利用者:要塞騎士/sandbox/8

下書き：室蘭女子高生失踪事件

室蘭女子高生失踪事件
場所	日本: 北海道室蘭市
日付	2001年（平成13年）3月6日 13時30分ごろ (UTC+9)
行方不明者	1人
管轄	北海道警察（捜査一課・室蘭警察署）

室蘭女子高生失踪事件︵むろらんじょしこうせいしっそうじけん︶は、2001年︵平成13年︶3月6日に日本の北海道室蘭市で発生した未解決の失踪事件。室蘭栄高校の1年生だった女子高生A︵当時16歳︶がアルバイト先のパン屋へ行くと言って自宅を出て以降、行方不明になった事件である。Aの行方を追っている北海道警察には2002年︵平成14年︶以降、事件発生から23年となる2024年︵令和6年︶3月までに290件の情報提供がなされているが、事件解決には至っていない。

Aが事件当時在学していた室蘭栄高校は2001年3月5日に期末試験を終え、Aが失踪した6日からは入試などのため3連休になっていた。Aは6日昼過ぎ、室蘭市白鳥台一丁目の自宅から外出し、近くの﹁白鳥台中央﹂バス停で12時30分発の市街地ターミナル行きバスに乗車する姿を友人に目撃されている。その後、Aは13時5分に﹁東町2丁目﹂バス停で下車し、13時30分ごろに同市東町の﹁室蘭サティ﹂︵現‥イオン室蘭店︶化粧品売り場にいたことが確認されている。同日13時4分と同26分には、それぞれ店内に設置された防犯カメラ映像にAの姿が記録されている。

それとほぼ同じころ、サティ北側の路上で高校の友人2人がAとすれ違い、Aから﹁どこにいくの﹂と声をかけられたが、これがAの最後の目撃情報である。Aはサティに立ち寄った後、近くの﹁東町2丁目﹂バス停から中央町・工大循環線のバスに乗車、13時40分ごろ、知利別町一丁目の﹁東通﹂バス停で下車したと見られる。Aは13時42分と46分の2回、バス停およびバス停から約25メートル離れたアルバイト先のパン屋の本店の近くで、PHSを用いて友人と会話していた。この時、電話の内容は緊迫した様子ではなかったという。

13時40分ごろ、知人男性とPHSで通話した際に﹁下︵市街地︶に着いた﹂と話していたが、知人男性から45分ごろに電話を受けた際には﹁今ちょっと無理だから、後でかけ直すね﹂と話しており、それを最後に消息不明になっている。

室蘭栄高校は室蘭署が公開捜査を開始して以降、同月23日の終業式までに生徒たちへの経過説明を行った他、父母にも春休み中の子供への助言と情報提供を喚起した。Aは失踪後の2001年4月、失踪時点で在学していた1年4組と同じ担任の2年4組にクラス配置された。これは室蘭栄高校が、Aが元気に戻ってくることを考慮したものであり、A宅に教科書を届け、いつでも授業に復帰できるよう体制を整えていた。また、Aは同月12日に17歳の誕生日を迎えている。Aは2003年︵平成15年︶3月に高校を卒業する見込みだったが、2年生の出席日数が不足しているという理由から3年生に進級せず、失踪当時の同級生たちが卒業した同年4月以降も2年4組に在学中の扱いになっていた。2004年3月時点でも、高校は通学再開に備えてAの机と靴ロッカーを用意していた。失踪から20年が経過した2021年︵令和3年︶3月時点でも、Aは同校に休学中のまま在学している扱いになっている。

Aが最後に目撃された﹁東町2丁目﹂バス停には2021年3月時点で、事件の情報提供を呼びかける立て看板が設置されている。


当時のAの服装は、ベージュのブレザーと紺のジーンズ、チェックのマフラーで、ピアスと銀の指輪を着けていた。また靴は緑色の革靴︵サイズは23.5 cm︶である。

Aは当時、PHSを持っていたが、これも6日夕方から電源が切れている。室蘭警察署はAの家族から捜索願を受け、事件・事故に巻き込まれた可能性もあると見て、失踪翌日の3月7日から捜査対策室を設置して行方を捜した。

室蘭署は同月17日から公開捜査を開始し、失踪から1か月となる4月5日までに捜査員約60人体制で捜査を続け、チラシ6万枚を配布した。道警捜査一課と室蘭署は同年9月6日までに1万人超、2002年3月5日までの1年間で延べ14300人の捜査員を動員し、180件の情報提供を得たが、有力な情報は得られなかった。提供された情報の中には﹁千葉県内の飲食店で、似た人が働いている﹂などの情報もあったが、Aとは別人だった。情報提供の件数は2006年2月までに約270件におよんだが、2004年は25件、2005年は7件と著しく減少していた。2014年3月時点で、室蘭署内には﹁対策室﹂が設置され、専従捜査員6人が捜査を続けていた。2020年︵令和2年︶3月2日時点で、道警には435件の情報提供がなされている。2021年︵令和3年︶10月には、室蘭署がAの家族から同意を得た上で、警察庁科学警察研究所の加齢顔画像作成システムを活用し、現在の容姿を推定した新たな画像を作成し、情報提供呼び掛けに利用している。2002年から2023年3月までに全国から計273件の情報提供があり、その約4割はAに似た女性を見かけたというものだったため、捜査員が裏付け操作を行ったが、解決には至らなかった。

事件から10年後の2011年2月3日に放送された﹃スーパーJチャンネル﹄︵テレビ朝日系列︶によれば、パン屋の店主は事件後に多額の債務を抱えて閉店し、自己破産したという。

インターネット上では事件から23年が経過した2024年時点でも、SNSに事件を考察する記事が多数掲載されたり、関連動画がアップされるなどしており、注目度が高い事件である。片岡健はこの事件について、失踪したAが美少女であることに加え、失踪経緯も謎が多いことから、2024年時点でも注目を集めている事件であると評している。

• テレビ朝日系列『奇跡の扉 TVのチカラ』2003年3月1日放送回
• テレビ朝日系列『スーパーJチャンネル』2011年2月3日放送回

脚注

出典

参考文献

●片岡健﹁室蘭女子高生失踪事件 ﹁今は話せないから後でかけ直すね﹂ これが最後の言葉だった……﹂﹃昭和の不思議101 2024年夏の男祭号﹄44号、大洋図書︿ミリオンムック﹀、2024年7月15日、28-33頁。ISBN 978-4813048442。 

関連項目

外部リンク

●﹁室蘭市内から行方不明の女子高校生に関する情報提供のお願い﹂北海道警察。2024年6月19日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年6月23日閲覧。

下書き‥横浜OL殺害事件

横浜OL殺害事件
場所	日本: 神奈川県横浜市瀬谷区二ツ橋町
座標	北緯35.47195360366525度 東経139.49471291301833度 / 35.47195360366525; 139.49471291301833
日付	2000年（平成12年）10月16日 (UTC+9)
攻撃側人数	1人
死亡者	1人
被害者	女性A
犯人	男H（被害者Aの元同級生）
謝罪	Hは自首直後に謝罪したが後に否認に転じ、公判で被害者遺族に暴言を吐いた。
刑事訴訟	無期懲役
民事訴訟	加害者家族に対し、被害者遺族へ賠償金5510万円支払いを命じる判決が確定（不履行）
管轄	神奈川県警察（捜査一課・瀬谷警察署） 横浜地方検察庁

横浜OL殺害事件︵よこはまオーエルさつがいじけん︶は、2000年︵平成12年︶10月16日に日本の神奈川県横浜市瀬谷区で発生した殺人事件。帰宅途中の女性会社員A︵当時22歳︶が、中学時代の同級生であった男Hに車で轢かれ、包丁で首を刺されて殺害された。HはAに一方的に思いを募らせており、乱暴目的でAを待ち伏せて犯行におよんでいた。

Hは事件から3年後の2003年︵平成15年︶9月に神奈川県警へ自首し、同年11月に殺人などの容疑で逮捕・起訴されたが、刑事裁判の公判では犯行を否認し、Aの遺族である両親に対し﹁お前らが迎えに行かなかったから娘は死んだんだよ﹂と暴言も吐いた。Aの母親は事件後にPTSDに苦しみ、2006年︵平成18年︶8月に自殺している。刑事裁判では2007年︵平成19年︶にHを無期懲役とした有罪判決が確定し、またAの遺族がXに対して起こした民事訴訟でもHに慰謝料など約5510万円の賠償を命じた判決が言い渡されているが、Hおよびその家族は犯行を否定し、これらの判決が確定してからも賠償金を支払っていない。

捜査

事件発生を受け、神奈川県警察は瀬谷警察署に特別捜査本部を設置した。特捜本部は90人体制で現場周辺の聞き込み、変質者の洗い出しなどを行ったが

Aの交友関係などにはトラブルが見られなかったため、特捜本部は通り魔的犯行と見て捜査し、過去に性犯罪などで摘発したことがある約60人をリストアップしたり、2000年に瀬谷区内で発生した約25件のわいせつ事件との関連を調べたりした。また2002年︵平成14年︶10月までに付近の住民等約2万人から聞き込み捜査を行うなどしたが、屋外の事件であることから物的証拠が少なく、有力な手掛かりがなかったため、捜査は難航していた。神奈川県警捜査一課の元警部補であり、事件の捜査に携わった佐藤則政は事件後、﹁おかしな動きをする車がある﹂との情報提供を得て、その車の持ち主が現場付近に住んでおり、女性に暴力をふるった過去を有する元公務員の男であることを突き止め事情聴取を行ったが、彼は事件とは無関係であることが判明したという。

2003年4月21日にテレビ朝日系列で放送された﹃奇跡の扉TVのチカラ﹄ではで事件が取り上げられ、﹁超能力者による透視﹂によって作成されたとする犯人の似顔絵が放送された。この似顔絵は、後に逮捕されたHの顔と一部似ている点があったとされる。

Hは9月6日、﹁3年前に家の近所で交通事故を起こし、相手の女性と口論になり殺してしまった。自首したい﹂などと自ら110番通報して瀬谷署に出頭した。これを受けて特捜本部は任意で複数回に渡る事情聴取を行い、犯行車両に傷があり、またAの左腰にも車にはねられた痕があることや、H宅から押収された包丁の刃の形がAの首の傷口と一致したことなどから、同年11月5日、Hを殺人などの容疑で逮捕した。Hは送検後も途中までは容疑を認めていたが、後に供述調書の作成に応じず黙秘するようになった。横浜地方検察庁は同月27日、Hを殺人などの罪で起訴した。検察官は後の公判で、Hは逮捕後に死刑や無期懲役になることを恐れ、一部虚偽の話をするようになったと主張している。

刑事裁判

刑事裁判の第一審は横浜地方裁判所第2刑事部に係属し、初公判から判決公判まで松尾昭一が裁判長を務めた。2004年︵平成16年︶2月19日に第一審の初公判が開かれたが、被告人Hは罪状認否で起訴内容を全面的に否認した。

同年12月19日に論告求刑公判が開かれ、検察官はHに無期懲役を求刑した。翌2005年︵平成17年︶1月17日の後半では弁護人が最終弁論を行い、Hは改めて無罪を主張した。

2007年︵平成19年︶6月12日付で最高裁判所第三小法廷︵藤田宙靖裁判長︶がHの上告を棄却する決定を出したため、Hの無期懲役が確定した。Aの父親は判決確定後のXについて、服役態度が悪く、服役先である刑務所で6か月中4か月にわたって独房や懲罰房に入れられるなどしていると述べている。

民事訴訟

Aの父親は2006年︵平成18年︶12月22日、Hを相手取って約5510万円の損害賠償を請求する訴訟を横浜地裁に提起した。Aの父親は、娘の逸失利益と慰謝料を約6280万円と算定した上で、提訴前に死亡した妻の相続分を一部引き継ぎ、計5510万円賠償金支払いを求めた。また妻の死に対する責任も問うことを検討したが、因果関係の立証が困難として断念している。一方で被告であるH側は﹁自白調書に信用性はなく、加害行為は行っていない﹂として請求棄却を求めた。また供述の任意性・信用性について争うため、心理学者に供述調書の鑑定を依頼していたが、その鑑定が遅れているという理由から鑑定書や中間報告書の提出期限の延期を繰り返し、口頭弁論を継続するよう求めていた。しかし横浜地裁︵江口とし子裁判長︶は2010年︵平成22年︶5月14日、H側の口頭弁論続行を求める主張を退けて結審し、判決期日を同年8月27日に指定した。H側は同日付で、供述の分析を行っている最中に判決を宣告する裁判所の姿勢は遺憾であるとして、判決前に少なくとも1回は弁論期日を入れることが相当であるとする意見書を提出した。

横浜地裁︵江口とし子裁判長︶は同年8月27日、原告であるAの父親の主張を全面的に認め、Hに対し全請求額を支払うよう命じる判決を言い渡した。同判決はHの自白供述について信用性を認め、Hの反論について﹁的確なものは何一つない﹂と認定した。判決後にHの代理人は控訴する意向を示したが、東京高裁でもAの父親の主張がほぼすべて認められ、2011年︵平成23年︶1月に請求通りの賠償金支払いを求める判決が確定している。 しかしH本人からも両親からも支払いを拒否され、民法で規定された履行されない賠償金の請求権の時効︵10年︶が迫っていたことから、勝訴から10年後の2021年︵令和3年︶1月に再提訴し、2か月後には同額の賠償命令が確定している。日本弁護士連合会︵日弁連︶が2015年に実施したアンケートによれば、殺人事件の被害者遺族が民事裁判などで加害者に損害賠償請求訴訟を起こして勝訴したとの回答は21件あったが、うち13件は全く支払いがなされておらず、残る8件も賠償金の一部が支払われたのみで、裁判所の賠償命令総額に対する回収率は3.2％にとどまっていることが判明している。このような実情から、Aの父親が加入している全国犯罪被害者の会︵あすの会︶は裁判所が加害者に命じた賠償債権を国が買い取り、加害者に変わって被害者に支払う制度の確率などを求めていく方針であることが2022年に報じられている。

Hの父親は2017年︵平成29年︶福島県白河市︵旧‥表郷村︶に在住しているが、マッド三枝の取材に対しても事件については﹁弁護士に任せてある﹂と答えるだけで、自身が子供を殺された被害者遺族の立場だったら犯人を許せるかという質問に対しては﹁許せない﹂と答えたものの、賠償する意思はあるのかという質問に対しては回答を拒否している。またAの父親への賠償金も全く支払っておらず、2017年︵平成29年︶2月にAの父親が自宅を訪れてきた際も接触を拒み、﹁本当にうちのせがれがやったかどうか、分からない﹂と発言するなどしている。

事件後の被害者遺族

Aの父親は事件を契機に犯罪被害者遺族への支援環境に対する問題意識を抱き、定年退職後に全国犯罪被害者の会︵あすの会︶の副代表幹事に就任したほか、内閣府の犯罪被害者等施策推進会議専門委員として第3次犯罪被害者等基本計画の策定に携わり、川崎市の犯罪被害者等支援条例案を検討する有識者会議の委員も務めた。また2014年には﹁被害者が創る条例研究会﹂を発足し、発起人として犯罪被害者の日常生活や被害の回復に向けた支援を行うための条例のモデル案を全国の自治体に送付し、その制定を促している。犯罪被害者の支援のあり方を考える集いで講演活動も行っており、犯罪被害者に対しては被害者を悼む気持ちで事件前と変わらず接することが必要であると述べている。

脚注

出典

参考文献

●第一審判決 - 横浜地方裁判所第2刑事部判決 2005年︵平成17年︶3月28日 ﹃D1-Law.com判例体系﹄判例ID‥28105437、平成15年(わ)第3164号、﹃殺人、強姦致死被告事件﹄。
●裁判官‥松尾昭一︵裁判長︶・荒木未佳・上原恵美子

●判決主文‥被告人を無期懲役に処する。未決勾留日数中250日をその刑に算入する。押収してある洋包丁1本︵平成16年押第32号の1︶を没収する。

●藤井誠二﹁第三章 横浜・OL殺害事件の遺族が語る﹁母親の死﹂﹂﹃アフター・ザ・クライム 犯罪被害者遺族が語る﹁事件後﹂のリアル﹄︵第1刷発行︶講談社、2011年2月24日、125-152頁。ISBN 978-4062168274。 NCID BB05449800。国立国会図書館書誌ID:000011129348・全国書誌番号:21907014。  - ﹃プシコ﹄︵ポプラ社︶2007年4月号掲載記事を加筆修正。

関連項目