蛇スープ
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蛇スープは、爬虫類のヘビを主な食材として使用したスープ。
太史五蛇羹
中国料理の中でも特に広東料理は伝統的に蛇︵毒蛇含む︶を食材として使用しており、広州や香港には、蛇専門の食材店や料理店がある。
中国料理としての蛇スープは、一般的な中華スープ同様に、さらっとした湯︵タン (tānɡ)︶と、とろっとした羹︵カン (ɡēnɡ)︶に大きく分かれる。広東の蛇スープも両方あるが、有名なのは﹁羹﹂の方であり、﹁蛇羹﹂︵ショーカン (shéɡēnɡ)。広東語でセーカン (se4gang1)︶と呼ばれる。冬眠前の蛇は脂が乗って美味と言われ、﹁蛇羹﹂を秋に食べると一冬風邪をひかないと言われている。薬味として、菊の花びら、レモンの葉の細切り、小麦粉をこねて薄く揚げた﹁薄脆 ボクチョイ (bok6cheui3)﹂と呼ばれるクラッカーを加えて食べる。香港の蛇食材店の多くは市場にあり、店頭で気軽に﹁蛇羹﹂を食べられるようにしている。
●三蛇羹︵三種類の蛇のとろみスープ︶
広東料理の一つで、ヒメナンダ、コブラ、マルオアマガサの3種のヘビ肉の細切りを、キクラゲ、しいたけ、生姜、鶏肉、豚肉などと共に煮込み、でん粉でとろみをつけたスープ。
●五蛇羹︵五種類の蛇のとろみスープ︶
広東料理の一つで、三蛇羹の食材の他に、ヒャッポダとホウシャナメラの2種のヘビ肉を加えたもの。1904年に科挙で進士となった江孔殷は、役人となり江太史と呼ばれたが、グルメとしても有名で、江太史の屋敷で考案されたので、太史五蛇羹とも呼ばれる。