EXPO'70パビリオン
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鉄鋼館︵てっこうかん︶は、日本万国博覧会︵以下、大阪万博︶に日本鉄鋼連盟が出展したパビリオンの名称であり、テーマ館の太陽の塔とともに現存する数少ないパビリオンである。大阪万博のパビリオンの中では唯一、恒久利用を想定して建設されたパビリオンである。テーマは音楽、施設の中心は音楽堂のスペース・シアターであり、会期中も毎日演奏が行なわれた。また、閉幕後には、コンサートや集会の場として活用されるよう設計されていた。ただ、実際には、閉幕後に音楽ホールとして利用されることはなかった。公式に日本万国博覧会記念協会や日本鉄鋼連盟が、公演を行なわなかった理由を示したことはない。万国博の会期中に設けられた万国博中央口駅︵北大阪急行電鉄会場線︶や万国博西口駅︵阪急千里線︶は臨時駅で閉幕とともに閉鎖された[1]ことから、閉幕以降大阪高速鉄道大阪モノレール線万博記念公園駅が開通する1990年までの間、鉄道による直接のアクセスが存在しない立地であった。
建築概要
- 延床面積:3,567m²
- 設計:前川國男
スタッフ
展示物
スペースシアター
ステージ︵直径 8m︶の全周を観客席がとりまく配置の館内ホールである。
スピーカーは、総数 820台 1,008個。スピーカーユニットの設計はNHK放送技術研究所︵藤田尚であり、三菱電機が製造した。電子的自動音量制御システムの製造は、立石電機である。
大阪万博で建設が構想された音楽堂は、この鉄鋼館のほかに、ドイツ館︵カールハインツ・シュトックハウゼン指揮︶と、未完に終わった大原立体音楽堂がある。
会期中の音楽上演‥13:00~21:00 1時間間隔で上演︵録音音源による︶
会期中、同時上映‥﹃エンカウンター'70﹄︵宇佐美圭司作︶
ミュージック・トゥディ
1970年8月21日から8月24日の間に、毎日上演されたコンサート・シリーズである。
プロデュースは、武満徹、武田明倫、高橋悠治。
この構想は、西武劇場の﹁今日の音楽﹂というシリーズに受け継がれる。また、用いられた音源は、﹃スペース・シアター‥EXPO'70鉄鋼館の記録﹄と名づけられたLPレコードとして残された︵ビクター音楽産業、1970年︶。その後、CD化もされている。﹁クロッシング﹂︵武満徹︶、﹁エゲン﹂︵高橋悠治︶、﹁ヒビキ・ハナ・マ﹂︵ヤニス・クセナキス︶で構成される[3]。
脚注
参考文献
外部リンク
座標: 北緯34度48分33.4秒 東経135度32分8.7秒 / 北緯34.809278度 東経135.535750度