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損失補填

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使使

損失補填の禁止

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証券取引法42条の2は、損失補填等を禁止する(以下、条名のみは証券取引法)。

経緯

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405013,4

36調2.

行為類型

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証券取引法42条の2が禁止する行為は次の通りである。

  • 証券会社がする(第三者にさせる場合を含む)以下の行為(同条1項)
  1. 事前の損失補填又は利益追加の約束・申し込み(同項1号)
  2. 事後の損失補填又は利益追加の約束・申し込み(同項2号)
  3. 事後の損失補填行為又は利益追加行為(同項3号)
  • 顧客が1項で定める行為を要求する(第三者にさせる場合を含む)行為(同条2項)

罰則

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33001983320712

1100200142002

適用除外‐証券事故

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422340115605











42236

問題点

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損失補填を明文で禁止する立法日本以外ではほとんど例がなく、その禁止理由に関して何を重視するかは諸説ある。主に主張されるところを挙げると以下のものがある。

  • 市場に対する投資家の信頼の保護
  • 投資家の自己責任原則に反する
  • 証券会社の健全性の確保
  • 市場の価格形成機能の維持

その他の法律問題については後述(3.) 。

証券会社の損失補填問題

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損失補填に関連して、平成初頭に大きな波紋を呼んだ証券会社の損失補填問題についてここで扱う。

概要

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3

3

背景‐営業特金

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1980調調

簿1980

手数料との関係

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調1.82.253.2

216439

補填方法

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日本証券業協会が平成3年8月9日付けで国会に提出した資料「『損失補填』の概要について」によると、損失補填の方法は次のように整理される。

大蔵省の対応

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59611023927926

1226姿122621503.18



(一)501312

(二)

(三)

姿12調2

バブル経済の崩壊

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1218TOPIX1

補填件数と額

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日本証券業協会の調査によると、平成3年9月24日の発表時点で補填件数787件、総補填金額2164億円となっている。日本経済新聞が7月29日朝刊で損失補填先のリストをスクープしたことから証券会社が公表せざるをえない立場に追い込まれたとされる[1]

平成3年3月期までの損失補填額
(括弧内は件数、単位=百万円)
証券会社 88年9月期~90年3月期 91年3月期 合計
野村證券 27,479(49) 435(6)※1 27,914(55)
大和証券 22,116(57) 3,275(20) 25,391(77)
日興證券 33,110(59) 23,475(38) 56,575(97)
山一證券 45,621(66) 16,367(14) 61,988(80)
大手4社合計 128,316(231) 43,552(78) 171,868(309)
準大手・中堅13社 43,696(386) ※2 43,696(386)
中小4社 874(92) ※2 874(92)
総計 172,886(709) 43,552(78) 216,438(787)

  • 出典:読売新聞1991年9月25日朝刊
  • ※1 会社規模では最大である野村證券の額が少ないのは、当時の酒巻英雄社長のコメントによると「90年3月までに営業特金の整理をほぼ済ませたため」。
  • ※2 平成3年9月24日の発表の時点では調査結果が出ていない。

平成3年3月期までの損失補填先上位10社
(単位=百万円)
No. 企業・グループ 補填金額
1 阪和興業グループ 12,385
2 丸紅グループ 9,204
3 公立学校共済組合 7,430
4 伊藤忠商事グループ 6,334
5 日産自動車グループ 5,884
6 トーメングループ 5,716
7 川崎製鉄グループ 5,481
8 年金福祉事業団 5,354
9 昭和シェル石油 4,728
10 松下電器産業グループ 4,721

影響

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一連の損失補填は証券取引法に規定のなかった事後の損失補填であったとされたため、平成3年証券取引法改正において事前・事後を問わず損失の保証・補填を禁止し、一任勘定取引も排除する立法がなされた。また、損失補填の背景には固定手数料制度及び引受けに関する競争を制限するような慣行があったとされたため、その後委託手数料は完全に自由化された。さらに、平成9年山一證券自主廃業にも繋がった。証券取引等の公正を確保する目的で平成4年に設置された証券取引等監視委員会もこの不祥事を受けてのものである。

問題点

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使

法律問題

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損失補填に関連して法律上問題となる点をここで扱う。関連判例についてもここで触れる。

私法上の効力

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31277

390399431226

36061415418

取締役の対会社責任

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26615

TBSTBS4232236000313161TBS31110919484410

591679261277

193.31926615


独占禁止法上の問題

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1931229193

29399

(3.2) 19

関連項目

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関連する法律として以下のものがある。

証券取引法が他に禁止している行為として以下のものがある。

脚注・出典

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  1. ^ “根は深い証券不祥事”. ニューズウィーク日本版(1991年8月15/22日号). TBSブリタニカ. (1991-8-15/22). pp. 14. 

参考文献

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 6 2004ISBN 4-641-13345-X

  2002ISBN 4-641-19955-8

 6 1998112ISBN 4-641-11449-8

 6 2002146,250ISBN 4-641-11461-7

 12631991

 12571991

外部リンク

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