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試し酒︵ためしざけ︶は、落語の演目のひとつ。
落語速記者・研究家の今村信雄︵1894年 - 1959年︶が昭和初期に作った新作落語。時代設定や世界観などは古典落語を模している。下敷きとなる原話が存在するとされ、初代快楽亭ブラックが1891年︵明治24年︶3月に記した﹃百花園﹄中の一編、中国の笑い話など、複数の説がある。
主な演者[編集]
物故者[編集]
●七代目三笑亭可楽
●六代目春風亭柳橋
●古今亭志ん朝
●五代目柳家小さん
●二代目三遊亭金翁
●三代目桂米朝
●三代目三遊亭歌笑
●三代目柳家権太楼
●柳家さん生
●四代目柳亭市馬
●初音家左橋
●三遊亭楽松
●三代目橘家文蔵
●柳家一琴
●桂りょうば
あらすじ[編集]
商家・尾張屋の主人のもとに、商売なじみの近江屋の主人が下男の久蔵をしたがえ、上等な酒を持ってやって来る。近江屋が﹁うちの久蔵は大酒飲みで、5升は飲み干せる﹂と自慢するので、尾張屋は近江屋に対し、久蔵が本当に5升飲み干せるかどうかの賭けを持ちかけ、﹁わたしが賭けに負けたら、温泉宿︵東京では湯河原温泉、上方では有馬温泉︶で遊ぶ費用をわたしが肩代わりする﹂と言い放つ。外で待つ久蔵は呼ばれて招き入れられ、賭けに乗るよう持ちかけられるが、気乗りがしない。ところが尾張屋が﹁賭けを受けなければ近江屋の負けだ﹂と告げるので、﹁少し考えるので待っていてほしい﹂と言い残して表に出て行く。
しばらくあと、久蔵は戻ってくるなり、賭けに乗ることを宣言し、大きな可杯︵べくはい︶で、5升の酒を1升ずつ飲み干してみせる︵※このとき演者は、少しずつ酔っていきながら主人・近江屋の愚痴を言ったり、身の上を嘆いたりする演技を見せる︶。賭けに負けた尾張屋が驚きあきれて、﹁どうしてそんなに酒が飲めるのか。さっき出て行った時に、酒に酔わない薬でも飲んだのか。それとも何かまじないでも受けたのか﹂とたずねると、久蔵は、
﹁酒を5升も飲んだことがなかったので、表の酒屋で試しに5升飲んできた﹂