネス ソプラノ ドン・ディエゴの娘、
ヴァスコの恋人
マリー・バッテュ
ドン・ペドロ バス 王室議会の議長 ジュール・ベルナール
・ガフィオ(ベルヴァル)
ドン・ディエゴ バス 提督(艦隊の司令官) アルマン・カステルマリ
ネルスコ(ネリュスコ) バリトン アフリカの奴隷 ジャン=バティスト・フォレ
アンナ メゾ・ソプラノ イネスの侍女 レオニア・ルヴィリ
ドン・アルヴァロ テノール 王室議員 ヴィクトール・ヴァロ
バラモン教の大祭司 バス 古代ヒンドゥー教の大祭司 ルイ=アンリ・オバン
宗教裁判長 バス ジョセフ・ダヴィド
祭司 テノール
裁判所員 テノール




あらすじ

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舞台:15世紀後半・リスボンポルトガル)およびインド洋にある島

第1幕

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リスボン海軍本部の評議会室

 
パリ・オペラ座でのオリジナルの舞台デザイン

海洋進出でスペインと先を争っていたポルトガルでは新大陸探索と航路開拓のために、ドン・ディエゴを指揮官とする大船団が派遣されていた。イネスは、ポルトガル海軍の提督ドン・ディエゴの娘で、フィアンセである探検家ヴァスコ・ダ・ガマの帰りを待っている。ヴァスコ・ダ・ガマは航海に出て帰らないまま既に2年の歳月が経過していた。ヴァスコは提督ドン・ディエゴの命令によりアフリカ航海を目指す探検船を率いる船長であった。イネスが、恋人ヴァスコ・ダ・ガマの身を案じて嘆き、ヴァスコが彼女のバルコニーの下で別れを告げた日のことを思い出しつつ「さらば故郷の岸辺よ (Adieu mon doux rivage)」を切なく歌っていると、父に王室議会に出席するよう命じられる。なお、このロマンツァは短調から長調への移行を見せるが短調の部分でソプラノと木管楽器の旋律が交互に現れ、出港前のヴァスコのやるせない気分を上手く表現している。イネスは、侍女アンナにヴァスコ・ダ・ガマの消息のことかしらと話しつつ思案していると、勿体ぶった旋律にのって父親のドン・ディエゴが現れ、イネスと王室議会議長ドン・ペドロとの縁談を進めることになったと言い伝えられてしまう。イネスはヴァスコを愛しているので、他の人と結婚など考えられないとこれを拒否する。そこへ野心家のドン・ペドロが現れ、ヴァスコの船の難破と全員行方不明である旨が伝えられる。この際の音楽は船員の不運な結末に対し全くの無頓着さを表現している。余りの悲報にイネスは絶望して号泣し、侍女のアンナに付き添われ退場する。引き続き会議が開催され、宗教裁判長と祭司や議員達が行進曲風の音楽に祈りの言葉をユニゾンで唱えながら、集まってくる。議会では救出のための船団を派遣するかどうかの議論が始まった。議論は世界探検の船団を率いようとする意見と遠征に反対する意見に割れていた。そこへ派王室議員の一人であるドン・アルヴァロが遠征隊の唯一の生き残りヴァスコが帰還したため、証人として召集したことを告げる。するとヴァスコが入室してきて「航海した結果、喜望峰を周っても新大陸に到達できると新たな船団派遣を進言する。その証拠としてアフリカから連れて来た男女二人の奴隷を見せ、「この者たちはアジア人なので、アフリカからの航路でアジアにいけるはず」と主張した。ヴァスコが甘い言葉でなんとか証言を引き出そうとするが、女奴隷セリカは無言を貫き通す。ここでヴァスコがセリカに対し何がしかの愛情を抱いていることが暗示される。というのはヴァスコの言葉に添えられているチェロで奏でられる旋律はイネスがヴァスコへの愛情を吐露した時のものを想起させるものだからである。一方、男の方の奴隷ネルスコは敵意露わに尋問への回答を固辞するので奴隷の出自は確認できないままとなる。この結果新たな船団の派遣は否決されてしまう。この結論を承服し難く、憤懣やるかた無くなったヴァスコは、感情に任せて議会の面々を罵倒してしまう。宗教裁判長はヴァスコ・ダ・ガマの無礼な振る舞いが不敬罪に当たるとして即座に終身刑を宣告し逮捕してしまう。怒号が飛び交う中、終結のストレットとなり、船団派遣派は反対派に数で圧倒されてしまう。

第2幕

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2 (Sur mes genoux, fils du soleil)4姿2

第3幕

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2 (Adamastor, roi des vagues profondes)22

第4幕

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殿
 
1838

  (Pays merveilleux! O paradis)22222

第5幕

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第1場

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姿2姿2姿

第2場

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マンスニールの木が生える海を見下ろす岬

セリカは岬の上から、幸せな2人を乗せた船が出航していくのを眺めていた。そして意を決したように猛毒の香りを放つマンスニールの木の下に歩み寄ると、マンスニールの美しく大きな花を手に取って胸飾りにし、その香りを深く吸う。アリア「憎しみを超えて」で「憎しみは消え、心は穏やか。あなたを許してあげる。愛しいヴァスコよ」とセリカは歌い上げる。その花を集めるとその中に顔を埋めるのだった。薄れていく意識の中で幻影を見る。向こうから白鳥が引く車に乗ってやって来るのは愛するヴァスコの姿だった。ヴァスコは自分の許へ戻って来てくれたのだというものだった。 ネルスコが岬に2人を国外に追放したことを告げに来た時は、セリカは既に事切れていた。その死に顔は穏やかで微笑んでさえいるようだった。最後までセリカを愛したネルスコもまた、運命を共にするのだった。

演奏時間

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稿1:532:463:564:545:47[15]

1:422:383:354:405:34[16]

楽器編成

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: 4222
224

:422
22231

:3

4

:

2222424244426

21

主な録音・録画

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配役
セリカ、
イネス、
ヴァスコ・ダ・ガマ、
ネルスコ、
ドン・ペドロ、
ドン・ディエゴ、
宗教裁判長
指揮者、
管弦楽団及び合唱団
レーベル
1972 シャーリー・ヴァーレット、
エヴリン・マンダック、
プラシド・ドミンゴ
ノーマン・ミッテルマン、
サイモン・エステス
ダニエル・サリヴァン、
フィリップ・ブース 
ジャン・ペリソン、
サンフランシスコ歌劇場管弦楽団
サンフランシスコ歌劇場合唱団
CD: GALA GL100.605
1988 シャーリー・ヴァーレット、
ルース・アン・スウェンソン、
プラシド・ドミンゴ
フスティーノ・ディアス、
マイケル・デヴリン、
フィリップ・スキナー、
ジョセフ・ルロー
ケヴィン・アンダーソン 
マウリツィオ・アレーナ、
サンフランシスコ歌劇場管弦楽団
サンフランシスコ歌劇場合唱団
サンフランシスコ歌劇場バレエ団
演出:ルトフィ・マンソーリ
DVD: Arthaus Musik *cl* No : 109181
2013 クラウディア・ソロキナ、
グィビー・ヤング、
ベルンハルト・ベルヒトルト、
ピエール=イヴ・プリュヴォ、
コウタ・レセネン、
マルティン・ゲブラー、
ロルフ・ブロマン
フランク・ベールマン
ロベルト・シューマン・フィルハーモニー
ケムニッツ歌劇場合唱団
CD: Dynamic Cpo No : 777828 
『ヴァスコ・ダ・ガマ』の初稿版での演奏

参考:[17]

関連作品

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  • フランツ・リスト:マイアベーアの歌劇「アフリカの女」の挿絵 S415/R224 〈船乗りの祈り/インド風行進曲〉

脚注

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(一)^ 19065161,0001,000

(二)^ abP61

(三)^ P60

(四)^  P33

(五)^ http://archive.sfopera.com/reports/rptOpera-id622.pdf

(六)^ Arts » 21 Mar 1981 » The Spectator Archive. The Spectator Archive. 2023212

(七)^ http://archive.sfopera.com/reports/rptOpera-id474.pdf

(八)^ Holland, Bernard; Times, Special To the New York (1988919). Review/Opera; Meyerbeer in San Francisco (). The New York Times. ISSN 0362-4331. https://www.nytimes.com/1988/09/19/arts/review-opera-meyerbeer-in-san-francisco.html 2023212 

(九)^ Teatro La Fenice (). Teatro La Fenice. 2023212

(十)^ Review L' africaine opera at Teatro La Fenice, Venice (). Delteatro.it (2013124). 2023212

(11)^ Meyerbeer ressuscité | Forum Opéra (). www.forumopera.com. 2023212

(12)^ 

(13)^ Loomis, George (20151021). Review: Meyerbeers Vasco Da Gama at Deutsche Oper Berlin (). The New York Times. ISSN 0362-4331. https://www.nytimes.com/2015/10/22/arts/international/review-meyerbeers-vasco-da-gama-at-deutsche-oper-berlin.html 2023212 

(14)^ Vasco da Gama. www.operanews.com. 2023212

(15)^ CD

(16)^ 

(17)^ http://www.operadis-opera-discography.org.uk/CLMEAFRI.HTM

参考文献

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外部リンク

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