漢字Talk
表示
漢字Talk | |
---|---|
Classic Mac OS ファミリー | |
開発者 | |
Apple | |
リリース情報 | |
最新の安定版 | 7.5.5 - 1996年11月14日 [info] |
ソースモデル | クローズドソース |
サポート状態 | |
終了 |
漢字Talk︵かんじトーク︶は、Appleが1996年まで使用していたMacintoshのオペレーティングシステムであるClassic Mac OSの日本語版につけた名前。翻訳されたアプリケーションで構成されており、日本語フォントが設定され、ことえりと呼ばれる日本語入力システムが搭載されていた。このソフトウェアは日本でのみ発売され、サポートもアップルコンピュータジャパンのMacintoshのみを対象とした。
沿革[編集]
開発指示[編集]
1985年︵昭和60年︶、Macintosh部門の責任者であったスティーブ・ジョブズからの指示により、ジェームス比嘉とケン・クルグラー[1]、Mark Davisらにより開発が始められる。大座畑重光によると漢字TalkのTalkはSmalltalkからとったという[2]。漢字Talk 1.0[3][編集]
●System 3.0と共に1986年︵昭和61年︶に披露され、最初はMacintosh Plusに割り当てられた。[4] ●日本語フォントとしてSapporo、Kyotoが付属[5] ●日本語入力フロントエンドプロセッサとして2.0変換を搭載。 ●漢字Talk 1.1漢字Talk 2.0[3][編集]
●1987年[6]‥同時発売されたMacintosh IIとMacintosh SE向けに開発が間に合わず、購入者に後日発送された。 ●System 4.1をベースとしていた[7]。 ●日本語フォントとしてOsaka、Kyotoが付属[5]漢字Talk 6.0[編集]
●1989年[8] ●ベースのシステムとFinderとバージョン番号が同期するようになる。 ●カレンダーを正月三が日のいずれかにセットして立ち上げるとスタートアップ時の"Welcome to Macintosh"画面に﹁あけましておめでとうございます﹂が表示された[9]。 ●漢字Talk 6.0.2 ●漢字Talk 6.0.3‥Macintosh IIcxに付属。 ●漢字Talk 6.0.4‥英語システムから約2年の遅れでMultiFinder対応。Macintosh IIci, Macintosh Portableに付属。 ●漢字Talk 6.0.5‥Macintosh IIfxに付属。 ●漢字Talk 6.0.7‥日本語TrueTypeフォントへの対応[3]。アップグレードの場合、日本語HyperCard 2.0 Liteが付属した[10]。アップグレード料金は9000円[10]。System 6.0.6ベース。 ●漢字Talk 6.0.7.1‥1991年10月21日 PowerBook 100, 140, 170に付属[11]。System 6.0.7ベース。漢字Talk 7 リリース7.1[編集]
●WorldScript IIに対応したSystem 7.1[12]をベースに1992年12月リリース[13][14]。 ●インプットメソッドとして新しくことえりを採用[13]。 ●一般公募で決定された﹁おにぎり﹂が愛称だったことがある[15]。 ●画面のデザインがカラー化され、ラベル機能など色を生かしたインタフェースが搭載された。 ●漢字Talk 7.1.1‥PowerBook Duo 210, 230に付属。 ●漢字Talk 7.1.2‥Power Macintosh 8100 ,7100, 6100 LC-630,に付属、初のPowerPC対応を果たす。漢字Talk 7.5[編集]
●漢字Talk 7.5.1‥1995年 Performa 6260[16], Power Macintosh 6300[17]に付属。 ●漢字Talk 7.5.2‥1995年 初代のPower Macintosh 9500, 8500 ,7500, PowerBook 5300, 190, Duo 2300に付属。ネットワーク周りなど多数の問題を抱えていた[18]。 ●漢字Talk 7.5 バージョン7.5.3‥1996年5月 マイナーアップデートされたPower Macintosh 9500, 8500 ,7500に付属[19]。 ●漢字Talk 7.5 バージョン7.5.3 リリース2‥1996年9月3日発表[20]。かつて一部フォントを除いたディスクイメージが無償ダウンロード提供されていた[21]。 ●漢字Talk 7.5.5‥1996年11月14日発表[22]グローバルな名称への統合[編集]
System 7.6として発表されていたOSは、リリース時にMacintosh互換機へのライセンスとの兼ね合いで、Mac OS 7.6という名称とされ[23][24]、漢字Talkという日本語版のみの独自名称の利用は7.5.5までで終わった。なお、同じ漢字文化圏のCJKVである中国語や韓国語は漢字Talk 7.1と同期のSystem 7.1から対応しているが、﹁漢字Talk﹂の名称は用いず最初からSystem 7.1として対応している。仕様[編集]
![]() | この節の加筆が望まれています。 |
漢字Talkでの内部文字コードは、6.0.xまではShift-JISを使い、7.1からAppleも策定に協力したUnicode[25] に取って代わられたが、採用している漢字およびフォントはJISのものに縛られていた[26][27]。
●Sapporo‥漢字Talk 1.0に搭載されたゴシック体[28] のビットマップフォント。
●Kyoto‥漢字Talk 6.0.7.1まで搭載された明朝体のビットマップフォント。
●Osaka‥Sapporoに代わって搭載されたゴシック体のビットマップフォントで、システムフォントとなった。 漢字Talk 7.1からTrueTypeフォント。漢字Talk 7.1から標準搭載。[29]
●リュウミンL-KL‥漢字Talk 7.1から搭載された明朝体のTrueTypeフォント[13]。ロックがかかっておりアウトラインがとれない。
●中ゴシックBBB‥漢字Talk 7.1から搭載されたゴシック体のTrueTypeフォント[13]。ロックがかかっておりアウトラインがとれない。
●平成角ゴシック W5‥漢字Talk 7.1から搭載されたゴシック体のTrueTypeフォント[13]。
●平成ゴシック体W5‥漢字Talk 7.1に標準搭載されたTrueTypeフォント。[29]
●平成明朝 W3‥漢字Talk 7.1から搭載された明朝体のTrueTypeフォント[13]。
●本明朝-M‥漢字Talk 7.1から搭載された明朝体のTrueTypeフォント[13]。
●丸ゴシック-M‥漢字Talk 7.1から搭載された丸ゴシック体のTrueTypeフォント。本明朝-Mと同じリョービイマジクスの書体﹁シリウス-M﹂[13]。
●欧文TrueType‥漢字Talk 7.1から標準搭載されたTrueTypeフォント。BitStream社が提供した[29]。
脚注[編集]
(一)^ ︻レビュー︼世界のOSたち - GUIを世界に広めた﹁Mac OS﹂前編
(二)^ “﹁漢字Talkの名付け親﹂が語るAppleへの想い|Mac Fan”. book.mynavi.jp. 2019年8月21日閲覧。
(三)^ abc世界のOSたち - GUIを世界に広めた﹁Mac OS﹂後編 - 1 Macintoshに日本語をもたらした﹁漢字Talk﹂
(四)^ “漢字Talk 1.0 - 意味・説明・解説 : ASCII.jpデジタル用語辞典”. yougo.ascii.jp. 2018年4月15日閲覧。
(五)^ ab“世界のOSたち - GUIを世界に広めた﹁Mac OS﹂後編 (1)”. マイナビニュース (2012年12月11日). 2022年1月9日閲覧。
(六)^ “漢字Talk 2.0 - 意味・説明・解説 : ASCII.jpデジタル用語辞典”. yougo.ascii.jp. 2018年4月15日閲覧。
(七)^ 漢字Talk 2.0
(八)^ “漢字Talk 6.0 - 意味・説明・解説 : ASCII.jpデジタル用語辞典”. yougo.ascii.jp. 2018年4月15日閲覧。
(九)^ Raisan 1997, p. 168.
(十)^ abSuperASCII 1991年4月号, p. 45.
(11)^ 漢字Talk 6.0.7, Appleウィキ
(12)^ “System 7で幕をあけた激動の1990年代︵後編︶”. ITmedia PC USER. 2022年12月9日閲覧。
(13)^ abcdefghMac OS漢字Talk 7.1とTrueTypeの登場─フォント千夜一夜物語︵9︶ - 日本印刷技術協会
(14)^ System7はGomTalkやSysMode日本語といったパッチソフトで漢字Talk 6.0.7の日本語部分を無理やりインストールして日本語化する方法が使えた
(15)^ Raisan 1997, p. 105.
(16)^ “この夏限定販売のMacintosh Performa 6260”. pc.watch.impress.co.jp. 2021年4月7日閲覧。
(17)^ “﹁Power Macintosh 6300/120﹂を発表”. web.archive.org (1997年2月25日). 2021年4月7日閲覧。
(18)^ “Apple、漢字Talk 7.5.3へのアップグレードを無償で配布予定”. インプレス. 2021年4月7日閲覧。
(19)^ “Power Macintoshの新製品 4機種5モデルを発表”. pc.watch.impress.co.jp. 2021年4月7日閲覧。
(20)^ アップル、漢字Talk 7.5.3を発表
(21)^ ソフトウェアリファレンス 漢字Talk 7.5 バージョン7.5.3
(22)^ アップル、﹁漢字Talk 7.5.5アップデート﹂の無償配布開始を発表
(23)^ 祝Macintosh30周年!! SystemからMac OSへ名称変更|Mac - アスキー
(24)^ Mac OS 7.5以降のユーザーには9,000円、それ以前のバージョンのユーザーには24,000円で提供 - アップル、Mac OS 7.6を発表、3月下旬より発売 - PC watch (1996年2月17日)
(25)^ Unicodeとは - 日本電子出版協会
(26)^ A Brief History of Character Codes, Steven J. Searle, originally written 1999, last updated 2004
(27)^ Apple にまつわる歴史 … Apple 標準システム外字 - ミケネコ研究所 / 文字コードの部屋 / 機種依存文字の歴史
(28)^ 斎藤由多加﹃マッキントッシュ誕生の真実﹄毎日コミュニケーションズ、2003年。ISBN 4-8399-0975-X。
(29)^ abc“Mac OS漢字Talk 7.1とTrueTypeの登場─フォント千夜一夜物語︵9︶”. www.jagat.or.jp. 2023年6月1日閲覧。
関連項目[編集]
参考文献[編集]
- 中原晃司、梶浦正規『マッキントッシュ礼賛』株式会社カットシステム、1997年6月1日。ISBN 4-906391-45-1。
- 「SuperASCII 1991年4月号」第2巻第4号、株式会社アスキー出版、1991年4月1日。
外部リンク[編集]
- The Vintage Mav Museum - ウェイバックマシン(2006年2月24日アーカイブ分)[リンク切れ]