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ルーディメンツ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
アメリカ合衆国海軍のドラムコー



rudiment(s)drum rudiments8

使

NARD131326PAS261440 IATD26

使

歴史

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パイク兵団の仮装行列
テイバー奏者(14世紀)

調

1610[1]17-1811812[][1][2]


3[]



PAS国際ドラムルーディメンツ40

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ロールルーディメンツ

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シングルストロークルーディメンツ

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シングルストロークロールは、不定の速度と長さで交互に打つことからなる(RLRL〔右左右左〕など)。

番号 名称 譜面 解説
1. シングルストロークロール 均等な間隔の音符を左右交互に打つ。通常は高速に演奏されるが、2分音符であっても左右交互に演奏されればシングルストロークロールであると見なしうる。
2. シングルストロークフォー 4つの音符を左右交互に打つ。通常は(譜面のように)三連符の後に8分音符という形。もしくは(ラフ〔ruff〕のように)3つの装飾音の後にダウンビート
3. シングルストロークセブン 7つの音符を左右交互に打つ。通常は6連符の後に4分音符。

マルチプルバウンスロールルーディメンツ

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番号 名称 譜面 解説
4. マルチプルバウンスロール 左右交互に、任意の回数バウンドさせて打つ。均等で連続した音を出さなくてはならない。「バズロール」とも呼ぶ。
5. トリプルストロークロール 左右交互に3回ずつ打つ。バウンドさせても、手首を利かせて打ってもよい。「フレンチロール」とも呼ぶ。

ダブルストロークオープンロールルーディメンツ

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ダブルストロークロールは不定の速度と長さの左右交互のディドル(すなわちRR, LLなど)からなるルーディメントである。ダブルストロークロールには以下の10の公式な変種がある[3]

番号 名称 譜面 解説
6. ダブルストロークオープンロール シングルストロークロールと同様、通常は高速に演奏されるが、ゆっくり演奏する場合でも、左右交互にディドルを打てばダブルストロークロールと見做される。一音一音がはっきり聴こえるように演奏する。
7. ファイブストロークロール 2つのディドルの後にアクセントのある音符を打つ。
8. シックスストロークロール 他のダブルストロークロールルーディメンツの大半とは異なり、シックスストロークロールはアクセントのある単音から始まり、そこに2つのディドルともう1つのアクセントのある音符が続く。
9. セブンストロークロール 3つのディドルの後にアクセントのある音符を打つ。通常は6連符の後に4分音符。
10. ナインストロークロール 4つのディドルの後にアクセントのある音符を打つ。
11. テンストロークロール 4つのディドルの後にアクセントのある音符を2つ打つ。
12. イレブンストロークロール 5つのディドルの後にアクセントのある音符を打つ。
13. サーティーンストロークロール 6つのディドルの後にアクセントのある音符を打つ。
14. フィフティーンストロークロール 7つのディドルの後にアクセントのある音符を打つ。
15. セブンティーンストロークロール 8つのディドルの後にアクセントのある音符を打つ。

ディドルルーディメンツ

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2RRLLRLRRLRLL4[3]RLRL16RLRL RLRL RLRL RLRR L

便[4]
番号 名称 譜面 解説
16. シングルパラディドル 2つの音符を左右交互に打った後にディドル。
17. ダブルパラディドル 4つの音符を左右交互に打った後にディドル。
18. トリプルパラディドル 6つの音符を左右交互に打った後にディドル。
19. パラディドル・ディドル 2つの音符を左右交互に打った後に2つのディドルを左右交互に打つ。

フラムルーディメンツ

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フラムは、小さな音の装飾音の後に逆の手で大きな音の主音を打つ。2つの音はほぼ同時に演奏され、1つの「幅のある」音のように聞こえることを意図されている[3]

番号 名称 譜面 解説
20. フラム 装飾音の後に逆の手で主音を打つ。2つの音の間隔は演奏のスタイルや文脈によって異なる。
21. フラムアクセント 「フラム、タップ、タップ」の形の3音のグループが左右入れ替わりながら連続する。
22. フラムタップ 先頭の音がフラムになっているディドルが左右入れ替わりながら連続する。
23. フラマキュー 4音のグループと締めくくりのダウンビート。最初の音とダウンビートはフラムで、第2音にはアクセントがある。
24. フラムパラディドル 先頭の音符がフラムになったパラディドル[3]
25. シングルフラムドミル パラディドルを逆にし(RRLR, LLRL)、各ディドルの先頭の音をフラムにしたもの。
26. フラムパラディドル・ディドル 先頭の音をフラムにし、左右が入れ替わるパラディドル・ディドル。
27. パタフラフラ 最初と最後の音がフラムになっている4音からなるパターン[3]
28. スイスアーミートリプレット 右手のフラムに右手のタップ、左手のタップと続くか、その逆となる[3][5]。連続するフラムアクセントは3つのタップが続けて同じ手となるが、スイスアーミートリプレットなら2つで済むので、フラムアクセントの代わりによく用いられる。
29. インバーテッドフラムタップ 左右交代のディドル(16分音符1つ分ずれている)で、各ディドルの2番目の音符がフラム。
30. フラムドラッグ 「フラム、ドラッグ、タップ」の形の3つの音符のグループが左右交代する。

ドラッグルーディメンツ

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2RRLL)163216rlR, lrL[6]
番号 名称 譜面 解説
31. ドラッグ 連続して左右交互に演奏されるドラッグ(もしくはディドル)は結果としてダブルストロークロールとなる。

これと似たルーディメントにラフがあり、これも2つの装飾音を持つ音符であるが、通常左右交互となる[6]

32. シングルドラッグタップ シングルドラッグタップは左右交互となる2つの音符からなり、最初の音符にドラッグの装飾音がつき、2番目の音符にはアクセントがある。
33. ダブルドラッグタップ ダブルドラッグタップはシングルドラッグタップの前にもう1つ装飾音のドラッグがある。
34. レッスン25 レッスン25は3つの左右交互の音符で、最初の音符にドラッグの装飾音がつき、3番目の音符にはアクセントがある。
35. シングルドラガディドル シングルドラガディドルは最初の音符がドラッグとなっているパラディドル。
36. ドラッグパラディドル#1 ドラッグパラディドル#1はアクセントのある音符に、最初の音符にドラッグの装飾音がついたパラディドルが続く。
37. ドラッグパラディドル#2 ドラッグパラディドル#2は2つのアクセントのある音符にパラディドルが続くもので、アクセントのある音符の2つめと、パラディドルの最初の音符にドラッグの装飾音がある。
38. シングルラタマキュー シングルラタマキューは4つの音符からなり、最初の音符にはドラッグの装飾音がつき、4番目の音符にアクセントがある[3]
39. ダブルラタマキュー ダブルラタマキューはシングルラタマキューの前に1つのドラッグがついたものである。
40. トリプルラタマキュー トリプルラタマキューはシングルラタマキューの前に2つのドラッグがついたものである。

歴史的な構成

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13の「不可欠な」ルーディメンツ

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  1. ダブルストロークロール(ロングロール、2つ打ち)
  2. ファイブストロークロール(5つ打ち)
  3. セブンストロークロール(7つ打ち)
  4. フラム
  5. フラムアクセント
  6. フラムパラディドル
  7. フラマキュー
  8. ラフ
  9. シングルドラッグ
  10. ダブルドラッグ
  11. ダブルパラディドル
  12. シングルラタマキュー
  13. トリプルラタマキュー

2番目の13ルーディメンツ

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  1. シングルストロークロール
  2. ナインストロークロール(9つ打ち)
  3. テンストロークロール
  4. イレブンストロークロール
  5. サーティーンストロークロール
  6. フィフティーンストロークロール
  7. フラムタップ
  8. シングルパラディドル
  9. ドラッグパラディドル#1
  10. ドラッグパラディドル#2
  11. フラムパラディドル・ディドル
  12. レッスン25(コンパウンドストローク、ラタタップ)
  13. ダブルラタマキュー

最後の14ルーディメンツ

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後になって、打楽器芸術協会(PAS)は世界の様々なジャンルのスネアドラマーに使われている14のルーディメンツを追加して現在の40からなる国際ドラムルーディメンツとした。この再編成の過程で順序は大きく入れ替えられたので、番号は先述のものとは一致しないことに注意。

  1. シングルストロークフォー
  2. シングルストロークセブン
  3. マルチプルバウンスロール
  4. トリプルストロークロール(3つ打ち)
  5. シックスストロークロール
  6. セブンティーンストロークロール
  7. トリプルパラディドル
  8. シングルパラディドルディドル
  9. シングルフラムドミル
  10. パタフラフラ(パティー)
  11. スイスアーミートリプレット
  12. インバーテッドフラムタップ(インバーツ)
  13. フラムドラッグ
  14. シングルドラガディドル
書籍
刊行年 書名 著者
1812 A New, Useful, and Complete System of Drum Beating Charles Ashworth
1815 The Art of Beating the Drum Samuel Potter
1861 The Drummers' and Fifers' Guide Bruce Emmett
1869 Strube's Drum and Fife Instructor Gardiner A. Strube
1886 The Trumpet and Drum ジョン・フィリップ・スーザ
1935 Stick Control ジョージ・ローレンス・ストーン英語版
1942 Modern Interpretation of Snare Drum Rudiments バディ・リッチ
1945 The All-American Drummer Charley Wilcoxon
1959 14 Modern Contest Solos For Snare Drum John S. Pratt
1979 The Technique and Mechanics of Rudimental Snare Drumming Ken Mazur
1992 The Drummer's Rudimental Reference Book John Wooton
2004 The Beat of a Different Drummer Dominick Cuccia


ハイブリッド・ルーディメンツ

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40[]"RRRLL"5112Hybrid Rudiment Library[7]



スイスルーディメンツ

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スイスアーミートリプレット、ドラガディドル、シングルフラムドミル等が含まれる。スイスの鼓笛隊で発展した。

オーケストラルルーディメンツ

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シングルストロークフォー、シングルストロークセブン、シングルストローク、マルチプルバウンスロール等の管弦楽等で使われるルーディメンツ。

脚注

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(一)^ ab. 20122182012427

(二)^ http://www.tamboursde89.com/revue/88.pdf

(三)^ abcdefg"International Drum Rudiments" Page of the Percussive Arts Society (PAS) Archived 2011718, at the Wayback Machine.

(四)^ Peckman, Jonathan (2007). Picture Yourself Drumming, p.161. ISBN 1598633309.

(五)^ Swiss Army Triplet Example on VicFirth.com Archived 2008331, at the Wayback Machine. Accessed 26/03/2010.

(六)^ abNasatir, Cary. Too Many Rudiments?.  Conn-Selmer Keynotes. 20074222010326

(七)^ Vic Firth Presents the Hybrid Rudiments Archived 2009917, at the Wayback Machine.

外部リンク

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