steel pipe

製造方法による分類

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鍛接鋼管

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JISB

100A=114.3mm

電縫鋼管

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JISE

650A=660.4mm

継目無(シームレス)鋼管

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文字どおり、管に継ぎ目が無い鋼管。断面を丸形に加工したビレットを高温に熱してそれを「錐揉み」状態にしながら、その中心にプラグという金具を押しつけて穴を開ける方法(マンネスマン法)が一般的。JISでは製法記号として「S」が指定されている。

マンネスマン法では比較的小径からやや大きい径(日本では通常426.0mm)までの製造が可能だが、さらに大きな径まで製造できる製法もある。外径サイズ数の制約は本来厳しいが、各メーカーとも多数のロールや金型を用意して、製造サイズ数を増やしている。炭素鋼からステンレス鋼まで幅広い鋼種の管の製造が可能。比較的小ロット品の製造に適した製法。マンネスマン法以外では生産性は低い。厚肉品の製造が比較的容易だが、製法上寸法精度は余りよくないので、使用時は注意が必要。素材を高温のまま過酷な圧延を行うので、表面性状は劣る。

アーク溶接鋼管

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JISA

UOE

UO(E)1500mm








用途による分類

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配管用鋼管

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JISSGPSTPG

便A4000mm5500mm

構造用鋼管

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JISSTKSTKNSTKM


熱交換用鋼管

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JISSTB

使JIS

その他の鋼管

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'

仕上げによる分類

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熱間仕上げ

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材料の鋼をある温度(一般にはキュリー点)以上に加熱して製造した物。基本的に鋼管の全ての部分が等しく加熱・冷却されており、位置による強度変化は存在しない。表面にスケールが付着するほか、圧延時の微細なロール痕などが残ったままのため、表面性状は劣る。また、寸法精度は高くない。鍛接鋼管や製造したままの継目無鋼管が該当。JISでは仕上げ記号「H」で区分することがある。

熱間・冷間以外の仕上げ

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基本的には製造したままの電縫鋼管のこと。シーム部だけが局部的に加熱された状態になっており、周辺部と強度に差があることに注意。表面性状は母材である鋼帯のそれが活かされており、良好。また、寸法精度も比較的良い。JISでは仕上げ記号「G」で区分することがある。

冷間仕上げ

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JISC

注文・流通などについて

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他の鉄鋼製品に比べて規格とサイズ数が格段に多いため、いわゆる流通業者の機能が発達している。一つの流通業者が全ての鋼管を在庫するのは不可能に近く、実際には各用途別に専門の業者が存在している。熱交換用鋼管や用途に限らず合金鋼鋼管は市中在庫が乏しいため、流通業者を通じてメーカー発注となるケースが多く、納期は数ヶ月に及ぶこともある。 鋼管のサイズ指定は「外径×肉厚×長さ」で行い、冷間仕上げ品を除いては内径指定を受け付けないのが通常。複数の製法で製造可能の場合は、製法指定や仕上げの指定も必要。表面の防錆油塗布の有無や管端形状についても、必要に応じて指定可能(だが、特注品になることもある)。機械構造用鋼管の場合、ユーザーからの注文長さは数mmから6000mm程度までと千差万別であり、流通業者は在庫品を注文長さに合わせて切断してから発送している。加工費用と共に製品歩留まりが価格に反映される。 なお、アーク溶接管については、一部のUOE鋼管を除いて市中在庫は存在せず、物件毎にメーカー発注することになる。板巻管の一品ものに関しては、市中の加工業者(製缶業者)に発注することが大半。