大ダーク
表示
大ダーク | |
---|---|
ジャンル | ダーク・ファンタジー[独自研究?] バイオレンス・アクション[独自研究?] スプラッター・ホラー[独自研究?] SFコメディ[1] |
漫画 | |
作者 | 林田球 |
出版社 | 小学館 |
掲載誌 | ゲッサン |
レーベル | ゲッサン少年サンデーコミックス |
発表号 | 2019年4月号 - |
発表期間 | 2019年3月12日[2] - |
巻数 | 既刊7巻(2024年1月12日現在) |
テンプレート - ノート | |
プロジェクト | 漫画 |
ポータル | 漫画 |
『大ダーク』(だいダーク)は、林田球による日本の漫画。『ゲッサン』(小学館)にて、2019年4月号から連載中[2]。
あらすじ
[編集]
主人公のザハ=サンコの骨を奪った者は﹁どんな願いも叶える﹂と言われ、絶えず多くの宇宙人から命︵骨︶を狙われる運命にある。相棒のアバキアンと共に、襲い掛かる宇宙人を返り討ちにしながら骨を集め、噂を流した者を特定するため宇宙を旅し続ける[3]。
登場人物
[編集]
ザハ=サンコ
常に命を狙われながらも、明るく朗らかに旅を続ける少年。好物はみぼすぱん(ミートボール・スパゲティをはさんだただのパン)。
アバキアン
宇宙人の標準装備であるニーモツの中でも特別な﹁闇のニーモツ﹂。色々な機能を持つ。サンコの身の上を、いつも案じている。
死ま田=デス
サンコの友達。宇宙人の﹃死﹄を食って生きる、闇の世界で生まれた謎の生物。様々な特技を使って宇宙人を滅殺する。多分不老不死。
一=ダメ丸
﹁4匹の害悪﹂最後の1匹。自らのことを﹁ただの人間﹂だと言うが正体は不明。何か特別な力を持っている…?
モージャ
サンコの宇宙船・モージャ号のサポート用のチビロボ。オケツで本体と繋がっているが、離れても内蔵バッテリーで72時間位動ける。
店谷=ボックス
闇の世界・クライの武器商人。骨と引き換えに色々な物を売ってくれる。﹁店谷の土鈴﹂を鳴らせばどの星でも呼び出す事が可能。
ミートボール・スパゲティ
6年前、正体を隠しアバキアンと巨大小学校船・タイボクガンに通っていた時のサンコの偽名。学校に友達はいない。
沿革
[編集]
2018年9月12日発売の﹃ゲッサン﹄10月号にて、林田の﹃ドロヘドロ﹄の最終回が掲載され、同号にて本作の連載を準備していることを発表[4]。2019年3月12日発売の4月号より連載を開始[2]。
第1巻のカバーの初期のコンセプトは﹁クラシカルでノスタルジーを感じる1冊にしたい﹂であった[5]。そこで﹁今売れているコミックスを見に行こう﹂と林田と担当編集者が都内の大型書店へ訪れたところ、﹁色々と悩んだ﹂林田は青山剛昌の﹃まじっく快斗﹄の単行本を手に取った[5]。しかし紆余曲折あり、第1巻は別物となった[5]。単行本第1巻と同日に発売した﹃ゲッサン﹄2019年12月号では、その﹁初期コンセプトが詰まったデザイン﹂を採用したアナザーカバーが付属している[5]。
2019年、ヴィレッジヴァンガードの公式フリーペーパーの﹃VVマガジン﹄12月号の表紙に﹃ドロヘドロ﹄とともに本作が採用される[6]。2020年1月1日より、ヴィレッジヴァンガードにて﹁ドロヘドロ&大ダーク﹂福袋を展開[6]。2020年1月、YouTubeにて本作のCMを公開[7]。
作風
[編集]
広い宇宙を舞台としたコメディ[1]。コミックナタリーによると、本作は﹁﹃ドロヘドロ﹄にもあったコメディ要素がさらにパワーアップ﹂し、﹁アップテンポで賑やかに描かれて﹂いるが、﹁登場キャラクターがかぶっている“マスク”﹂や﹁主人公を囲む陽気なキャラクターたち﹂など、﹃ドロヘドロ﹄の読者も楽しめるよう描かれている[1]。﹃このマンガがすごい!﹄では﹁バイオレンスなのにキャラクターやストーリーにはキュートな魅力もあって、その世界観はさながらダークでポップな現代アート﹂と表現している[8]。
制作背景
[編集]連載決定
[編集]
2017年、﹃ヒバナ﹄︵小学館︶がなくなり、﹃ドロヘドロ﹄が﹃ゲッサン﹄に移籍した時には、同作のアニメの話があった[1]。その当時は2019年の秋アニメの予定で当時の﹃ゲッサン﹄の編集長が﹁アニメと同時に新連載の1巻を出したいね﹂と言ったことにより、同作の終了時には新連載の掲載号が決定していた[1]。しかし同作の終了後から本作の開始までの半年には、同作の企画や作業をしていたため、本作の﹁準備期間はほぼゼロ﹂であった[1]。主人公の外見も性格も、全然決まらず﹁主人公って難しい﹂と何か月も考えながら、2019年1月くらいに本作の第1話のネームを描き始めた[1]。﹁編集長のOKを取る前に、連載が始まることだけ決定して﹂いたため、同月、担当編集者は編集長から﹁タイトル以外影も形もないけど大丈夫﹂かと言われていた[1]。
構想
[編集]
﹁もともと、映画の﹃エイリアン﹄が好き﹂で、﹁宇宙でクリーチャーと戦う﹃Dead Space﹄という洋ゲーが大好き﹂な林田は、宇宙がすごく好きでも﹁宇宙……つまりSFは私には描けないとほぼ諦めていた﹂が、新連載の予告をしなければならないため、﹁もう宇宙しかない﹂と考え、﹁﹃宇宙でいく、好きだからなんとかなるだろう﹄と宇宙と向き合うこと﹂にした[1]。﹁予告には内容が多少わかるように書きたい﹂と考えていた担当編集者が﹁﹃宇宙、惑星、大冒険﹄でどう﹂かと提案したため、林田は﹁じゃあそれでなんとかします! それでいきましょう!﹂と答え、﹁予告の通りの展開﹂となった[1]。林田は﹁﹃ドロヘドロ﹄が長期連載できつい時期もあった﹂ため、﹁次は軽いものを、という思いもあ﹂った[1]。林田によると﹁﹃ドロヘドロ﹄にもコメディ要素﹂があったが、本作は﹁軽く読める、ちょろちょろって読んでもらうのに適したマンガ﹂であり、﹁本当にコメディだと思ってい﹂ると話している[1]。
連載開始と主人公
[編集]
主人公の﹁名前も決まらない、性格も決まらない、どうしよう﹂と考え、﹁一人称は﹁ぼく﹂で、14歳にしてみようか﹂程度の﹁あんまり固まりきらない﹂状態で第1話が開始された。林田は﹁普通の少年を描くのはあまり得意ではない﹂ため、大きくしようと考えた[1]。林田によると﹁最初は主人公をおっさんにしようとか、すごくぽっちゃりにしようとか、いろいろ考えた﹂が、﹁自分が好きになれるキャラクターというのは大前提として、みんなが描かない主人公のほうが、まだ勝機がある﹂と考え、試行錯誤の末、﹁14歳と言いつつ少年らしさを排除したサンコ﹂が誕生している[1]。﹃ゲッサン﹄は﹁恋愛を描く作品がすごく多い﹂が、﹁恋愛や青春の描写を描けない﹂林田は、﹁恋愛を描かずにネームが通るのか﹂と悩んだこともあると話している[1]。林田は﹃おかしなガムボール﹄や﹃ぼくはクラレンス!﹄などの﹁小学校が舞台の作品が多い﹂ようなカートゥーンアニメを観ており、ネタ帳に﹁小学校﹂とメモをしていたが、﹁新連載のネタとして﹁宇宙﹂とくっつけてみようかと﹂考え、サンコの8歳の時のエピソードが挿入されている[1]。
作品について
[編集]
林田によると、﹁SFを描いていて大変なこと﹂は用語であり、﹁独自のカッコいいSF用語﹂は無理だと考え、﹁想像しやすい、簡単な言葉で作るように﹂している[1]。ネーミングのルールを決めるまで、時間がかかったという[1]。﹁主人公側のアイテムは“闇の某”、敵対勢力の光力塊が作ったものは“光”土コンテナとか“光”油先生﹂と決まっている[1]。
﹁食べたいけどすぐ食べに行けないものをマンガに出す﹂という林田は、﹁ギトギトしたのが食べたい﹂と考え、みぼすぱん︵ミートボールスパゲティパン︶を登場させている[9]。
評価
[編集]2021年、「このマンガがすごい!2022」オトコ編の第22位を受賞[8]。2022年8月「次にくるマンガ大賞 2022」コミックス部門にて、14位を獲得[10]。
書誌情報
[編集]- 林田球『大ダーク』小学館〈ゲッサン少年サンデーコミックス〉、既刊7巻(2024年1月12日現在)
- 2019年11月12日発売[5][11]、ISBN 978-4-09-129486-9
- 2020年8月12日発売[12][13]、ISBN 978-4-09-850215-8
- 2021年4月12日発売[14][15]、ISBN 978-4-09-850496-1
- 2021年11月12日発売[16][17]、ISBN 978-4-09-850799-3
- 2022年8月10日発売[18][19]、ISBN 978-4-09-851251-5
- 2023年4月12日発売[20][21]、ISBN 978-4-09-852022-0
- 2024年1月12日発売[22]、ISBN 978-4-09-853096-0
脚注
[編集]
(一)^ abcdefghijklmnopqrs“﹁大ダーク﹂特集 林田球インタビュー”. ナタリー (2020年8月12日). 2023年4月21日閲覧。
(二)^ abc“舞台は宇宙!林田球の新連載﹁大ダーク﹂開幕、﹁ドロヘドロ﹂マグカップの全サも”. コミックナタリー (ナターシャ). (2019年3月12日) 2023年4月22日閲覧。
(三)^ “大ダーク1”. 小学館 (2019年). 2023年4月21日閲覧。
(四)^ “林田球﹁ドロヘドロ﹂18年の連載に幕!最終巻はガイド本と同発、新連載も予告”. コミックナタリー (ナターシャ). (2018年9月12日) 2023年4月22日閲覧。
(五)^ abcde“﹁ドロヘドロ﹂林田球の新作﹁大ダーク﹂1巻発売、ゲッサン付録に別カバーも”. コミックナタリー (ナターシャ). (2019年11月12日) 2023年4月22日閲覧。
(六)^ ab“﹁ドロヘドロ﹂ギョーザ男のマスコットやTシャツなどがVVに、年賀状風特典も”. コミックナタリー (ナターシャ). (2019年12月26日) 2023年4月22日閲覧。
(七)^ “ゲッサンで﹁陽気なしめりけ﹂が連載化、﹁ドロヘドロ﹂の特別鼎談&全サも”. コミックナタリー (ナターシャ). (2020年1月11日) 2023年4月22日閲覧。
(八)^ abこのマンガ 2021, p. 88, ﹁21位から50位までを総レビュー オトコ編﹂
(九)^ “アニメ﹁ドロヘドロ﹂特集 林田球インタビュー”. コミックナタリー (ナターシャ). (2020年1月10日) 2023年4月22日閲覧。
(十)^ “次にくるマンガ大賞2022、コミックス部門1位はつるまいかだ﹁メダリスト﹂”. コミックナタリー (ナターシャ). (2022年8月31日) 2023年4月22日閲覧。
(11)^ “大ダーク1”. 小学館. 2023年4月22日閲覧。
(12)^ “﹁大ダーク﹂アナザーカバーがゲッサンに、あだち充読み切り﹁足つりバカ日誌﹂も”. コミックナタリー (ナターシャ). (2020年8月12日) 2023年4月22日閲覧。
(13)^ “大ダーク2”. 小学館. 2023年4月22日閲覧。
(14)^ “﹁大ダーク﹂﹁ドロヘドロ﹂の会員証もらえる書店フェア、ゲッサンに別カバー付録も”. コミックナタリー (ナターシャ). (2021年4月12日) 2023年4月22日閲覧。
(15)^ “大ダーク3”. 小学館. 2023年4月22日閲覧。
(16)^ “﹁大ダーク﹂描き下ろしイラストのメンコもらえる書店フェア、ゲッサンに付録も”. コミックナタリー (ナターシャ). (2021年11月12日) 2023年4月22日閲覧。
(17)^ “大ダーク4”. 小学館. 2023年4月22日閲覧。
(18)^ “﹁大ダーク﹂﹁ドロヘドロ﹂の描き下ろしミニうちわもらえる書店フェア開催”. コミックナタリー (ナターシャ). (2022年8月8日) 2023年4月22日閲覧。
(19)^ “大ダーク5”. 小学館. 2023年4月22日閲覧。
(20)^ “﹁大ダーク﹂6巻発売、表紙にも登場した宇宙貨物用ステッカーもらえる書店フェアも”. コミックナタリー (ナターシャ). (2023年4月12日) 2023年4月22日閲覧。
(21)^ “大ダーク6”. 小学館. 2023年4月22日閲覧。
(22)^ “大ダーク7”. 小学館. 2024年1月12日閲覧。