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{{Infobox ancient site

'''伊勢堂岱遺跡'''（いせどうたいいせき）は、[[秋田県]][[北秋田市]]脇神にある[[縄文時代]]後期前半の[[遺跡]]である。[[国指定史跡|国の史跡]]に指定されている。

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'''伊勢堂岱遺跡'''（いせどうたいいせき）は、[[秋田県]][[北秋田市]][[脇神]]字伊勢堂岱にある[[縄文時代]]後期前半の[[ストーンサークル|環状列石]]が主体の[[遺跡]]である。[[国指定史跡|国の史跡]]に指定されている。2021年7月27日、「[[北海道・北東北の縄文遺跡群]]」として[[世界文化遺産]]に登録された。


== 概要 ==

== 概要 ==

[[ファイル:ISEDOUTAI1.JPG|thumb|right| ストーンサークルA]]

[[ファイル:ISEDOUTAI2.jpg|thumb|250px|日時計型組石]]

[[ファイル:Isedotai Site 2021d.jpg|250px|thumb|南側の園路]]

[[秋田内陸縦貫鉄道]]の[[小ヶ田駅]]の南方の小川をこえた標高40 - 45メートルの[[河岸段丘]]の北端台地の上にある縄文時代後期前半の遺跡である。保存状態が良く、学術的な価値が高いことから[[2001年]]1月、国の[[史跡]]に指定された。

[[ファイル:Isedotai Site stilt house.jpg|thumb|250px|掘立柱建物跡]]

[[秋田内陸縦貫鉄道]]の[[縄文小ヶ田駅]]南方の湯車川をこえた標高40 - 45[[メートル]]の[[河岸段丘]]の北端[[台地]]の上にあり、国内で唯一4つの環状列石（[[ストーンサークル]]）が発見された遺跡である。


保存状態が良く、学術的な価値が高いことから[[2001年]]1月に国の史跡に指定された。また、[[2021年]]7月27日に[[文化遺産 (世界遺産)|世界文化遺産]]に登録された<ref>{{Cite web|和書|title = 縄文遺跡群、世界遺産登録決定 本県2件目、文化遺産は初 | publisher = [[秋田魁新報社]] | url = https://www.sakigake.jp/news/article/20210727AK0035/| accessdate = 2021-07-27}}</ref>﹁[[北海道・北東北の縄文遺跡群]]﹂を構成する遺跡の一つでもある。

半径3キロメートル以内に[[大館能代空港]]・[[秋田内陸線]] [[縄文小ヶ田駅]]・[[伊勢堂岱インターチェンジ]]がありアクセス面で優れていて、縄文遺跡群を巡る起点の役割が期待されている<ref>広域連携でPRも、[[北鹿新聞]] p.1、2021年8月4日</ref>。

園路南側の森を抜けると、環状列石と[[白神山地]]が一望でき<ref name="Isedoutai">{{Cite web|和書| title = 伊勢堂岱縄文館 | publisher = 北秋田市 | url = http://www.city.kitaakita.akita.jp/kyouiku_bunka_sports/bunkazai/jyomon-kan.html | accessdate = 2017-06-11}}</ref>、ガイダンス施設の「伊勢堂岱縄文館」周辺では[[田んぼアート]]や、約2千年前の品種の「[[蓮の花]]」を見ることができる。


== 特徴 ==

== 特徴 ==

縄文時代後期の遺跡で、A - Dの4つの[[ストーンサークル]]や[[掘立柱建物]]跡、[[土坑墓]]、土器埋設[[遺構]]、[[捨て場]]、[[フラスコ状土坑]]、日時計型組石などから構成されている。

縄文時代後期の遺跡で、A - Dの4つの環状列石や[[掘立柱建物]]跡、[[土坑墓]]、土器埋設[[遺構]]、捨て場、[[フラスコ状土坑]]、日時計型組石などから構成されている。



4つのストーンサークルからやや離れた場所に、日時計型組石が数個ある。これは大湯環状列石と同じように、この組石の中心からストーンサークルAを見ると、[[夏至]]の日に太陽が沈む位置とだいたい一致する。ストーンサークルAは直径が約32mで上空からの平面形がメロンのような形をしており、つるの部分が特徴的である。祭祀の際の特別の通路として機能していたのではないかとの指摘もある。

4つの環状列石からやや離れた場所に、日時計型組石が数個ある。これは大湯環状列石と同じように、この組石の中心から環状列石Aを見ると、[[夏至]]の日に太陽が沈む位置とだいたい一致する。環状列石Aは直径が約32メートルで上空からの平面形がメロンのような形をしており、つるの部分が特徴的である。祭祀の際の特別の通路として機能していたのではないかとの指摘もある。



ストーンサークルBは円ではなく欠けた弧状をしており、これは[[日本国有鉄道|国鉄]][[秋田内陸縦貫鉄道秋田内陸線|阿仁合線]]︵現在の秋田内陸縦貫鉄道︶の建設時に壊されたものであると考えられる。または、未完成のストーンサークルだとする見解もある。また、ストーンサークルBの土坑墓からは完全な形で復元できる板状[[土偶]]が発掘されている。伊勢堂岱遺跡からは土偶が200点ほど見つかっているが、ほとんどが破片である。

環状列石Bは円ではなく欠けた弧状をしており、これは[[日本国有鉄道|国鉄]][[秋田内陸縦貫鉄道秋田内陸線|阿仁合線]]︵現在の秋田内陸縦貫鉄道︶の建設時に壊されたものであると考えられる。または、未完成の環状列石だとする見解もある。また、環状列石Bの土坑墓からは完全な形で復元できる板状[[土偶]]が発掘されている。伊勢堂岱遺跡からは土偶が200点ほど見つかっているが、ほとんどが破片である。

最大のストーンサークルCには石を縦横に組み合わせた構造もあり、これは、青森市の[[小牧野遺跡]]の小牧野式配石と呼ばれるものと共通する珍しい配石である(ストーンサークルAにもこの構造は存在する)。直径が45mもあり列石の輪が三重になっている。周囲には6本柱の掘立柱建物跡があり、これは[[大湯環状列石]]にも共通するものである。


最大の環状列石Cには石を縦横に組み合わせた構造もあり、これは、青森市の[[小牧野遺跡]]の小牧野式配石と呼ばれるものと共通する珍しい配石である（環状列石Aにもこの構造は存在する）。直径が45メートルもあり列石の輪が三重になっている。周囲には6本柱の掘立柱建物跡があり、これは[[大湯環状列石]]にも共通するものである。

ストーンサークルDは直径約36mで石の密度はやや低い。ストーンサークルCとストーンサークルDは半分程度発掘調査が終了しており、発掘技術が向上後に残りの部分を発掘する予定である。

環状列石Dは直径約36メートルで石の密度はやや低い。環状列石Cと環状列石Dは半分程度発掘調査が終了しており、発掘技術の向上後に残りの部分を発掘する予定である。


[[ファイル:ISEDOUTAI2.JPG|thumb|right|伊勢堂岱遺跡 日時計型組石]]

[[立石 (考古学)|立石]]（日時計様組石）や列石に建物が附属する点では大湯環状列石との共通点があり、また、小牧野式配石もみられる本遺跡は、同一遺跡のなかで異なる文化要素をあわせもっている点で着目される。

[[立石 (考古学)|立石]]（日時計様組石）や列石に建物が附属する点では大湯環状列石との共通点があり、また、小牧野式配石もみられる本遺跡は、同一遺跡のなかで異なる文化要素をあわせもっている点で着目される。



ストーンサークル近くの沢やフラスコ状土坑からは板状[[土偶]]やヒョウタン型土器、キノコ型土製品なども発見されており、捨て場や貯蔵穴の墓への転用が考えられる。土坑墓には土器や石器が供えられていることが多く、共同墓地と個人用墓地との関係や再葬の可能性などについては、今後もひきつづき検討を要する。大湯環状列石では立石下に死者が埋葬されているが、伊勢堂岱遺跡では丸く配置されている石の中央に死者が埋葬されている。

環状列石近くの沢やフラスコ状土坑からは板状[[土偶]]やヒョウタン型土器、キノコ型土製品なども発見されており、捨て場や貯蔵穴の墓への転用が考えられる。土坑墓には土器や石器が供えられていることが多く、共同墓地と個人用墓地との関係や再葬の可能性などについては、今後もひきつづき検討を要する。大湯環状列石では立石下に死者が埋葬されているが、伊勢堂岱遺跡では丸く配置されている石の中央に死者が埋葬されている。



遺跡範囲は20万平方メートルに広がっており、環状列石は遺跡北西部に集中している。また、遺跡の東部には100mを越える縄文時代の溝状遺構が発見されている。その少し北にも環濠遺構が発掘されているが、これは戦国時代の比内[[浅利氏]]の家臣の城跡であると推定されている。伊勢堂岱遺跡の近くにある小ヶ田集落の住民の祖先は元々浅利氏の家臣であり、この台地に城跡があったとする言い伝えが残されている。

遺跡範囲は20万平方メートルに広がっており、環状列石は遺跡北西部に集中している。また、遺跡の東部には100メートルを越える縄文時代の溝状遺構が発見されている<ref>{{Cite web|和書| title = 伊勢堂岱遺跡︵いせどうたいいせき︶約4,000年前-約3,700年前 北秋田市 2001年 国指定史跡| publisher = 秋田県教育庁生涯学習課| url = http://www.pref.akita.jp/gakusyu/jomon-akita/isedotai.html| accessdate = 2017-06-10}}</ref>。


その少し北にも環濠遺構が発掘されているが、これは戦国時代の比内[[浅利氏]]の家臣の城跡であると推定されている。伊勢堂岱遺跡の近くにある小ヶ田集落の住民の祖先は元々浅利氏の家臣であり、この台地に城跡があったとする言い伝えが残されている。

伊勢堂岱遺跡のストーンサークルは、[[米代川]]、小猿部川、湯車川といった河川から採取された20種類以上の岩石が使われている。これに対して、大湯環状列石では石英閃緑ひん岩のみが使用されている。

{{Gallery

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|File:Isedōtai Site An.JPG|案内図

}}



伊勢堂岱遺跡の環状列石は、[[米代川]]、小猿部川、湯車川といった河川から採取された20種類以上の岩石が使われている。これに対して、大湯環状列石では石英閃緑ひん岩のみが使用されている。

== 経緯 ==

[[File:Isedōtai Site bou.JPG|thumb|掘立柱建物跡]]

[[File:Isedōtai Site mizo2.JPG|thumb|埋め戻された溝状遺構]]

*平成4年度

:[[大館能代空港]]へのアクセス道路<ref>のちに秋田県道として秋田県道325号あきた北空港西線に認定され、2012年に[[秋田県道325号大館能代空港西線]]となる。</ref>建設の際に[[北秋田郡]][[鷹巣町]]脇神（現・北秋田市）で発見された。


== 歴史 ==

*平成6～7年度

[[ファイル:Akita Expressway in Kitaakita city 2021.jpg|thumb|250px|伊勢堂岱遺跡からの景観を守るため、半地下方式で秋田内陸線と県道の下を通る[[秋田自動車道]]]]

:長径約32ｍの環状列石Aと、確認長15ｍの弧状をなす環状列石Bを確認した。

[[ファイル:Ōga hasu 20200824.jpg|250px|thumb|縄文館近くの休耕田に咲く[[大賀ハス]]]]


*平成8年度

*1992年（平成4年）度

:[[大館能代空港]]へのアクセス道路<ref>のちに秋田県道として秋田県道325号あきた北空港西線に認定され、2012年に[[秋田県道325号大館能代空港西線]]となる。</ref>建設の際に[[北秋田郡]][[鷹巣町]][[脇神]]（現・[[北秋田市]]）で発見された。

*1994年 - 95年（平成6 - 7年）度

:直径約32メートルの環状列石Aと、確認長15メートルの弧状をなす環状列石Bを確認した。

*1996年（平成8年）度

:柱穴群が掘立柱建物群であることが分かった。

:柱穴群が掘立柱建物群であることが分かった。

:長径約45ｍの環状列石Cの存在を確認した。

:直径約45メートルの環状列石Cの存在を確認した。

:調査終了後に遺跡を埋め戻すことも考慮されたが、遺跡の重要性からアクセス道路の進路を曲げて、この遺跡を保存しさらに発掘することを決定した。

:調査終了後に遺跡を埋め戻すことも考慮されたが、遺跡の重要性からアクセス道路の進路を曲げて、この遺跡を保存しさらに発掘することを決定した。


*平成9～12年度 　

*1997年 - 2000年（平成9 - 12年）度

:約20万m<sup>2</sup>に広がる遺跡であることや、環状列石Cの南側に長径約36ｍの環状列石Dが見つかった。

:約20万平方メートルに広がる遺跡であることや、環状列石Cの南側に直径約36メートルの環状列石Dが見つかった。

:縄文時代後期前葉に属していて、4つの環状列石を中心とし、掘立柱建物跡、配石遺構、土坑群、捨て場等で構成される大規模な祭祀の場であることが判明した。

:縄文時代後期前葉に属していて、4つの環状列石を中心とし、掘立柱建物跡、配石遺構、土坑群、捨て場等で構成される大規模な祭祀の場であることが判明した。


*平成13年度

*2001年（平成13年）1月29日

:遺跡範囲のうち、約16万平方メートルが国の史跡に指定された<ref>{{Cite report | author=北秋田市 | date=2015年12月 | title=伊勢堂岱遺跡景観計画 | page=6 | url=https://www.city.kitaakita.akita.jp/uploads/public/archive_0000006357_00/001_keikankeikaku.pdf | accessdate=2017年6月12日}}</ref>。

:約20万m<sup>2</sup>の遺跡範囲うち、約16万m<sup>2</sup>が国の史跡に指定さた。


*平成20年度

*2008年（平成20年）度

:100ｍを超える溝状遺構が見つかった。

:100メートルを超える溝状遺構が見つかった。


*平成28年度

*2015年（平成27年）12月

:史跡と一体となった周辺地域の景観を保全・継承・健全に発展することを目的として、﹁伊勢堂岱遺跡[[景観法#景観計画|景観計画]]﹂を策定した<ref>{{Cite web|和書|title = 国指定史跡伊勢堂岱史跡景観計画 |url = https://www.city.kitaakita.akita.jp/kyouiku_bunka_sports/bunkazai/keikan_keikaku.html |publisher = 北秋田市 |accessdate = 2018-07-15 }}</ref>。

:伊勢堂岱遺跡の東側の低地に、ガイダンス施設の伊勢堂岱縄文館、体験学習広場、野外イベント広場、土舞台などが４月23日オープンした。


*2016年（平成28年）度

:現在伊勢堂岱遺跡は、「北海道・北東北の縄文遺跡群」として世界遺産への登録を目指している。

:伊勢堂岱遺跡の東側の低地に、ガイダンス施設の伊勢堂岱縄文館、体験学習広場、野外イベント広場、土舞台などが4月23日オープンした<ref name="Isedoutai" />。

*2017年（平成29年）度

:熊の出没等が相次いだ為、7月から一般公開を中止。周辺の樹木を伐採し緩衝帯を設け、電気柵、監視カメラを設置し、安全対策を行った<ref>{{Cite web|和書| title = 遺跡に春到来 公開始まる | publisher = 北秋田市 | url = https://www.city.kitaakita.akita.jp/chiiki_wadai/_2018/04/21-isedoutai_open.html | accessdate = 2018-06-27}}</ref>。


==伊勢堂岱縄文館==

==伊勢堂岱縄文館==

[[File:Isedoutai 6.JPG|thumb|250px|展示室入口に設置の板状土偶]]

'''伊勢堂岱縄文館'''（いせどうたいじょうもんかん）は、[[秋田県]][[北秋田市]][[脇神]]にあるガイダンス施設である。

===概要 ===

史跡伊勢堂岱遺跡の保存と活用のため、遺跡東側徒歩2分のところに設置された。

展示室は、伊勢堂岱遺跡や北秋田市内の縄文遺跡出土品を展示し、遺跡を解説した映像を、英語・中国語・韓国語・日本語で上映している。小規模の講演会や、[[勾玉]]や土器づくりなどの体験ができるコーナーもある<ref name="Isedoutai" />。

===開館時間・休館日===

*開館時間

**午前9時から午後5時（入館は午後4時30分）まで

*観覧料

**無料

*休館日

**毎週月曜日（月曜日が祝日の場合は翌日）

**年始年末（12月29日から1月3日まで）

※縄文館が休館の日は、遺跡も閉鎖となる。（遺跡の公開は4月下旬頃 - 10月末まで）

:遺跡と展示室のガイドは、予約が必要。

=== イベント ===

*縄文まつり（9月）

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<gallery widths=180 heights=120>

File:Isedōtai Site Gaid.JPG|ガイダンス施設

Isedotai Jomonkan 2021.jpg|ガイダンス施設

File:Isedōtai Site Dogu.JPG|市内縄文遺跡出土の土偶

Isedōtai Site Dogu.JPG|市内縄文遺跡出土の土偶

File:Isedoutai 2.JPG|伊勢堂岱遺跡の出土品

Isedoutai 2.JPG|伊勢堂岱遺跡の出土品

File:Isedoutai.JPG|有形文化財の板状土偶

File:Tutibutai01.JPG|土舞台

</gallery>

</gallery>


== アクセス ==

== アクセス ==

[[File:Jōmon-Ogata Station AN-8802.jpg|250px|thumb|[[縄文小ヶ田駅]]と[[白神山地]]]]

* [[秋田内陸縦貫鉄道]][[秋田内陸線]]の[[小ヶ田駅]]より徒歩5分

* JR奥羽本線[[鷹ノ巣駅]]より車で15分

* [[秋田内陸縦貫鉄道]][[秋田内陸線]] [[縄文小ヶ田駅]]より徒歩8分

* [[大館能代空港]]より車で5分

* [[大館能代空港インターチェンジ|大館能代空港IC]]より車で6分

* [[伊勢堂岱インターチェンジ|伊勢堂岱IC]]より車で4分

* [[乗合タクシー]]<ref>[https://www.city.kitaakita.akita.jp/archive/p11214 令和2年度 森吉山周遊乗合タクシーの運行について] 北秋田市</ref>

** [[JR]] [[鷹ノ巣駅#JR東日本|鷹ノ巣駅]]より11分

** 大館能代空港より6分


== 脚注 ==

== 脚注 ==

{{脚注ヘルプ}}

<references />

{{Reflist}}

== 参考資料 ==

* 北海道・北東北の縄文遺跡群リーフレットシリーズ18 史跡 伊勢堂岱遺跡、北秋田市教育委員会縄文遺跡群世界遺産登録推進本部


== 関連項目 ==

== 関連項目 ==

{{Commonscat}}

* [[環状列石]]

* [[環状集落]]

* [[北海道・北東北を中心とした縄文遺跡群]]

* [[北海道・東北の史跡一覧]]

* [[胡桃館遺跡]]

* [[胡桃館遺跡]]

* [[北海道・東北地方の史跡一覧]]

* [[北海道・北東北の縄文遺跡群]]


== 参考資料 ==

北海道・北東北の縄文遺跡群リーフレットシリーズ18 史跡 伊勢堂岱遺跡、北秋田市教育委員会縄文遺跡群世界遺産登録推進本部

== 外部リンク ==

== 外部リンク ==

* [http://www.city.kitaakita.akita.jp/kyouiku_bunka_sports/bunkazai/2014-0311-1522-50.html 伊勢堂岱遺跡] - 北秋田市

* [http://www.city.kitaakita.akita.jp/isedotai/index.html 伊勢堂岱遺跡] - 北秋田市

* [http://www.city.kitaakita.akita.jp/kyouiku_bunka_sports/bunkazai/jyomon-kan.html 伊勢堂岱縄文館] - 北秋田市

* {{Twitter|isedotai_jomon|伊勢堂岱遺跡}}

* [http://jomon-japan.jp/ 北海道・北東北を中心とした縄文遺跡群] - 縄文遺跡群世界遺産登録推進事務局

* [https://www.youtube.com/channel/UC2A7p-k1uUe4Il-U_03bLZQ 伊勢堂岱遺跡 Isedotai site] - 北秋田市公式チャンネル The Official Channel of Kitaakita city

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[[Category:秋田県にある国指定の史跡]]

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[[Category:日本の配石遺跡]]

[[Category:秋田県の考古遺跡]]

[[Category:秋田県にある国指定の史跡]]

[[Category:北秋田市の歴史]]

[[Category:北秋田市の歴史]]

[[Category:縄文時代]]

2023年11月28日 (火) 23:36時点における最新版

伊勢堂岱遺跡
伊勢堂岱遺跡の位置（秋田県内）
伊勢堂岱遺跡

秋田県における位置

所在地 秋田県北秋田市脇神字伊勢堂岱
座標 北緯40度12分 東経140度21分 / 北緯40.200度 東経140.350度 / 40.200; 140.350
種類 遺跡
歴史
時代 縄文時代
文化財指定 国の史跡(2001年1月指定)

伊勢堂岱遺跡︵いせどうたいいせき︶は、秋田県北秋田市脇神字伊勢堂岱にある縄文時代後期前半の環状列石が主体の遺跡である。国の史跡に指定されている。2021年7月27日、﹁北海道・北東北の縄文遺跡群﹂として世界文化遺産に登録された。

概要

[編集]
日時計型組石
南側の園路
掘立柱建物跡

秋田内陸縦貫鉄道の縄文小ヶ田駅南方の湯車川をこえた標高40 - 45メートルの河岸段丘の北端台地の上にあり、国内で唯一4つの環状列石︵ストーンサークル︶が発見された遺跡である。

保存状態が良く、学術的な価値が高いことから2001年1月に国の史跡に指定された。また、2021年7月27日に世界文化遺産に登録された[1]﹁北海道・北東北の縄文遺跡群﹂を構成する遺跡の一つでもある。

半径3キロメートル以内に大館能代空港・秋田内陸線 縄文小ヶ田駅・伊勢堂岱インターチェンジがありアクセス面で優れていて、縄文遺跡群を巡る起点の役割が期待されている[2]。

園路南側の森を抜けると、環状列石と白神山地が一望でき[3]、ガイダンス施設の﹁伊勢堂岱縄文館﹂周辺では田んぼアートや、約2千年前の品種の﹁蓮の花﹂を見ることができる。

特徴

[編集]

縄文時代後期の遺跡で、A - Dの4つの環状列石や掘立柱建物跡、土坑墓、土器埋設遺構、捨て場、フラスコ状土坑、日時計型組石などから構成されている。

4つの環状列石からやや離れた場所に、日時計型組石が数個ある。これは大湯環状列石と同じように、この組石の中心から環状列石Aを見ると、夏至の日に太陽が沈む位置とだいたい一致する。環状列石Aは直径が約32メートルで上空からの平面形がメロンのような形をしており、つるの部分が特徴的である。祭祀の際の特別の通路として機能していたのではないかとの指摘もある。

環状列石Bは円ではなく欠けた弧状をしており、これは国鉄阿仁合線︵現在の秋田内陸縦貫鉄道︶の建設時に壊されたものであると考えられる。または、未完成の環状列石だとする見解もある。また、環状列石Bの土坑墓からは完全な形で復元できる板状土偶が発掘されている。伊勢堂岱遺跡からは土偶が200点ほど見つかっているが、ほとんどが破片である。

最大の環状列石Cには石を縦横に組み合わせた構造もあり、これは、青森市の小牧野遺跡の小牧野式配石と呼ばれるものと共通する珍しい配石である︵環状列石Aにもこの構造は存在する︶。直径が45メートルもあり列石の輪が三重になっている。周囲には6本柱の掘立柱建物跡があり、これは大湯環状列石にも共通するものである。

環状列石Dは直径約36メートルで石の密度はやや低い。環状列石Cと環状列石Dは半分程度発掘調査が終了しており、発掘技術の向上後に残りの部分を発掘する予定である。

立石︵日時計様組石︶や列石に建物が附属する点では大湯環状列石との共通点があり、また、小牧野式配石もみられる本遺跡は、同一遺跡のなかで異なる文化要素をあわせもっている点で着目される。

環状列石近くの沢やフラスコ状土坑からは板状土偶やヒョウタン型土器、キノコ型土製品なども発見されており、捨て場や貯蔵穴の墓への転用が考えられる。土坑墓には土器や石器が供えられていることが多く、共同墓地と個人用墓地との関係や再葬の可能性などについては、今後もひきつづき検討を要する。大湯環状列石では立石下に死者が埋葬されているが、伊勢堂岱遺跡では丸く配置されている石の中央に死者が埋葬されている。

遺跡範囲は20万平方メートルに広がっており、環状列石は遺跡北西部に集中している。また、遺跡の東部には100メートルを越える縄文時代の溝状遺構が発見されている[4]。

その少し北にも環濠遺構が発掘されているが、これは戦国時代の比内浅利氏の家臣の城跡であると推定されている。伊勢堂岱遺跡の近くにある小ヶ田集落の住民の祖先は元々浅利氏の家臣であり、この台地に城跡があったとする言い伝えが残されている。

伊勢堂岱遺跡の環状列石は、米代川、小猿部川、湯車川といった河川から採取された20種類以上の岩石が使われている。これに対して、大湯環状列石では石英閃緑ひん岩のみが使用されている。

歴史

[編集]
伊勢堂岱遺跡からの景観を守るため、半地下方式で秋田内陸線と県道の下を通る秋田自動車道
縄文館近くの休耕田に咲く大賀ハス
●1992年︵平成4年︶度
大館能代空港へのアクセス道路[5]建設の際に北秋田郡鷹巣町脇神︵現・北秋田市︶で発見された。
●1994年 - 95年︵平成6 - 7年︶度
直径約32メートルの環状列石Aと、確認長15メートルの弧状をなす環状列石Bを確認した。
●1996年︵平成8年︶度
柱穴群が掘立柱建物群であることが分かった。
直径約45メートルの環状列石Cの存在を確認した。
調査終了後に遺跡を埋め戻すことも考慮されたが、遺跡の重要性からアクセス道路の進路を曲げて、この遺跡を保存しさらに発掘することを決定した。
●1997年 - 2000年︵平成9 - 12年︶度
約20万平方メートルに広がる遺跡であることや、環状列石Cの南側に直径約36メートルの環状列石Dが見つかった。
縄文時代後期前葉に属していて、4つの環状列石を中心とし、掘立柱建物跡、配石遺構、土坑群、捨て場等で構成される大規模な祭祀の場であることが判明した。
●2001年︵平成13年︶1月29日
遺跡範囲のうち、約16万平方メートルが国の史跡に指定された[6]。
●2008年︵平成20年︶度
100メートルを超える溝状遺構が見つかった。
●2015年︵平成27年︶12月
史跡と一体となった周辺地域の景観を保全・継承・健全に発展することを目的として、﹁伊勢堂岱遺跡景観計画﹂を策定した[7]。
●2016年︵平成28年︶度
伊勢堂岱遺跡の東側の低地に、ガイダンス施設の伊勢堂岱縄文館、体験学習広場、野外イベント広場、土舞台などが4月23日オープンした[3]。
●2017年︵平成29年︶度
熊の出没等が相次いだ為、7月から一般公開を中止。周辺の樹木を伐採し緩衝帯を設け、電気柵、監視カメラを設置し、安全対策を行った[8]。

伊勢堂岱縄文館

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展示室入口に設置の板状土偶

伊勢堂岱縄文館（いせどうたいじょうもんかん）は、秋田県北秋田市脇神にあるガイダンス施設である。

概要

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史跡伊勢堂岱遺跡の保存と活用のため、遺跡東側徒歩2分のところに設置された。

展示室は、伊勢堂岱遺跡や北秋田市内の縄文遺跡出土品を展示し、遺跡を解説した映像を、英語・中国語・韓国語・日本語で上映している。小規模の講演会や、勾玉や土器づくりなどの体験ができるコーナーもある[3]。

開館時間・休館日

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  • 開館時間
    • 午前9時から午後5時（入館は午後4時30分）まで
  • 観覧料
    • 無料
  • 休館日
    • 毎週月曜日（月曜日が祝日の場合は翌日）
    • 年始年末（12月29日から1月3日まで）

※縄文館が休館の日は、遺跡も閉鎖となる。（遺跡の公開は4月下旬頃 - 10月末まで）

遺跡と展示室のガイドは、予約が必要。

イベント

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  • 縄文まつり（9月）
  • ガイダンス施設
    ガイダンス施設
  • 市内縄文遺跡出土の土偶
    市内縄文遺跡出土の土偶
  • 伊勢堂岱遺跡の出土品
    伊勢堂岱遺跡の出土品

アクセス

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縄文小ヶ田駅と白神山地

脚注

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[脚注の使い方]


(一)^ “縄文遺跡群、世界遺産登録決定 本県2件目、文化遺産は初”.  秋田魁新報社. 2021年7月27日閲覧。

(二)^ 広域連携でPRも、北鹿新聞 p.1、2021年8月4日

(三)^ abc“伊勢堂岱縄文館”.  北秋田市. 2017年6月11日閲覧。

(四)^ “伊勢堂岱遺跡︵いせどうたいいせき︶約4,000年前-約3,700年前 北秋田市 2001年 国指定史跡”.  秋田県教育庁生涯学習課. 2017年6月10日閲覧。

(五)^ のちに秋田県道として秋田県道325号あきた北空港西線に認定され、2012年に秋田県道325号大館能代空港西線となる。

(六)^ 北秋田市 (December 2015). 伊勢堂岱遺跡景観計画 (PDF) (Report). p. 6. 2017年6月12日閲覧。

(七)^ “国指定史跡伊勢堂岱史跡景観計画”.  北秋田市. 2018年7月15日閲覧。

(八)^ “遺跡に春到来 公開始まる”.  北秋田市. 2018年6月27日閲覧。

(九)^ 令和2年度 森吉山周遊乗合タクシーの運行について 北秋田市

参考資料

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  • 北海道・北東北の縄文遺跡群リーフレットシリーズ18 史跡 伊勢堂岱遺跡、北秋田市教育委員会縄文遺跡群世界遺産登録推進本部

関連項目

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ウィキメディア・コモンズには、伊勢堂岱遺跡に関連するカテゴリがあります。

外部リンク

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北海道

三内丸山遺跡

青森県

岩手県

秋田県

トピック

文化

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縄文土器

民族

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座標: 北緯40度12分04秒 東経140度20分53秒 / 北緯40.201111度 東経140.348056度 / 40.201111; 140.348056

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