角田文衞
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角田 文衞︵つのだ ぶんえい、1913年4月9日 - 2008年5月14日︶は、日本の歴史学者︵古代学専攻︶、従四位勲三等文学博士。福島県伊達郡桑折町出身。
研究分野は文献史学と考古学の両分野と、日本・アジア・ヨーロッパ・アフリカにまたがるという幅広いものである。成城高等学校在学中から濱田耕作の学問を慕い、京都帝国大学に進学して濱田の指導により考古学を学んだ。主要な研究テーマは、日本の奈良・平安時代史、古代ギリシア・ローマ考古学、ヨーロッパ・アフリカの旧石器考古学、ユーラシア北方考古学、古代学方法論、などである。
経歴
●1913年4月9日 - 福島県桑折町に生まれる ●1937年 - 京都帝国大学文学部史学科考古学専攻卒業 ●1939年 - 1942年、日伊交換学生としてイタリアに留学 ●1942年 - 1947年、太平洋戦争中には満洲に出征し、戦後シベリア抑留 ●1947年 - 1953年、大阪市立大学助教授 ●1953年 - 1968年、大阪市立大学教授 ●1968年 - 文学博士︵大谷大学、学位論文﹁紫式部とその時代﹂︶ ●1968年 - 1988年、︵財︶古代学協会・平安博物館館長兼教授 ●1986年 - 勲三等瑞宝章受章 ●1988年 - 2006年、︵財︶古代学協会・古代学研究所所長兼教授 ●1990年 - 2007年、︵財︶古代学協会理事長 ●2007年 - 2008年、︵財︶古代学協会名誉会長 ●2008年5月14日午後11時59分、急性呼吸器不全によって自宅に逝去︵享年95︶。叙従四位。著作
単著
●﹃古代史通論 第1分冊﹄ 三明社、1950年。 ●﹃歐洲の四季﹄ 三明社、1950年。 ●﹃古代学序説﹄ 山川出版社、1954年。 ●﹃古代北方文化の研究﹄ まさき会祖国社、1954年。 ●﹃原始社会﹄ 弘文堂、1955年。 ●﹃西洋文化の誕生﹄ 三省堂出版、1956年。 ●﹃佐伯今毛人︵人物叢書︶﹄ 吉川弘文館、1963年。 ●﹃承香殿の女御 復原された源氏物語の世界﹄ 中公新書、1963年。 ●﹃中務典侍 枇杷皇太后の乳母・藤原高子の生涯﹄ 古代学協会、1964年。 ●﹃律令国家の展開﹄ 塙書房、1965年。 ●﹃紫式部の身辺﹄ 古代学協会、1965年。 ●﹃紫式部とその時代﹄ 角川書店、1966年。 ●﹃王朝の映像-平安時代史の研究﹄ 東京堂出版、1970年。 ●﹃日本の後宮﹄学燈社、1973年。 ●﹃王朝の明暗-平安時代史の研究 第2冊 ﹄ 東京堂出版、1975年。 ●﹃椒庭秘抄―待賢門院璋子の生涯﹄ 朝日新聞社、1975年。のち朝日選書 ●﹃平家後抄 落日後の平家﹄ 朝日新聞社、1978年。 のち講談社学術文庫上下 ●﹃ヨーロッパ古代史論考﹄ 平凡社、1980年。 ●﹃日本の女性名﹄︵上、中、下︶ 教育社、1980-1988︵2006年、国書刊行会から一巻本として復刊︶ ●﹃王朝史の軌跡﹄ 学燈社、1983年。 ●﹃平安の春﹄ 朝日新聞社、1983年。 のち講談社学術文庫 ●﹃京の朝晴れ﹄ 角川書店、1983年。 ●﹃角田文衞著作集﹄全7冊 法藏館、1984年-1986年。 ●﹃平安京散策﹄ 京都新聞社、1991年。 ●﹃王朝の残映-平安時代史の研究第3冊 ﹄東京堂出版、1992年。 ●﹃転換期の考古学﹄ 雄山閣出版、1993年。 ●﹃京の夕映え﹄ 東京堂出版、1993年。 ●﹃薄暮の京﹄ 東京堂出版、2001年。 ●﹃二条の后藤原高子﹄ 幻戯書房、2003年。 ●﹃古代学の展開﹄ 山川出版社、2005年。 ●﹃紫式部伝 その生涯と﹃源氏物語﹄﹄ 法藏館、2007年。 ●﹃平城時代史論考﹄ 吉川弘文館、2007年。編纂・共著
●﹃国分寺の研究﹄全2巻 考古学研究会、1938年。 ●﹃おもしろく源氏を読む﹄︵中村真一郎と対談︶ 朝日出版社、1980年。 ●﹃平安の都﹄ 朝日選書、1994年。 ●﹃考古学京都学派﹄ 雄山閣出版、1994年。 ●﹃源氏物語の地理﹄ 加納重文共編 思文閣出版、1999年。 ●﹃平安時代史事典﹄監修・共著 角川書店、1994年。 ●﹃平安京提要﹄監修・共著 角川書店、1994年。 ほか、編著、訳書、論文報告多数。参考文献
- 『古代世界の諸相』(角田文衛先生傘寿記念会・晃洋書房、1993年)
- 『角田文衞博士の学風と軌跡』(角田文衞先生米寿記念会、2001年)
- 吉川弘文館『日本歴史』2008年9月号 No.724 学界消息・角田文衞氏の訃(山田邦和) p139
- 古代学協会『古代文化』2008年9月号 Vol.60 No.2 追悼角田文衞博士(坂詰秀一)