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橋本文法︵はしもとぶんぽう︶は、橋本進吉により説述された日本語における文法のことであり、国文法のいわゆる四大文法︵山田文法・松下文法・橋本文法・時枝文法︶の一種である。学校文法の規範として、戦後国語教育への影響が大きい。
品詞分類[編集]
橋本文法の品詞は以下の通り。
●詞︵自立語︶
●活用するもの - 単独で述語となるもの - 用言
●命令形あるもの - 動詞
●命令形なきもの - 形容詞
●形容動詞
●活用せぬもの
●主語となるもの - 体言
●名詞
●代名詞
●数詞
●主語とならぬもの
●修飾接続するもの - 副用言
●修飾するもの
●用言を修飾するもの - 副詞
●体言を修飾するもの - 副体詞︵連体詞︶
●接続するもの - 接続詞
●修飾接続せぬもの - 感動詞
●辞︵付属語︶
●活用あるもの - 助動詞
●動詞にのみ付く
●種々の語に付く
●活用なきもの - ︵助詞︶
●断続の意味なきもの
●連用語にも付く - 副助詞
●連用語には付かない - 準体助詞
●続くもの
●接続するもの
●用言にのみ付く - 接続助詞
●種々の語に付く - 並立助詞
●接続以外で続くもの
●体言に続く - 準副体助詞
●用言に続く
●体言にのみ付く - 格助詞
●種々の語に付く - 係助詞
●切れるもの
●文を終止する - 終助詞
●文節の終りに来る - 間投助詞
文・語・文節[編集]
まず、文を句切りながら発音して、実際の言語としてはそれ以上に句切ることはない個々の部分を﹁文節﹂とする。学校文法における指導などでは﹁ね﹂﹁さ﹂﹁よ﹂などを挟むことができる所で切る、と説明されている。
そして、文節は一定の意味を持ち、発音にもいくつかの規則性が見られる、とした。
次に文節を更に意味を有する言語単位に分解することで﹁語﹂を認める、とした。たとえば文節﹁山に﹂は﹁山﹂﹁に﹂のような語に分解される。ここで﹁山﹂のように独立し得る語を﹁詞﹂︵自立語︶、﹁に﹂のように常に詞に付くことで文節となる語を﹁辞﹂︵付属語︶とした。
さらに語について、﹁酒樽﹂︵﹁酒﹂+﹁樽﹂︶﹁本箱﹂︵﹁本﹂+﹁箱﹂︶のような﹁複合語﹂を取り上げ、分解することはできるが、一語となっていてそれぞれは部分を成すに過ぎない、とした。︵こういった複合語は自然言語処理、特にかな漢字変換の辞書などで重要で、文法では﹁情報処理学会全国大会﹂のような語は1語だが、組合せがあるだけ辞書に登録するのは無理なので、適当に分割して辞書を引いて変換する必要がある︶
辞については、助詞と助動詞のような﹁独立せぬ語﹂︵﹁独立し得ぬ語﹂︶の他、﹁お山﹂の﹁お﹂のような﹁接辞﹂もあるとしたが、接辞と﹁独立せぬ語﹂の区別は、根本的なものでなく、程度の差に過ぎない、としている︵このような接辞は、品詞分類にはあらわれていない︶。
関連項目[編集]