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宮崎県水産試験場︵みやざきけんすいさんしけんじょう、Miyazaki Prefectural Fisheries Experiment Station︶は、日向灘における水産業の研究・指導を目的として設置された宮崎県立の研究所。本場は宮崎市青島にあり、小林市に内水面漁業を扱う小林分場を併設する。対岸の愛媛県農林水産研究所 水産研究センターとの連携が不可欠である。
﹁宮崎県水産試験場﹂として1903年︵明治36年︶4月に現在地に設置したのが始まり。
組織の長は所長である。
●管理課 - 庶務全般のほか、調査船・みやざき丸の管理を担当
●資源部 - 資源管理・漁業効率化の研究を担当
●増殖部 - 藻場の造成や、栽培漁業を担当
●生物利用部 - 魚病指導センターおよび水産物加工センターを併設しており、魚病対策や、水産加工品の研究を担当
●小林分場
●内水面漁業の生態系保護や、内水面養殖漁業技術の向上を担当
沿革︵小林分場も含む︶[編集]
●1903年︵明治36年︶- 4月・宮崎県水産試験場を現在地に設置
●1911年︵明治44年︶- 4月・県庁内に移転
●1937年︵昭和12年︶- 8月・日南市に油津分場、延岡市に土々呂出張所を設置
●1941年︵昭和16年︶- 4月・水産試験場を日南市油津に移転し、土々呂出張所を分場に昇格
●1947年︵昭和22年) - 10月・水産試験場を廃止し、遠洋︵日南市油津︶・沿岸︵延岡市土々呂︶・淡水︵宮崎市恒久︶の3漁業指導所を設置
●1956年︵昭和31年︶- 3月・淡水漁業指導所小林総合養魚場を、小林市南西方に設置
●1970年︵昭和45年︶- 4月・各漁業指導所を廃止・分場化し、再び現在地に水産試験場を設置
●1980年︵昭和55年︶- 5月・水産試験場本場に魚病指導総合センターを設置
●1981年︵昭和56年︶- 4月・延岡分場を延岡市熊野江町に移転。栽培漁業センターを設置
●1982年︵昭和57年︶- 3月・小林分場の出先機関、綾︵東諸県郡綾町︶試験地を廃止
●1987年︵昭和62年︶- 3月・日南分場を廃止
●1988年︵昭和63年︶- 2月・水産試験場内本場内に水産加工指導センター︵オープンラボ︶を設置
●1990年︵平成2年︶ - 4月・水産試験場内の増養殖研究施設を増改築
●1992年︵平成4年︶ - 3月・延岡分場・栽培漁業センターを廃止。︵財︶宮崎県栽培漁業協会を設立し、同法人に移管。
●1995年︵平成7年︶ - 3月・小林分場施設更新
●2003年︵平成15年︶- 4月・創立100周年。同年5月に第15代漁業調査船﹁みやざき丸﹂竣工
●2005年︵平成17年︶- 4月・2部6課制を3部制に再編
●2008年︵平成20年︶- 7月・小林分場の出先機関、米良︵児湯郡西米良村︶試験地を廃止
主な業績[編集]
●リッテルボヤの養殖試験︵本場︶。
●チョウザメの養殖試験︵小林分場︶。チョウザメの養殖を初めて行った日本の水産試験場で、現在も養殖試験を続けている。
現在の主要研究対象生物[編集]
●カツオ
●カタクチイワシ
●リッテルボヤ
●カワハギ
●カサゴ
●シイラ
●ヤマメ
●チョウザメ
●アユ
●ニジマス
出版物[編集]
●みやざきの魚 - 1993年・鉱脈社発行︵県庁水産振興課・水産試験場で希望者に販売している︶
調査船[編集]
●みやざき丸 - 2003年・199t・鋼製。主にカツオ一本釣り調査漁等に使用
その他[編集]
●毎年飫肥天製造の公開講座を実施している。遠方者にはレシピ送付も可
●小林分場にはミニ水族館が設置されており、開場日なら午前9時から午後4時半まで閲覧可能。︵有料︶
●︵現在は共に廃止されている︶綾試験地・米良試験地は、それぞれ小林分場の出先機関で、温水性淡水魚︵コイやウナギ︶などの試験を行う機関であった。
外部リンク[編集]
●宮崎県水産試験場