弾性エネルギー
表示
![]() |
物理学 |
---|
ウィキポータル 物理学 執筆依頼・加筆依頼 |
![]() |
ウィキプロジェクト 物理学 |
カテゴリ 物理学 |
弾性エネルギー︵だんせいエネルギー、英語: elastic energy︶とは、ばねやゴムなどの弾性体の変形に伴うエネルギーである。位置エネルギーの一種である。
で与えられる。
である。
一方、ばねが物体に仕事を行うとき、ばねから物体にエネルギーが移動する。ばねの他端は壁に固定されているので、外部からのエネルギーの流入はない。従って、ばねが行う仕事の分だけばねが蓄えている弾性エネルギーが減少する。弾性エネルギーを U、その変化量を ΔU とすれば
である。
これら二つの式から
が得られる。ばねの伸びが無限小の極限 Δx → 0 で、微分係数が
となる。これを積分すれば
が導かれる。ここで U0 は積分定数であり、これは伸びが x= 0、すなわちばねが自然な長さにあるときの弾性エネルギーを意味する。通常は U0 = 0 と定める。
として表され、弾性エネルギーはこの積分として
で与えられる。弾性エネルギーは弾性体の変形の関数として定まるエネルギーであり、先の一次元線形弾性体の例では、ばねの伸び xの関数として与えられている。応力と歪みは一般にテンソルであり、テンソル添え字を aで表している。
応力を歪みの関数として与える関係式は構成方程式であり、弾性エネルギーと構成方程式は一方が分かれば、他方が偏微分あるいは積分として得られる関係にある。理論モデルとしてはどちらを先に与えても等価であるが、実験的には構成方程式が先に決定され、その積分として弾性エネルギーを導かれる場合が多い。