マズルカ
表示
マズルカ︵ポーランド語: mazurek, クラシックの曲名としては mazurka が古くより一般的に使われている︶は、4分の3拍子を基本とする特徴的なリズムを持つ、ポロネーズと並んで有名なポーランドの民族舞踊、舞曲およびその形式[1]。
マズルカ; 1845
16世紀に国内のポーランド貴族︵シュラフタ︶の間で流行し、17世紀には近隣のヨーロッパ諸国に、19世紀にはイギリスやアメリカにも普及していった[1]。元々はポーランド民謡の歌がつき、バグパイプの伴奏のうえで踊ったりもした[1]。ポーランドのロマン派の作曲家であるショパンは諸地方の舞曲の要素を統合し、マズルカを芸術作品として昇華させた。19世紀にはマズルカのリズムを持ったポルカ﹁ポルカ・マズルカ﹂も誕生した。また、現在のポーランド国歌は﹃ドンブロフスキのマズルカ﹄で、勇壮なマズルである。
マズルカには幾つかの種類があるが、いずれも3拍子で第2拍もしくは第3拍にアクセントが置かれる[1]。最も基本的な踊りである﹁マズル︵Mazur︶﹂は、速い踊りで多種多様なリズムが用いられる[1]。﹁クヤヴィヤック︵Kujawiak︶[注釈 1]﹂は抒情的でゆっくりとしたテンポの踊りで、﹁オベレク︵Oberek︶﹂は非常に急速な踊りで、アクセントやリズムもより豊かになっている[2]。このように地方により多様な名称のものがあり、これらは伝統的には別種の舞曲として認識されるが、ショパンはそれらを曲の中で並置させて1曲のマズルカとしてまとめている。同じ3拍子の舞曲としてワルツがあるが、これとは違い、振付はより野性的で即興的要素も強い[1]。
概要[編集]
![](http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/7/7b/Mazurka_1845.jpg/219px-Mazurka_1845.jpg)