古都京都の文化財
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![]() 鹿苑寺舎利殿(金閣) | |||
英名 | Historic Monuments of Ancient Kyoto (Kyoto, Uji and Otsu Cities) | ||
仏名 | Monuments historiques de l'ancienne Kyoto (villes de Kyoto, Uji et Otsu) | ||
面積 |
1,056 ha (緩衝地帯 3,579 ha) | ||
登録区分 | 文化遺産 | ||
登録基準 | (2),(4) | ||
登録年 | 1994年 | ||
公式サイト | 世界遺産センター | ||
地図 | |||
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使用方法・表示 |
古都京都の文化財︵京都市、宇治市、大津市︶︵こときょうとのぶんかざい︵きょうとし、うじし、おおつし︶︶は、その名が示すように京都府京都市・宇治市、滋賀県大津市の2府県3市に点在する構成資産17件から成るユネスコの世界遺産リスト登録物件︵文化遺産︶である。1994年︵平成6年︶に日本で5件目の世界遺産として登録された[1]。
正式名称には3市の名前が含まれており、文化庁の表記[2]や日本ユネスコ協会連盟の表記[3]はそうなっているが、しばしば市名の部分を省略して、単に﹁古都京都の文化財﹂と呼ばれる。
構成遺産[編集]
点在する17か所の寺社と城郭で構成される。現在の構成遺産は、国宝建造物︵★︶があるか、庭園が特別名勝︵◎︶に指定されているものだけで構成されている︵清水寺の一部として指定されている地主神社︵重要文化財︶・延暦寺の一部として指定されている比叡山︵史跡・一部は天然記念物︶を除く︶。一部は特別史跡︵■︶にも指定されている。
●賀茂別雷神社︵上賀茂神社︶︵★︶
●賀茂御祖神社︵下鴨神社︶︵★︶
●教王護国寺︵東寺︶︵★︶
●清水寺︵★︶
●現在は分離している地主神社を含む。
●延暦寺︵★︶
●広範囲に及ぶ境内地︵比叡山︶の全てを含む。
●醍醐寺︵★︶
●院家︵塔頭︶寺院の三宝院︵★・◎・■︶を含む。
●仁和寺︵別称・御室御所︶︵★︶
●平等院︵京都府宇治市にある。︶︵★︶
●宇治上神社︵京都府宇治市にある。︶︵★︶
●高山寺︵★︶
●西芳寺︵別称・苔寺︶︵◎︶
●天龍寺︵◎︶
●鹿苑寺︵相国寺塔頭、別称・金閣寺︶︵◎・■︶
●慈照寺︵相国寺塔頭、別称・銀閣寺︶︵★・◎・■︶
●龍安寺︵妙心寺塔頭、石庭が世界的に有名。︶︵◎︶
●西本願寺︵本願寺︶︵★・◎︶
●二条城︵正式名称‥元離宮二条城︶︵★・◎︶
分布図[編集]
登録基準[編集]
この世界遺産は世界遺産登録基準のうち、以下の条件を満たし、登録された︵以下の基準は世界遺産センター公表の登録基準からの翻訳、引用である︶。
●(2) ある期間を通じてまたはある文化圏において、建築、技術、記念碑的芸術、都市計画、景観デザインの発展に関し、人類の価値の重要な交流を示すもの。
●(4) 人類の歴史上重要な時代を例証する建築様式、建築物群、技術の集積または景観の優れた例。
具体的には、
●(2) 京都は8世紀から17世紀の間、宗教・非宗教建築と庭園設計の進化にとって主要中心地であった。そのように、京都は日本の文化的伝統の創出において決定的な役割を果たし、特に庭園の場合において、それは19世紀以降世界の他の地域において意義深い影響を与えた。
●(4) 京都の現存文化財における建築と庭園設計の集積は前近代における日本の物質文化のこの側面に関する最高の表現である。
拡大登録計画[編集]
1994年の登録後、マンション建設やオーバーツーリズムなどによる周辺環境や景観の悪化が進行しつつあるため[4][5][6]、京都市を中心に遺産の追加登録計画が立ち上がっている。これと同時に景観保護対策として、都市計画の変更や条例の制定・改正[7][8]、無電柱化[9][10]、森林の整備なども行われている[11]。 1996年9月4日に発足した市民団体﹁世界遺産の追加登録をすすめる市民ネットワーク﹂は、五山送り火、南禅寺、京都御苑、桂離宮および修学院離宮を追加登録を文化庁と京都市に申し入れている[12][13]。 また、第22回世界遺産委員会京都会議の開催にあわせて、1998年11月より京都・奈良・鎌倉の各市民団体による﹁三都市民フォーラム﹂が追加登録や歴史的景観の保全を訴えシンポジウムを開催している[14][15]。 このため、京都市は古都保存法対象地の嵯峨野・嵐山一帯、東山一帯、郊外の大原・八瀬地区、鞍馬・貴船地区の追加登録を目指しているほか、産業遺産としては琵琶湖疎水[16]、2007年9月16日に設立された民間団体﹁保津川の世界遺産登録をめざす会﹂は保津峡を推挙している[17][18][19][20]。また、2006年7月より知恩院、大徳寺および禅林寺︵永観堂︶は、追加申請に向けて会合を行なっている[1]。 2008年8月30日、当時の門川大作京都市長は松浦晃一郎ユネスコ事務局長と会談し、妙心寺や南禅寺、東本願寺、桂離宮などを含める約10か所の追加登録を目標とする方針を明らかにしている[21]。 なお、宮内庁が管理している皇室ゆかりの京都御所、桂離宮、修学院離宮、御陵のある月輪陵泉涌寺などは、法整備などで難しい問題もある[注釈 1][22]。画像[編集]
脚注[編集]
注釈[編集]
出典[編集]
(一)^ ab﹃読売新聞﹄2007年2月14日夕刊夕2社面14頁﹁御所・嵯峨嵐山・知恩院… 京都市、世界遺産追加申請へ 景観保護の切り札﹂︵読売新聞大阪本社︶
(二)^ 世界遺産︵文化遺産︶一覧︵文化庁︶
(三)^ ﹃世界遺産年報2017﹄講談社、2016年、pp.32, 47
(四)^ ﹃読売新聞﹄2004年11月4日朝刊山城面31頁﹁マンション計画変更を再度拒否 宇治市景観審で業者=京都﹂︵読売新聞大阪本社︶
(五)^ ﹃朝日新聞﹄2015年9月26日朝刊京都市内・1地方面24頁﹁景観審査合格、11月にも着工 下鴨神社マンション計画 /京都府﹂
(六)^ ﹃読売新聞﹄2019年12月14日朝刊セ京都面30頁﹁観光公害緩和へ対応 左京 国際会議で京都宣言=京都﹂︵読売新聞大阪本社︶
(七)^ ﹃読売新聞﹄2007年3月14日朝刊京市内面33頁﹁京都市景観条例可決 日本の顔、100年後も38地点の眺め保全=京都﹂︵読売新聞大阪本社︶
(八)^ ﹃朝日新聞﹄2007年11月1日朝刊3総合面3頁﹁京都の景観、再生なるか ほぼ全市対象、新規制から2カ月﹂︵朝日新聞東京本社︶
(九)^ ﹃朝日新聞﹄2010年11月25日朝刊京都市内・1地方面27頁﹁渡月橋そばの電線隠します 京都市、13年度までに着工 /京都府﹂
(十)^ ﹃読売新聞﹄2022年1月8日夕刊夕社会面9頁﹁無電柱化進まぬ 京の財政難 わずか2% パリ・香港は100%﹂︵読売新聞大阪本社︶
(11)^ ﹃朝日新聞﹄2007年12月27日京都市内・1地方面26頁﹁﹁東山風景林﹂整備へ推進協 設立総会開く /京都府﹂
(12)^ ﹃毎日新聞﹄1996年9月4日京都版21頁﹁世界文化遺産登録求め﹁市民ネット﹂発足4日、京都市で結成会 /京都﹂
(13)^ ﹃朝日新聞﹄1997年5月17日朝刊京都版﹁五山の送り火など追加推薦を要望、京都市に市民団体 世界遺産/京都﹂
(14)^ ﹃読売新聞﹄1998年11月12日朝刊京セ2面22頁﹁世界遺産京都会議を前に ﹁三都市民フォーラム﹂があす13日、シンポ=京都﹂︵読売新聞大阪本社︶
(15)^ ﹃毎日新聞﹄1998年12月1日京都版25頁﹁﹁第22回世界遺産委員会京都会議﹂ 市民レベルでも声高く /京都﹂
(16)^ ﹃読売新聞﹄2016年9月26日朝刊セ京都面25頁﹁産業遺産 一帯で目指す 蹴上発電所 琵琶湖疏水=京都﹂︵読売新聞大阪本社︶
(17)^ 新たな世界遺産登録をはじめとする京都の歴史的・文化的資産の保存・継承・活用 (PDF) 文化庁・国土交通省・京都市
(18)^ ﹃日本の世界遺産歩ける地図﹄山と渓谷社、2007年、218頁。ISBN 978-4635922586。
(19)^ 京都の世界遺産 追加すべきか、このままでいいか 世界遺産ブランド超えた京都ブランド。宮内庁管理や漏れている寺社に価値はないのか? 論座︵朝日新聞︶ 2019年9月1日
(20)^ ﹃読売新聞﹄2007年9月8日朝刊京市内面29頁﹁亀岡・保津川を世界遺産に 市中心に﹁めざす会﹂16日設立=京都﹂︵読売新聞大阪本社︶
(21)^ ﹃読売新聞﹄2008年8月30日夕刊夕2社面12頁﹁世界遺産10か所追加を 門川・京都市長、ユネスコ事務局長と会談﹂︵読売新聞大阪本社︶
(22)^ “﹁宮内庁のおかしな理屈﹂京都御所や桂離宮が文化財指定を受けずに朽ちていく恐れ”. PRESIDENT Online. プレジデント社 (2021年8月13日). 2023年3月21日閲覧。