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「J・D・サリンジャー」の版間の差分

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晩年のサリンジャーは人前に出ることもなく、2メートルの塀で囲まれた屋敷の中で生活をしていたとされる。彼には世捨て人のイメージがつきまとうようになり、一度小説を書き始めると何時間も仕事に没頭し続けており、何冊もの作品を書き上げている、など様々な噂がなされた。ただ、実際にはサリンジャーは、町で「ジェリー」と呼ばれて親しまれ、子供たちとも話をし、毎週土曜に教会の夕食会に参加するなど、地域に溶け込んで暮らしていたという。住民の間では彼の私生活を口外しないことが暗黙の了解だった<ref>[http://www.47news.jp/47topics/e/152592.php 【サリンジャー氏死去】晩年の暮らしぶりが判明…]</ref>。

晩年のサリンジャーは人前に出ることもなく、2メートルの塀で囲まれた屋敷の中で生活をしていたとされる。彼には世捨て人のイメージがつきまとうようになり、一度小説を書き始めると何時間も仕事に没頭し続けており、何冊もの作品を書き上げている、など様々な噂がなされた。ただ、実際にはサリンジャーは、町で「ジェリー」と呼ばれて親しまれ、子供たちとも話をし、毎週土曜に教会の夕食会に参加するなど、地域に溶け込んで暮らしていたという。住民の間では彼の私生活を口外しないことが暗黙の了解だった<ref>[http://www.47news.jp/47topics/e/152592.php 【サリンジャー氏死去】晩年の暮らしぶりが判明…]</ref>。



[[1985年]]、作家・評論家の[[イアン・ハミルトン]]が、[[テキサス大学]]でサリンジャーの書簡多数を発見し、これを元に伝記を書いたが、校正刷りの段階でこれに異議を申し立てて裁判を起こした。ハミルトンは二度書き直したものの、サリンジャーはニューヨークの法廷に姿を現し、一審でハミルトン側が勝ったが、二審で覆り、結局ハミルトンはサリンジャーの書簡を引用しない版(『サリンジャーをつかまえて』、[[海保眞夫]]訳)を刊行した([[サリンジャー事件]])。

[[1985年]]、作家・評論家の[[イアン・ハミルトン]]が、[[テキサス大学]]でサリンジャーの書簡多数を発見し、これを元に伝記を書いたが、校正刷りの段階でサリンジャーが異議を申し立てて裁判を起こした。ハミルトンは二度書き直したものの、サリンジャーはニューヨークの法廷に姿を現し、一審でハミルトン側が勝ったが、二審で覆り、結局ハミルトンはサリンジャーの書簡を引用しない版(『サリンジャーをつかまえて』、[[海保眞夫]]訳)を刊行した([[サリンジャー事件]])。



[[2009年]]、『ライ麦畑でつかまえて』の続編と称した『[[:en:60 Years Later:Coming Through the Rye|60 Years Later:Coming Through the Rye]]』が[[スウェーデン]]の出版社[[:en:Nicotext|Nicotext]]から出版されると知り、その著者である{{仮リンク|ジョン・デヴィッド・カリフォルニア|label=J・D・カリフォルニア|en|John David California}}なる人物とNicotextとを相手取り、[[6月1日]]に[[著作権侵害]]で提訴した。訴状は「続編は[[パロディ]]ではないし、原作に論評を加えたり、批評したりするものでもない。ただ不当な作品にすぎない」として、出版の差し止めを求めた<ref>[http://jp.reuters.com/article/entertainmentNews/idJPJAPAN-38346220090602 『サリンジャー氏、「ライ麦畑でつかまえて」続編をめぐり提訴』] ロイター、2009年6月1日。</ref>。

[[2009年]]、『ライ麦畑でつかまえて』の続編と称した『[[:en:60 Years Later:Coming Through the Rye|60 Years Later:Coming Through the Rye]]』が[[スウェーデン]]の出版社[[:en:Nicotext|Nicotext]]から出版されると知り、その著者である{{仮リンク|ジョン・デヴィッド・カリフォルニア|label=J・D・カリフォルニア|en|John David California}}なる人物とNicotextとを相手取り、[[6月1日]]に[[著作権侵害]]で提訴した。訴状は「続編は[[パロディ]]ではないし、原作に論評を加えたり、批評したりするものでもない。ただ不当な作品にすぎない」として、出版の差し止めを求めた<ref>[http://jp.reuters.com/article/entertainmentNews/idJPJAPAN-38346220090602 『サリンジャー氏、「ライ麦畑でつかまえて」続編をめぐり提訴』] ロイター、2009年6月1日。</ref>。


2020年11月18日 (水) 15:38時点における版

J・D・サリンジャー
J. D. Salinger
サリンジャーの肖像画
誕生 ジェローム・デイヴィッド・サリンジャー
Jerome David Salinger
(1919-01-01) 1919年1月1日
アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国ニューヨーク州ニューヨーク
死没 (2010-01-27) 2010年1月27日(91歳没)
アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国ニューハンプシャー州コーニッシュ
職業 小説家
国籍 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
活動期間 1940年 - 1965年
代表作ライ麦畑でつかまえて』(1951年
署名
ウィキポータル 文学
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ジェローム・デイヴィッド・サリンジャー(Jerome David Salinger、1919年1月1日 - 2010年1月27日[1])は、アメリカ合衆国小説家。『ライ麦畑でつかまえて』などで知られる。

生涯

幼少期から作家になるまで


191911=8貿

19321退1939 (The Young Folks)  (19403-4) 25稿

1941 (Slight Rebelion off Madison) 1251946

19411943

軍歴


194221944368The Last Day of the Furlough194511

『ライ麦畑でつかまえて』


12I'm Crazy1946

19491950119502007600050

1

その後


195519531196119631965616退1967197218199050

2[2]

1985姿

200960 Years Later:Coming Through the RyeNicotextJDNicotext61[3]

2010127[1][4]

稿2019[5]

作品リスト

単行本


[6]

The Catcher in the Rye, 1951

1964U

2003U

Nine Stories, 1953
1974

1977

[7]2009

Franny and Zooey, 1961
1968

2014

Raise High the Roof Beam, Carpenters, and Seymour:An Introduction Stories , 1963
 --19701980

未単行本化中編


1965[8][6]

Hapworth 16, 1924, 1965
161977

16192420189

未単行本化短編

サリンジャーが雑誌に発表した30編の短編のうち、9編を選んで編まれた短編集が『ナイン・ストーリーズ』であり、それ以外の短編は米国では単行本化されていない[6]

  • The Young Folks (1940)
  • Go See Eddie (1940)
  • The Hang of It (1941)
  • The Heart of a Broken Story (1941)
  • The Long Debut of Lois Taggett (1942)
  • Personal Notes on an Infantryman (1942)
  • The Varioni Brothers (1943)
  • Both Parties Concerned (1944)
  • Soft-Boiled Sergeant (1944)
  • Last Day of the Last Furlough (1944)
  • Once a Week Won't Kill You (1944)
  • A Boy in France (1945)
  • Elaine (1945)
  • This Sandwich Has No Mayonnaise (1945)
  • The Stranger (1945)
  • I'm Crazy (1945)
  • Slight Rebellion Off Madison (1946)
  • A Young Girl in 1941 with No Waist at All (1947)
  • The Inverted Forest (1947)
  • A Girl I Knew (1948)
  • Blue Melody (1948)

未発表短編

  • "The Last and Best of the Peter Pans" (1942)
  • "The Magic Foxhole" (1944)
  • "Two Lonely Men" (1944)
  • "The Children's Echelon" (1944)
  • Three Stories
    • "Mrs. Hincher" or "Paula" (1941)
    • "The Ocean Full of Bowling Balls" (1945)
    • "Birthday Boy" (1946)

研究・評伝等

  • ウォーレン・フレンチ『サリンジャー研究』田中啓史訳、荒地出版社、1979年
  • イアン・ハミルトン『サリンジャーをつかまえて』海保真夫訳、文藝春秋、1992年 / 文春文庫、1998年
  • ジョイス・メイナード『ライ麦畑の迷路を抜けて』野口百合子訳、東京創元社、2000年
  • マーガレット・A・サリンジャー『我が父サリンジャー』亀井よし子訳、新潮社、2003年
  • ポール・アレクサンダー『サリンジャーを追いかけて』田中啓史訳、DHC、2003年
  • ケネス・スラウェンスキー『サリンジャー 生涯91年の真実』田中啓史訳、晶文社、2013年
  • デイヴィッド・シールズ、シェーン・サレルノ『サリンジャー』坪野圭介・樋口武志訳、角川書店(KADOKAWA)、2015年
  • 渥美昭夫、井上謙治『サリンジャーの世界』荒地出版社、1969年
  • 田中啓史『「ライ麦畑のキャッチャー」の世界』開文社、1994年
  • 野間正二『「キャッチャー・イン・ザ・ライ」の謎をとく』創元社、2003年
  • 野間正二『戦争PTSDとサリンジャー』創元社2005年
  • 森川展男『サリンジャー 伝説の半生、謎の隠遁生活』中公新書、1998年
  • 竹内康浩『サリンジャー解体新書「ライ麦畑でつかまえて」についてもう何も言いたくない』荒地出版社、1998年
  • 田中啓史編著『イエローページ サリンジャー作品別(1940~1965)』荒地出版社、2000年
  • 村上春樹、柴田元幸『翻訳夜話2 サリンジャー戦記』文春新書、2003年
  • 田中啓史『ライ麦畑でつかまえて』ミネルヴァ書房、2006年

注釈



(一)^ ab91.  AFP (2010129). 2010129

(二)^ 

(三)^  200961

(四)^ 20101301339

(五)^ 稿.   (201923). 201922

(六)^ abc6516

(七)^ vol.3vol3.5

(八)^  'From Salinger, A New Dash Of Mystery,' The New York Times, February 20, 1997