ダブリン市民
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著者 | ジェイムズ・ジョイス |
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言語 | 英語 |
ジャンル | 短編集 |
出版社 | Grant Richards社, ロンドン |
出版日 | 1914年6月 |
出版形式 | ハードカバー、ペーパーバック、オーディオブック |
ページ数 | 約 160 |
ISBN | 0-486-26870-5 |
OCLC | 23211235 |
823/.912 20 | |
LC分類 | PR6019.O9 D8 1991 |
次作 | 若き芸術家の肖像 (1916年) |
﹃ダブリン市民﹄︵ダブリンしみん、Dubliners︶は、ジェイムズ・ジョイス初期の短編小説集で、アイルランドの首都ダブリンを舞台としている。
概要[編集]
ジョイスの他の作品同様に、ダブリンで生きる人々の生活を描いた全15編の連作短編集[1]。1905年にロンドンで出版を試みたが断られ、1909年にはダブリンの出版社に一度は合意を取り付けながらも3年後、出版にこぎ着けることなく合意を解消。最終的には、1906年にローマで書かれた短編 (The Dead、﹁死者たち﹂) を加えて1914年にロンドンで出版された。 ジョイスの作品においては、アイルランドでの経験がその根本的な構成要素となっており、すべての著作の舞台や主題の多くがそこからもたらされている。ジョイスの初期の成果を集成した短篇集﹃ダブリン市民﹄は、ダブリン社会の停滞と麻痺の鋭い分析である。多くの大学で英文講読テキストに採用されている。エピファニー[編集]
同書中の作品には﹁エピファニー (en)﹂が導入されている。エピファニーとはジョイスによって特有の意味を与えられた語で、ものごとを観察するうちにその事物の﹁魂﹂が突如として意識されその本質を露呈する瞬間のことであり、ジョイス以降こうした事物の本質の顕現をテーマとする作品のことを﹁エピファニー文学﹂と呼ぶようになった。﹁死者たち﹂[編集]
短篇集の最後に置かれた最も有名な作品﹁死者たち﹂は1987年に﹃ザ・デッド/﹁ダブリン市民﹂より﹄として映画化され、ジョン・ヒューストンの最後の監督作品となった。その後2000年にはミュージカルになっている。この作品は15,000〜16,000ワードから成り、単独でも中編小説に分類される。構成[編集]
短編集を構成する各編は以下である。原題に続いてカッコ書きで示した邦題は米本 (﹁ダブリンの人びと﹂、筑摩書房、2008年) による。
●The Sisters (姉妹) - フリン神父の死後、神父と親しくしていた少年と神父の残された家族は、神父のことについて表面的にしか触れない。
●An Encounter (ある出会い) - 二人の少年が冒険に出かけ、変質者に遭遇する。
●Araby (アラビー) - 友人の姉に恋した少年は、アラビア市場で彼女にプレゼントを買おうとする。
●Eveline (イーヴリン) - 若い女性が、水夫とともにアイルランドを脱出しようと考えたが、あきらめる。
●After the Race (レースのあとで) - 大学生のジミー・ドイルは、裕福な友人と付き合おうとする。
●Two Gallants (二人の伊達男) - レネハンとコーリーと言う二人の詐欺師に雇われたメイドが、主人たちを相手に盗みを働こうとする。
●The Boarding House (下宿屋) - ムーニー夫人は、娘ポリーと自分の下宿人ドランと結婚させようとする。
●A Little Cloud (小さな雲) - 小さな雑貨商の男が、友人のイグナチウス・ガラハーと夕食をとり、かなわなかった夢について語る。
●Counterparts (対応) - 大酒飲みのアイルランド人の公証人、ファリントンは、パブで、あるいは息子のトムに対して、憂さを晴らす。
●Clay (土) - 老メイドのマリアは、里子だったジョー・ドネリーと彼の家族とともに、ハロウィーンを祝う。
●A Painful Case (痛ましい事故) - シニコ夫人を拒否したダフィーはその4年後、自分が彼女に孤独と死を宣告してしまっていたことに気付く。
●Ivy Day in the Committee Room (委員会室の蔦の日) - 無名の政治家が、チャールズ・スチュワート・パーネルの功績に比して恥じない行動をとろうとする。
●A mother (母親) - カーニー夫人は、娘のキャサリンをコンサートに出演させようとする。
●Grace (恩寵) - バーの階段から落ちてケガをしたカーナン氏を、友人たちはカトリックに改宗させようとする。
●The Dead (死者たち) - 雪の中、叔母ケイトらの主催する夜会に参加したガブリエル・コンロイは、その後で、妻グレタの告白を聞く。