主殿造
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主殿造︵しゅでんづくり︶は、室町時代の武家住宅の様式として、建築史で提唱された言葉である。
概要[編集]
鎌倉時代から室町時代初期の武家住宅は寝殿造の系統であり、足利義教の将軍邸︵花の御所︶も寝殿を中心にした配置を取っていた。 それが足利義政の東山殿になると、﹁主殿﹂と呼ばれる常御所が造られた。主殿には対面や仏事を行う部屋、寝室などがあり、一つの完結した生活の場となっていた。この形式は、渡り廊下で寝殿と対屋をつなぐ寝殿造や、玄関・大書院・小書院などを連ねる書院造とも異なっており、一つの独立した様式であるとして﹁主殿造﹂と呼ぶことがある。遺構[編集]
室町時代の﹁主殿﹂の遺構は残っておらず、文献から様子が知られるのみである。なお、江戸幕府大棟梁・平内家に伝わった秘伝書﹁匠明﹂︵1608年︶には﹁昔主殿の図﹂が掲げられている。 時代は下がるが、園城寺にある書院は、﹁匠明﹂の平面図と共通する点があり、主殿造の様式を残していると言われる。床、棚、書院を備えており、古風な書院といった印象を受ける。参考文献[編集]
- 平井聖「日本住宅の歴史」