アブダビグランプリ
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ヤス・マリーナ・サーキット (2021-) | |
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レース情報 | |
---|---|
周回 | 58[1] |
コース長 | 5.281[1] km (3.281 mi) |
レース長 | 306.183[1] km (190.253 mi) |
開催回数 | 15 |
初回 | 2009年 |
最多勝利 (ドライバー) |
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最多勝利 (コンストラクター) |
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最新開催(2023年): | |
ポールポジション |
![]() レッドブル-ホンダ・RBPT 1:23.445 |
決勝順位 |
1. ![]() レッドブル-ホンダ・RBPT 1:27:02.624 2. ![]() フェラーリ +17.993s 3. ![]() メルセデス +20.328s |
ファステストラップ |
![]() レッドブル-ホンダ・RBPT 1:26.993 |
アブダビグランプリ︵アブダビGP, 英: Abu Dhabi Grand Prix, アラビア語: أبوظبي سباق الجائزة الكبرى︶はアラブ首長国連邦 (UAE) のアブダビのヤス・マリーナ・サーキットで2009年に初開催されたF1レースの1戦。首都名を冠しているが、UAEで開催される唯一のグランプリである。
概要[編集]
2008年6月のF1フェスティバルで開催が発表され、開催初年度の2009年はF1最終戦として開催された。翌2010年も最終戦として開催されたが、2011年から2013年の間は最終戦の一つないし二つ前のレースとして開催されていた。しかし、2014年以降は最終戦での開催が続いている。 開催期間に関しては、2014年11月に2016年までの開催契約を複数年延長することを発表[2]。2021年12月には2030年までの開催契約を締結したことが発表され[3]、契約上は2030年まで開催される予定である。 グランプリの主催者はBBCの取材に、将来、ナイトレースの開催の可能性があると語っていた[4]。2009年は現地時間夕方の午後5時からレースを開始する﹁トワイライトレース﹂という形になった[注 1]。レース後半は日が落ちるためナイトレースに対応する照明設備を備えている。 冠スポンサーをエティハド航空が務めており、大会名は﹁FORMULA 1 ETIHAD AIRWAYS ABU DHABI GRAND PRIX﹂となる。特筆すべきレース[編集]
前述した通り、2009-2010年及び2014年以降はシーズン最終戦として開催されていることから、チャンピオン決定の舞台となる年が多い[5]。
●2010年 - ランキング首位のフェルナンド・アロンソ︵フェラーリ︶、2位マーク・ウェバー、3位セバスチャン・ベッテル︵ともにレッドブル︶、4位ルイス・ハミルトン︵マクラーレン︶の4人にチャンピオン獲得の可能性が残る中迎えたレースはベッテルがポール・トゥ・ウィンで制し、23歳134日の史上最年少チャンピオンが誕生した[6]。
●2014年 - ハミルトンとニコ・ロズベルグのメルセデス勢によるチャンピオン争いは、ポールポジションを獲得したロズベルグがマシントラブルでポイント圏外まで後退する一方、好スタートを切ったハミルトンがレースを制し、2008年以来2度目のチャンピオンを決めた[7]。また、この年から最終戦のみポイントを通常[注 2]の2倍[注 3]与えられることになり[8]、フェリペ・マッサとバルテリ・ボッタスのウィリアムズ勢が表彰台を獲得したことにより、ウィリアムズは66点という1レースにおける史上最多ポイントを獲得した[9]。なお、最終戦のみポイント2倍のルールは不評だったこともあり1年で廃止されたため、ポイントが通常の2倍となったのはこのレースのみとなった[10]。
●2016年 - この年もハミルトンとロズベルグのメルセデス勢によるチャンピオン争いとなったが、2014年と異なりロズベルグがハミルトンをリードし、ロズベルグは3位以上になればハミルトンの結果に関係なくチャンピオンを獲得できる状況であった。ハミルトンはポール・トゥ・ウィンでレースを制したが、2位につけるロズベルグに対しあえてペースを落とす走りで後方のドライバーにオーバーテイクさせてチャンピオン圏外の4位以下に順位を落とす作戦を取るも、ロズベルグは2位を守りきって初のチャンピオンを獲得し[11]、5日後に引退を表明した[12]。
●2021年 - マックス・フェルスタッペン︵レッドブル︶とハミルトン︵メルセデス︶が1974年のエマーソン・フィッティパルディとクレイ・レガツォーニ以来F1史上2度目となる2人のドライバーが同点で迎える最終戦となった。ポールポジションはフェルスタッペンが獲得するが、スタートでハミルトンの先行を許し、その後もハミルトンが優位を保ったままレースは続いた。ところが、レース終盤にニコラス・ラティフィ︵ウィリアムズ︶がクラッシュしたことによりセーフティカーが導入されてから状況が一変する。フェルスタッペンはソフトタイヤに交換するが、首位をキープしたいハミルトンはハードタイヤのままステイを選択。ハミルトンとフェルスタッペンの間にいた周回遅れの5台を同一ラップに戻した後、最終ラップでセーフティカーが解除された。残り1周の一騎打ちはタイヤの優位性もあり、フェルスタッペンがハミルトンをオーバーテイクして勝敗が決し、フェルスタッペンが初のチャンピオンを獲得、ハミルトンはミハエル・シューマッハを抜く8度目のチャンピオンを残り1周で逸した[13]。ホンダエンジン︵パワーユニット︶を使用するドライバーがチャンピオンになったのは1991年のアイルトン・セナ以来30年ぶりで、このレースをもって第4期活動を終了するホンダは有終の美を飾った[14]。
過去の結果と開催サーキット[編集]
年 | 決勝日 | ラウンド | サーキット | 勝者 | コンストラクター | 結果 |
---|---|---|---|---|---|---|
2009 | 11月 | 1日17 | ヤス・マリーナ | ![]() |
レッドブル-ルノー | 詳細 |
2010 | 11月14日 | 19 | ヤス・マリーナ | ![]() |
レッドブル-ルノー | 詳細 |
2011 | 11月13日 | 18 | ヤス・マリーナ | ![]() |
マクラーレン-メルセデス | 詳細 |
2012 | 11月 | 5日18 | ヤス・マリーナ | ![]() |
ロータス-ルノー | 詳細 |
2013 | 11月 | 3日17 | ヤス・マリーナ | ![]() |
レッドブル-ルノー | 詳細 |
2014 | 11月23日 | 19 | ヤス・マリーナ | ![]() |
メルセデス | 詳細 |
2015 | 11月29日 | 19 | ヤス・マリーナ | ![]() |
メルセデス | 詳細 |
2016 | 11月27日 | 21 | ヤス・マリーナ | ![]() |
メルセデス | 詳細 |
2017 | 11月26日 | 20 | ヤス・マリーナ | ![]() |
メルセデス | 詳細 |
2018 | 11月25日 | 21 | ヤス・マリーナ | ![]() |
メルセデス | 詳細 |
2019 | 12月 | 1日21 | ヤス・マリーナ | ![]() |
メルセデス | 詳細 |
2020 | 12月13日 | 17 | ヤス・マリーナ | ![]() |
レッドブル-ホンダ | 詳細 |
2021 | 12月12日 | 22 | ヤス・マリーナ | ![]() |
レッドブル-ホンダ | 詳細 |
2022 | 11月20日 | 22 | ヤス・マリーナ | ![]() |
レッドブル-RBPT | 詳細 |
2023 | 11月26日 | 23 | ヤス・マリーナ | ![]() |
レッドブル-ホンダ・RBPT | 詳細 |
2024 | 12月 | 8日24 | ヤス・マリーナ | 詳細 |
開催されたサーキット[編集]
-
ヤス・マリーナ(2009-2020)
-
ヤス・マリーナ(2021-)
優勝回数[編集]
ドライバー[編集]
(2勝以上)
回数 | ドライバー | 優勝年 |
---|---|---|
5 | ![]() |
2011, 2014, 2016, 2018, 2019 |
4 | ![]() |
2020, 2021, 2022, 2023 |
3 | ![]() |
2009, 2010, 2013 |
- 太字は2024年のF1世界選手権に参戦中のドライバー。
コンストラクター[編集]
(2勝以上)
回数 | コンストラクター | 優勝年 |
---|---|---|
7 | ![]() |
2009, 2010, 2013, 2020, 2021, 2022, 2023 |
6 | ![]() |
2014, 2015, 2016, 2017, 2018, 2019 |
- 太字は2024年のF1世界選手権に参戦中のコンストラクター。
エンジン[編集]
(2勝以上)
回数 | メーカー | 優勝年 |
---|---|---|
7 | ![]() |
2011, 2014, 2015, 2016, 2017, 2018, 2019 |
4 | ![]() |
2009, 2010, 2012, 2013 |
2 | ![]() |
2020, 2021 |
![]() |
2022, 2023 |
- 太字は2024年のF1世界選手権に参戦中のメーカー。
- * ホンダ・レーシング(HRC)が製造するRBPT及びホンダ・RBPTと記録は別扱い。
脚注[編集]
注釈[編集]
(一)^ 2018年-2020年はレース開始時刻が午後5時10分に変更されたが、2021年から午後5時に戻された。“F1、各レース開始時間を刷新。欧州では多くが15時10分決勝スタートに”. motorsport.com (2018年2月2日). 2018年2月3日閲覧。“F1、2021年グランプリ開始時刻を発表…鈴鹿日本GPは14時スタート!リアルタイム視聴が難しいのは6戦”. Formula1-Data (2021年1月31日). 2021年12月10日閲覧。
(二)^ 1位から10位まで25-18-15-12-10-8-6-4-2-1の各点が与えられた。
(三)^ 1位から10位まで50-36-30-24-20-16-12-8-4-2の各点が与えられた。
出典[編集]
(一)^ abc“Abu Dhabi Grand Prix 2021 - F1 Race”. formula1.com. 2021年12月10日閲覧。
(二)^ 人気のアブダビ、F1開催契約を延長f1sokuho.mopita.com(2014年11月26日)2022年3月25日閲覧。
(三)^ F1アブダビGP、グランプリ開催契約を更新…2030年までformula1-data.com(2021年12月9日)2022年3月25日閲覧。
(四)^ http://news.bbc.co.uk/sport1/hi/motorsport/formula_one/7640907.stm
(五)^ “今季終了前に振り返る﹁シーズン最終戦のドラマ﹂の歴史|F1アブダビGP特集”. The Sporting News (2022年11月18日). 2024年2月2日閲覧。
(六)^ “最終戦アブダビGP﹁ベッテル、悲願のラストピース﹂︻F1 2010 続報︼”. webCG (2010年11月15日). 2024年2月2日閲覧。
(七)^ “最終戦アブダビGP﹁成長したハミルトンに、2度目の栄冠﹂︻F1 2014 続報︼”. webCG (2014年11月24日). 2024年2月2日閲覧。
(八)^ “F1、最終戦のみ得点が2倍に。王座早期決定を防ぐ”. オートスポーツweb (2013年12月10日). 2024年2月17日閲覧。
(九)^ “ウィリアムズからマッサへ、3年間を振り返る感動的なメッセージ﹁オブリガード︵ありがとう︶﹂”. TOPNEWS (2016年11月28日). 2024年2月17日閲覧。
(十)^ “ホンダの復活、ポイント2倍廃止―15年のF1における変更点”. AFPBB (2015年3月11日). 2024年2月17日閲覧。
(11)^ “︻F1 2016 続報︼最終戦アブダビGP﹁ロズベルグ、11年目の初戴冠﹂”. webCG (2016年11月28日). 2024年2月2日閲覧。
(12)^ “F1新チャンピオンのロズベルグが戴冠5日後に電撃引退。﹁説明するのは難しい﹂”. autosport web (2016年12月3日). 2024年2月2日閲覧。
(13)^ “︻F1 2021︼最終戦アブダビGP続報‥フェルスタッペン、“最強ドライバー”のハミルトンを倒し初戴冠”. webCG (2021年12月13日). 2024年2月2日閲覧。
(14)^ “︻F1 アブダビGP︼ホンダ有終の美、セナ以来30年ぶりチャンピオン…フェルスタッペンが最終ラップで大逆転”. Response (2021年12月13日). 2024年2月2日閲覧。