砂川事件

日本の訴訟事件
砂川闘争 > 砂川事件

19573278調調7[1]
最高裁判所判例
事件名 日本国とアメリカ合衆国との間の安全保障条約第三条に基づく行政協定に伴う刑事特別法違反被告事件
事件番号 昭和34年(あ)第710号
1959年(昭和34年)12月16日
判例集 刑集13巻13号3225頁
裁判要旨
  1. 刑訴規則第二五四条の跳躍上告事件において、審判を迅速に終結せしめる必要上、被告人の選任すべき弁護人の数を制限したところ、その後公判期日および答弁書の提出期日がきまり、かつ弁護人が公判期日に弁論をする弁護人の数を自主的に〇人以内に制限する旨申出たため、審理を迅速に終結せしめる見込がついたときは、刑訴第三五条但書の特別の事情はなくなつたものと認めることができる。
  2. 憲法第九条は、わが国が敗戦の結果、ポツダム宣言を受諾したことに伴い、日本国民が過去におけるわが国の誤つて犯すに至つた軍国主義的行動を反省し、政府の行為によつて再び戦争の惨禍が起ることのないようにすることを決意し、深く恒久の平和を念願して制定したものであつて、前文および第九八条第二項の国際協調の精神と相まつて、わが憲法の特色である平和主義を具体化したものである。
  3. 憲法第九条第二項が戦力の不保持を規定したのは、わが国がいわゆる戦力を保持し、自らその主体となつて、これに指揮権、管理権を行使することにより、同条第一項において永久に放棄することを定めたいわゆる侵略戦争を引き起すことのないようにするためである。
  4. 憲法第九条はわが国が主権国として有する固有の自衛権を何ら否定してはいない。
  5. わが国が、自国の平和と安全とを維持しその存立を全うするために必要な自衛のための措置を執り得ることは、国家固有の権能の行使であつて、憲法は何らこれを禁止するものではない。
  6. 憲法は、右自衛のための措置を、国際連合の機関である安全保障理事会等の執る軍事措置等に限定していないのであつて、わが国の平和と安全を維持するためにふさわしい方式または手段である限り、国際情勢の実情に則し適当と認められる以上、他国に安全保障を求めることを何ら禁ずるものではない。
  7. わが国が主体となつて指揮権、管理権を行使し得ない外国軍隊はたとえそれがわが国に駐留するとしても憲法第九条第二項の「戦力」には該当しない。
  8. 安保条約の如き、主権国としてのわが国の存立の基礎に重大な関係を持つ高度の政治性を有するものが、違憲であるか否の法的判断は、純司法的機能を使命とする司法裁判所の審査に原則としてなじまない性質のものであり、それが一見極めて明白に違憲無効であると認められない限りは、裁判所の司法審査権の範囲外にあると解するを相当とする。
  9. 安保条約(またはこれに基く政府の行為)が違憲であるか否かが、本件のように(行政協定に伴う刑事特別法第二条が違憲であるか)前提問題となつている場合においても、これに対する司法裁判所の審査権は前項と同様である。
  10. 安保条約(およびこれに基くアメリカ合衆国軍隊の駐留)は、憲法第九条、第九八条第二項および前文の趣旨に反して違憲無効であることが一見極めて明白であるとは認められない。
  11. 行政協定は特に国会の承認を経ていないが違憲無効とは認められない
大法廷
裁判長 田中耕太郎
陪席裁判官 小谷勝重 島保 齋藤悠輔 藤田八郎 河村又介 入江俊郎 池田克 垂水克己 河村大助 下飯坂潤夫 奥野健一 高橋潔 高木常七 石坂修一
意見
多数意見 田中耕太郎 島保 齋藤悠輔 藤田八郎 河村又介 入江俊郎 池田克 垂水克己 河村大助 下飯坂潤夫 高木常七 石坂修一
意見 小谷勝重 奥野健一 高橋潔
反対意見 なし
参照法条
憲法9条、98条2項、日本国とアメリカ合衆国との間の安全保障条約、日本国とアメリカ合衆国との間の安全保障条約第三条に基く行政協定に伴う刑事特別法
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当時の住民や一般人の間では主に「砂川紛争」と呼ばれている。全学連も参加し、その後の安保闘争全共闘運動のさきがけとなった学生運動の原点となった事件である。

砂川事件(1955年頃撮影)

第一審(判決)

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195934330923134.3.30 13776[1]

最高裁判所判決

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1216934.12.16 13133225[1]

差戻し審と確定判決

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1961363272,000196338127

砂川事件判決の論点

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最高裁判決の背景

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集団的自衛権の根拠

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有権解釈への影響

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事件後

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20241153[28]

関連する訴訟

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脚注

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注釈

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出典

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(一)^ abc(). . 2020330

(二)^  . 47NEWS (). (2008429). https://web.archive.org/web/20100404064911/http://www.47news.jp/CN/200804/CN2008042901000464.html 200922 

(三)^  (200959). 使--. . https://megalodon.jp/2009-0513-0001-01/mainichi.jp/select/jiken/archive/news/2009/05/09/20090509dde001040040000c.html 2009511 

(四)^  (201043).  . . https://megalodon.jp/2010-0403-1755-58/mainichi.jp/select/jiken/news/20100403ddm041040161000c.html 201043 

(五)^   201048[]

(六)^  使 2013117

(七)^ :  201348

(八)^  

(九)^ : 1/2 201348

(十)^   2014817

(11)^ II[5]210

(12)^  2013415

(13)^ 使 . . 202062

(14)^ abcd (PDF) 

(15)^ abI(5)

(16)^  2015330

(17)^ ab. . (2015313). https://www.nikkei.com/article/DGXLASFS11H3R_R10C15A6PP8000/ 2015612 

(18)^ . . (2014410). http://www.asahi.com/articles/ASG4B77KJG4BUTFK01K.html 2015612 

(19)^ abcd . . (2014611). http://www.asahi.com/articles/ASH6B5JMJH6BUTFK00Y.html 2015612 

(20)^  (PDF, 655KB) , p. 5. 2014817

(21)^ 2671 (PDF, 215KB)  2014817

(22)^ abc . . (2014611). https://www.nikkei.com/article/DGXLASFS11H0B_R10C15A6MM0000/ 2015612 

(23)^ 4  2014617

(24)^   20160308

(25)^    20171115

(26)^    2018719

(27)^   2018720

(28)^  退. . (2024115). https://www.tokyo-np.co.jp/article/303014 2024116 

関連項目

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外部リンク

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