一口坂スタジオ
一口坂スタジオ(ひとくちざかスタジオ)は、かつて存在した、映像や音響の制作・録音・編集およびその作業スタジオの運営を主な業務とする会社。社団法人日本音楽スタジオ協会会員だった。
種類 | 株式会社 |
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本社所在地 |
![]() 〒102-0073 東京都千代田区九段北4-3-31 ニッポン放送一口坂ビル |
業種 | サービス業 |
事業内容 |
映像や音響の制作・録音・編集 およびその作業スタジオの運営 |
資本金 | 1億円(設立時は1千万円) |
従業員数 | 35人 |
主要株主 | ニッポン放送 |
概要
編集
1978年7月15日にニッポン放送の全額出資のもとで設立され、同年8月に本社所在地︵当時のポニーキャニオンと同じビル内︶に4部屋のスタジオを構えて営業を開始した。1983年5月には、山梨県河口湖町︵現・富士河口湖町︶に滞在型リゾートスタジオ﹁河口湖スタジオ﹂を設立している。
音楽プロデューサーの長岡和弘によれば、一口坂スタジオではあらゆる録音作業だけでなく映画の撮影も行ったほか、河口湖スタジオでは完成直後に石川ひとみのアルバムを、その後も斉藤由貴、松原みき、吉岡秀隆などのアルバムをそれぞれ制作したという[1]。また、シンガーソングライターのaikoによれば、一口坂スタジオでは自身の楽曲の大半を録音しており、閉鎖に際して最後に電光掲示板を家に持って帰ったという[2]。そのほか、シンガーソングライターの谷山浩子によれば、河口湖スタジオはバブル当時の風光明媚な場所に所在していた﹁お泊りスタジオ﹂の1つであり、作業に行っては遊んでいたという[3]。
2011年9月30日をもって河口湖スタジオの営業を終了し、2012年1月12日付で同月をもって一口坂スタジオの営業終了を発表した[広報1]。その後、同年3月7日には東京地方裁判所より特別清算開始が決定された[4]。
河口湖スタジオの跡地は営業終了後長らく手つかずの状態となっていたが、2022年より跡地を所有するニッポン放送と、forent︵株︶が運営する遊休地活用のキャンプ場予約サービス﹁ExCAMP﹂との共同で、キャンプ場﹁燎︵かがりび︶キャンプ場﹂として再活用する事業が行われている[広報2]。
スタジオ設備
編集![](http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/9/9c/Neve_VR-72_with_FF_at_Studio_1_Control_Room_Center.jpg/220px-Neve_VR-72_with_FF_at_Studio_1_Control_Room_Center.jpg)
![](http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/b/b5/Neve_VR-72_with_FF_at_Studio_3_Control_Room_Center.jpg/220px-Neve_VR-72_with_FF_at_Studio_3_Control_Room_Center.jpg)
![](http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/c/c0/Studio_View_at_Studio_1_from_Right_Booth_Side.jpg/220px-Studio_View_at_Studio_1_from_Right_Booth_Side.jpg)
主な事業一覧
編集映像関連
編集- もえがく★5:実写パート協力
- グラビテーション:VTR編集
- Strawberry Panic:VTR編集
- ギャラリーフェイク:VTR編集
- りぜるまいん:VTR編集
- A15シリーズ(変身3部作)
- 超変身コス∞プレイヤー:VTR編集
- ヒットをねらえ!:VTR編集
- LOVE♥LOVE?:VTR編集
- そらのいろ、みずのいろ:VTR編集
- あかね色に染まる坂:ビデオ編集
- 捨てる恋あれば拾う恋あり:VTR編集
音響関連
編集- 日本科学未来館:プラネタリウム音響設計、特殊サウンド制作
- 川口市立科学館:プラネタリウム音響設計、特殊サウンド制作
- 全日空:国際線機内サービス音源制作(ダイマジックと共同)
- Girl Friend:録音
- POCKET PARK:録音
- 幻魔大戦:録音
- イノセンス:録音
- 押井守シアター ケルベロス鋼鉄の猟犬:録音
- ワンダーフォーゲル:録音
- 鮫肌男と桃尻女:録音
- Mr.インクレディブル:日本語吹き替え版録音
その他
編集- クリスマスにプレゼントを選ぶこともなく[5]:協力
- マイクロソフト:PCソフト日本語版ローカライゼーション、マルチメディア関連業務
- 横浜開港150周年協会:150周年記念事業サポート
上記のほか、多数の映像や音楽作品などの収録・編集が行われていた。
写真
編集-
Studio 1 Control Room
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Neve VR-72 with Flying Faders
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Studio View at Studio 1 from Entrance
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Studio View at Studio 1 from Left Booth
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Studio View at Studio 1 from Piano Booth
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Studio 1 Ceiling
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Studio Wall at Studio 1
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Studio 3 Control Room
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Neve VR-72 with Flying Faders
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Efx Rack at Studio 3
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Studio Booth at Studio 3
脚注
編集出典
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(一)^ “一口坂スタジオが・・”. jomon 長岡和弘の日記 (2016年4月25日). 2022年3月28日閲覧。
(二)^ “aikoが﹃SONGS﹄で語ったデビュー16年﹁愛の歌も少しずつは変わってきてるんかなあ﹂”. Real Sound (blueprint). (2014年6月22日) 2022年3月28日閲覧。
(三)^ @taniyama_の2021年1月16日のツイート、2022年3月28日閲覧。
(四)^ “︵株︶一口坂スタジオ︵千代田区︶/特別清算開始決定”. JC-NET (2012年3月16日). 2022年3月28日閲覧。[出典無効]
(五)^ クリスマスにプレゼントを選ぶこともなく - 日本映画データベース
広報資料・プレスリリースなど一次資料
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(一)^ “一口坂スタジオ”. 株式会社一口坂スタジオ. 2011年10月4日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年3月28日閲覧。
(二)^ “河口湖スタジオ跡地がキャンプ場に!野営感の残る手作り開拓サイトでテントサウナも! ﹁燎︵かがりび︶キャンプ場﹂ キャンプ場開発ベンチャーと共同オープン!”. ニッポン放送 ラジオAM1242+FM93 (2022年7月27日). 2023年5月4日閲覧。